ジョージ朝倉の『溺れるナイフ』まさかの実写映画化!監督は26歳の新鋭・山戸結希

ジョージ朝倉による伝説的少女コミック『溺れるナイフ』が、このたび実写映画化されることが明らかになった。

そのニュースを聞いた瞬間、ソーシャルトレンドニュース編集部に激震が走った。原作ファンが多かったのだ。筆者にいたっては、10代の頃、狂信者と言っても過言でないくらいで、まさに溺れるように読んでいた。「これは少女漫画でしか表現できない」そう思っていた。
そんな溺れるナイフが実写化……。正直、どんなものになるのか、ものすごく、怖い!

10代の全能感を描かせたらジョージ朝倉の右に出るものはいない

映画の原作となる、ジョージ朝倉の『溺れるナイフ』(講談社「別冊フレンド」にて連載)は、2004年に連載開始されて以降、現在までに累計発行部数140万部以上(全17巻)を誇り、熱狂的な支持を受けてきた作品だ。
まだ何者でもなく、何者にでもなれると感じる「10代の一瞬間(=全能感)」の謳歌、挫折、そして再生を、かた田舎の、とある少年と少女の成長を通して描いている。激しくも儚く、そして美しい、壮大なラブストーリーでもある。

東京で雑誌モデルをしていた美少女・望月夏芽は、ある日突然父の故郷である浮雲町(うきぐもちょう)に引っ越すことになる。
東京から遠く離れた田舎町には刺激がなく、自分が欲する「何か」から遠ざかってしまったと落ち込む夏芽だったが、土地一帯を取り仕切る神主一族の末裔で、跡取りである長谷川航一朗(コウ)に出会い、強烈に惹かれていく―。

『溺れるナイフ』はなぜ伝説的少女コミックと言われるのか

2人は出会った時、お互いを「光を発する存在」と認めていて、単なる恋愛対象ではなく、ライバルでもある。どれほど光を発することができるか。原作の序盤ではその競い合っている様を、ジョージ朝倉ならではの、文学的なセリフ、熱のこもったキャラクターの表情で、まぶしいくらいキラキラと描いた。
物語の中盤以降は、成長とともに味わう挫折や、お互いが同じように輝けないことに対する苛立ちなど、10代ならではのダークな葛藤が中心として描いていた。

正直、後半部分はあまりに「10代すぎて」、読んでいて心が痛むほどだった。
それは彼らと同じように、どうにもならない苛立ちを抱えていた自分の10代の頃を思い出したのと、夏芽やコウのように、そのエネルギーを行動に移せなかったことへの後悔を感じたから。この作品を読むと、大なり小なり、誰もが心に持っているであろう「ギラギラした何か」を呼び起こされる気がする。だからこそ、『溺れるナイフ』は伝説的であると思うのだ。

監督は「少女の過剰な自意識」を描く天才・山戸結希

そんな熱狂的ファンを抱える作品なだけに、映画化に対して、監督へのプレッシャーは大きい。
それを受けることになる監督は、2012年のデビューから「少女の過剰な自意識」を描いた作品群でミニシアター界を騒がせてきた26歳の新鋭監督の山戸結希(やまとゆうき)。
『あの娘が海辺で踊ってる』『おとぎ話みたい』『5つ数えれば君の夢』などの作品で、「天才が現れた」と映画界を震撼させた人物だ。
コラムニストの中森明夫は、「AKB48だって7年で東京ドームへ行ったんだから、やまとんが7年後にカンヌでグランプリ取っても不思議じゃない」と評したという。

そんな山戸監督は、映画化に際して下記のようなコメントを寄せている。
「溺れるナイフという漫画が、ずっと大好きでした。田舎の片すみで、何度も何度も読み返し、すべての気持ちを味わわせていただきました。
尊敬するジョージ朝倉先生に、映画化して心から良かったなと思っていただけますよう、もちろん俳優さんのファンの方たちにも喜んでいただけますよう、そして10年間、溺れるナイフを大好きで居続けた女の子たちに恥ずかしくない映画を撮れますよう、精一杯力を尽くさせていただきます」

最後の「溺れるナイフを大好きで居続けた女の子たちに恥ずかしくない映画を」という言葉……。同じくジョージ朝倉の作品で育ち、山戸監督と同世代の筆者の胸に、強く響いた。監督を信じて、2016年秋の公開を待ちたいと思う。

それにしても、キャストが気になりすぎる……!

(文:ソーシャルトレンドニュース編集部)

『溺れるナイフ』
2016年秋 全国ロードショー

監督:山戸結希
脚本:井土紀州 山戸結希
製作:依田巽 企画:小竹里美 瀬戸麻理子 
プロデューサー:朴木浩美 COプロデューサー:永田博康
原作:ジョージ朝倉「溺れるナイフ」(講談社「別冊フレンド」刊)
製作:「溺れるナイフ」製作委員会
企画 製作幹事 配給:ギャガ
企画協力 制作プロダクション:松竹撮影所

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