ファッションで「頭おかしい」とフラれることも 原宿系オシャレカップルの愛に迫る

近頃増えているというテーマを設定した服装「テーマコーデ」でデートをするカップル

全身を統一するペアルックや双子コーデとは異なり、手持ちの服で共通点のあるコーディネートを楽しんでいるらしいのですが、その正体はおしゃれレベル平均並(平均以下かも)の筆者からしたら謎だらけ。

真意を探るためアパレル勤務のいけだあやねさん(21歳)にインタビューをしています。

前編では前日にLINEで作戦会議をすることや、交際相手の持つ服は把握していて全身彼の服でも出かけちゃうなど驚きの発言が飛び出しました。

ここまでなかなか共感する点は見つからないのですが、ここからが驚き。恋をしたことのある人ならだれでも経験のある感覚との共通点が見え出すのです。

さらにカップルの特権、あのアイテムと繋がる点も……。

 

まず前編で感じた疑問、あやねさんがこれまでお付き合いをしてきたのは、やっぱりファッションに並々ならぬ情熱を注ぐ人達だったのでしょうか。

というわけでテーマコーデ後編インタビュー、スタートです。

●テーマコーデは一部の人たちにしか理解できないもの?

――あやねさんは、服の趣味が合う方としか付き合わないのでは?

よく聞かれるんですけど、全然違うんです。今まで「お前は頭がおかしい」ってフラれてばかりでした。
――ええっ頭おかしいってフラれるとは?

奇抜な格好をしたり髪の毛をピンクに染めたり、10代のころは特にセンスが爆発していたんです。それで恥ずかしくて一緒に歩けないとか、ついていけないってフラれまくってました。

 

天真爛漫で小さくて、日だまりのようなあやねさんからは、そんなショッキングな男性遍歴があるとは想像できません。
好きな服を着てるだけなのに、ファッションを理由にフラれるのはキツいでしょう。
彼の好みに合わせるために自分を変えて、好きなものを我慢して、それで食いつなぐ関係ってなにかが違う気がします。

 

●彼と出会って変わったこと、そしてわかったこと

――それは、別れてよかったんじゃないでしょうか。それで、今の彼氏さんと出会ったわけですね。

大学でおしゃれって噂されてる後輩がいて、それが今の彼です。
たまたま会う機会があって、おしゃれというより奇抜な子でした。洗濯バサミをピン止めがわりにしたり、Yシャツを逆に着たり。あ、この子私より頭おかしいわってなんか安心したんですね(笑)

――それで交際がスタートしたんですね。個性的なファッションが二人を繋いだと。

そうです。彼は私の好きなものを否定しないし、私も彼の選ぶものをいいなって思います。
すごく楽だし、なにより「あぁ、私は私でいていいんだ」って初めて思えたんです。この子となら自分でいられるかもしれないって。

付き合う前 (328x610)

付き合う前 確かにバラバラです。

 

――ではテーマコーデは服の趣味が同じ二人にとって、強制されたりするものじゃなくて自然と形作られてきたものなのでしょうか?

そう言った方がしっくりきますね。会うのも月に2、3回だしラブラブというよりは仲良しって感じ。出会った時は違ったけど、好みが似てきたように思います。

実は彼も私も、服にかけるお金は月3万円くらいで、そんなに多くないんです。そんなにファッショナブルってわけでもないです。
でも、似た格好をするとつながってると思うし自分がもう一人いるみたいで嬉しいです。

半年くらい別れていた時期があったけど、服も写真もそのままにしてました。ヨリを戻したけど依存しているわけじゃない居心地の良さを感じたんです。共通の友達にも「2人1つって感じだから、今が一番自然だよ」って言ってもらえたし。

今はお互い働いているから、会える時間は短いけど、想っている時間は前より長いかもしれないです。

 

はじめて出会った、自分でいられる人と距離が近くなり一緒に過ごす時間が増えたことで、同じ服で出歩くことに喜びを感じるようになった、そうしていることが心地いい。
好きな人ができるとそれまで自分だけのものだった価値観は変わります。
ふと、何気ない今日という日が記念日になるという恋の歌を思い出しました。

『なんか不思議なんだ~

君が僕を好きな理由がわからないよ、そんなもんかな?

趣味や仕草だって違っているけれど~

最近似てきたと周りに言われる♪』

KinKi Kids Anniversaryより

 

話し方が似てきたり
同じ曲を好きになったり
微笑ましい変化は、恋を知る人なら誰だって経験のあることです。

違う2人が同じ時間を過ごすことで同じ服を選ぶようになってもなんら不思議ではありません。

 

●原理はペアリングと同じ?恋をするということ、愛を知るということ

お互いの個性が強いのに、受け入れながら生活を共にする姿は、勝手に想像していた「自分以外には興味ない個性おばけ」とは全く違う、ナチュラルで最高におしゃれなカップルの姿がありました。

特に印象に残ったあやねさんの言葉があります。
女の子って少なからず彼と同じになりたいって願望があると思うんです。ペアリングをもらって嬉しいって思うのはそういうことですよね。距離が近付いてる気がするし、認められてるって安心できるんだと思います」

好き合う関係の中で、2人は繋がっているという証がほしいもの。そんな少しわがままで可愛い願望の延長線上にあるのがペアリングであり、自己主張のサイズが大きくなったのがテーマコーデやペアルックなのかもしれません。

初詣 (441x610)

初詣のテーマは「大正浪漫」

 

知れば知るほど好きになって。
もっと知りたくなって、相手の好むものさえも愛しくなり自然と手に取るようになる。恋の影響力ってすごい。

うっとりとした表情で語るあやねさんを見て、
「あぁテーマコーデっていいかも。やってみたいかも。」と取材前とは考え方がらりと変わった筆者でありました。

 

今日もたくさんのカップルが、それぞれの表現方法で想いを育んでいるのでしょう。
そんな視点で世界を見たら「リア充爆発しろ」とかではなくて
みんなの恋が叶えばいい、大事な人と一緒にいられればいい、なんて思える気がします。

(文:大久保彩乃)

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