就活を諦めようと思っていた落ちこぼれ就活生が就職しようと思った理由

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「20代最後の夏なのに遊べない!!」
7月中旬、私の前の席に座っている霜田編集長はそう嘆いていました。
理由は、20代の内に3冊目となる本を出版するため。今年の夏はその本の執筆に追われるから、ということでした。
編集長のそんな大変な状況も露知らず、7月下旬に行われた夏のイベントに、取材として編集長とモデルの女の子と参加し、取材にも関わらずめいいっぱい楽しんだ帰りに、私はなぜか蒸し暑い夜のお台場で、霜田さんに「自分の人生」について語っていました。

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自分を伝えることに対する恐怖心

私は元々「自己開示」が苦手な人間です。
保育園の頃から「そのコミュニティでの自分の立場」を確保するために「話術」を磨いてきました。おかげで友達を作るのは得意になったし、年上の人の前でも、臆することなく話すことが出来るようになりました。ですが、コミュニティで生き残ることを考え話術を磨き、「面白おかしく何でも話せる自分」を作り上げていくにつれて、「その場の空気を読んだ会話」を優先していくようになり、いつしか「本当の自分の話」をすることが出来なくなっていました。

それは22歳の就活生になった今でも変わることはなく、「自分の将来」や「何がしたいのか」「どんな悩みを抱えているのか」など、人生において大切な話も出来ない状況に陥っていました。

ですが、イベント帰りの反省会の場で、私はなぜか霜田さんに普段は出来ない「自身の話」をしていました。
それは霜田さんに「将来の話をしてよ」「何か悩みはないの?」等と聞かれたからではなく、霜田さんの持つ、「良い面も悪い面も全て受け入れてくれるのではないか」と感じさせてくれる“なにか”が私にそうさせたのです。

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それから約2ヵ月後、完成し、発売された本を手に取り自宅で読みながら、私は「あの時、霜田さんに話した自分の判断は間違いではなかったのだ」と感じていました。
本のタイトル『面接で泣いていた落ちこぼれ就活生が半年で女子アナに内定した理由』だけを見ると、一見「就活生にあてた就活のテクニック本」なんだなと感じます。
確かに登場する主人公の女性はタイトルにもあるように「女子アナを目指す就活女子」です。ですが、彼女の就活への姿勢や抱える悩みを通しながら、この本は「踏み出したいのに踏み出せないでいる、深いところで自分に自信が持てない全ての人」に向けて書かれた本でした。

本の中に「『自分のことを話すと嫌われるのではないか』という不安から自己開示が出来ない人がいる」という一節がありました。
まさしく「私のことだ……」そう感じ、本を持つ手にもより一層力がこもりました。
その一説にはさらにこう続きがありました。
「もちろん、初対面の人に自己開示が出来なくても生きていくことは出来ます。……それでも、この本を手にとってくださった方は、そうした状況から一歩踏み出したいと心のどこかで思っているのではないでしょうか?」
この文章を読んで、私は思わず本をめくる手をとめました。

“他人”を演じようとする人は思いを伝えられない

正直、ここに登場する主人公の女性にはあまり感情移入をすることは出来ませんでした。
そもそも私は就職自体することを悩んでいたような人間でしたし、ましてや初対面の人に「自分の悩み」を泣きながら伝えることなんて出来る人間ではないからです。
もしも私が彼女の立場だったら……きっと笑いながら「アナウンサーに向いていないかもしれないので違う道も視野に入れて頑張ります!」と自分の本心や弱みを隠して終わらせていたと思います。

ですが、この本を読んで、私は気付きました。
「本当の自分の言葉で自分を素直に表現できない人間の言葉では、誰の心も動かせない」ということを。
この本の主人公の彼女は、面接の場では伝えられなかった自分の弱みを、霜田さんの前では素直に伝えています。だからこそ、この話を聞いた霜田さんは彼女の為に一生懸命になれたのでしょうし、最終的に彼女はアナウンサーの内定を勝ち取ったのだと思います。

そして私もまた、誰にも言えず諦めようかと思っていた夢にもう一度挑戦しよう、そのために逃げずに就職をしようと思えたのは、あの蒸し暑いお台場で、ちっぽけな夢や悩みでも、自分の言葉で自分の想いを伝えることが出来たからなのです。

この先の人生で、「自分の想いを伝えなければならない場面」はきっとたくさん出てくるのだと思います。
そのたびに「なんとなく場の空気を読んで乗り切ること」は恐らく簡単だと思います。
ですが、この本を読んだ今、私は「そうした状況から一歩踏み出したい」と強く思うことが出来ました。

伝えられない人生よりも伝えられる人生を

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先日下北沢で行われた出版記念イベントの際に配られた参加特典の一番後ろのメッセージに、「僕がかつて小僧の頃 イメージした壮大な人生プランからは多少見劣りはする 案外普通だし 常識的なこれまでだ それはそれなりにそう悪くはないのさ」(ポルノグラフィティ/幸せについて本気出して考えてみた)
という言葉が書かれていて、そこに霜田さんの想いが綴られていました。

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ほとんどの人がきっとこの歌詞のように、「かつてイメージしていた人生プランや人間像」からは外れてしまっているかもしれません。
そして私もその一人です。
ですが、それは紛れもない自分のもの。全てを受け入れて、嫌な部分もつまらない部分も正しいけれど面白くないことも、あなたの言葉で伝えて欲しい。
そしてそれを受け入れてくれる場所を見つけて欲しい。

この本を読んだ今だからこそ、私は「自分の言葉」で、こうして、「自分の思い」を伝えることが出来るようになりました。

(文:田中七海)

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発行元:日経BP社
価格:本体1,300円+税
URL:http://www.amazon.co.jp/dp/482225108X/

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