宮下順子もコメンタリー参加 45周年を記念して日活ロマンポルノ・初のブルーレイ化!

『デスノート』の金子修介、『さよなら歌舞伎町』の荒井晴彦……etc.
いまの日本映画をけん引し、伝説的な名作を生み出してきた多くの映画監督や脚本家の中には「日活ロマンポルノ」出身者が多い。
「日活ロマンポルノ」とは、映画会社・日活が1971年に打ち出した当時の映倫規定における成人映画のレーベルだ。
「10分に1回絡みのシーンを作る、上映時間は70分程度」などの一定のルールと、製作条件を守れば比較的自由に映画を作ることができたため、多くの若手監督は、限られた条件の中で新しい映画作りを模索した。
その作品群は“ポルノ”の枠を超え、当時のキネマ旬報ベスト10にも度々選出されるなど、同時代の日本映画の名作として今日まで語り継がれている。
そんな日活ロマンポルノが来年2016年に生誕45周年を迎えるにあたり、計80タイトルをDVD・ブルーレイとしてリリースすることが発表された。

橋本愛もあこがれた
宮下順子が出演作をオーディオコメンタリー

今回の初ブルーレイ化作品には、初ディスク化にもなる五月みどり主演作『ファイナルスキャンダル 奥様はお固いのがお好き』(83年、小沼勝監督)、天地真理主演、ジョニー大倉共演で話題の『魔性の香り』(85年、池田敏春監督)などがある。
これらブルーレイ作品は、高齢者の方々にとっても見やすい「バリアフリー字幕(聴覚障がい者向け字幕)」付だそう。
今回、思い入れの深い神代辰巳監督作品であることから『四畳半襖の裏張り』の主演女優・宮下順子がコメンタリーに参加することとなった。
フランソワ・トリュフォーが「女の美しさを讃え、男の愚劣さを告発するという構造は、ジャン・ルノワール的なおおらかな精神」を表現していると本作を賞賛し、同じく宮下の主演作である『赤線玉の井 ぬけられます』も観るつもりであると語った(『トリュフォー最後のインタビュー』平凡社刊より)という談話が残っているほど、世界的に評価されている作品である。

宮下順子 コメント

『四畳半襖の裏張り』が世界的に評価されていることに関して

「映画は監督のもの。俳優はコマだと思っています。神代さんは天国で喜んでいるのではないでしょうか」

同じ時代をすごしたファンの方々へ

「撮影当時から振り返ると、やっぱりあの時代だから出来たものかもしれないなあ、と思います。私も今日、本当に久しぶりに『四畳半襖の裏張り』を観ました。私が映画に出ていたころに、一緒に映画を観ていただいた方には、もう一度改めて、あの頃のことを感じて、楽しんでいただけるといいなと思います。重ねた年月の中で、観方が変わっているかもしれないですしね」

新しいファンの方々へ

「当時はまさか、DVDとかブルーレイという形で映画が残って、こんなに長い時間が経った後でも観つてもらえるようになるなんて想像もつかなかった。上映されたらすぐ無くなっちゃうもんだと思ってました。新しく見ていただく方々には、出来れば、ロマンポルノって、ことを抜きにしてね、あんまりポルノにこだわらないで、映画として観ていただければ嬉しいなって、思います」

宮下順子や五月みどりのなまめかしい青春が蘇る
2016年4月2日リリース作品一覧

第一弾として2016年4月2日にリリースされる作品は以下の通り。

ブルーレイ シリーズ 価格:4,200円 (税別) ※初ブルーレイ作品
『四畳半襖の裏張り』 (監督:神代辰巳、出演:宮下順子 他)
『(秘)(まるひ)色情めす市場』  (監督:田中登、出演:芹明香 他)
『セーラー服 色情飼育』 (監督:渡辺護、出演:可愛かずみ他)
『魔性の香り』(監督:池田敏春、出演:天地真理 他)
『マダム・スキャンダル 10秒死なせて』(監督:西村昭五郎、出演:五月みどり他)
『ファイナル・スキャンダル 奥さまはお固いのがお好き』 
(監督:小沼勝、出演:五月みどり他)
       
ゴールドプライス シリーズ 価格:3,000円 (税別)※初DVD作品
『エロスの誘惑』 (監督:藤田敏八、出演:中川梨絵 他)
『好色家族 狐と狸』 (監督:田中登、出演:田中真理 他)
『女秘書の告白・果肉のしたたり』(監督:近藤幸彦、出演:梢ひとみ、宮井えりな他)

シルバープライス シリーズ 価格:2,000円 (税別)※再発作品
『実録 白川和子 裸の履歴書』 (監督:曽根中生、出演:白川和子 他)
『黒薔薇昇天』(監督:神代辰巳、出演:谷ナオミ 他)
『濡れた壷』(監督:小沼勝、出演:谷ナオミ 他) 
『団鬼六 少女縛り絵図』(監督:小沼勝、出演:早野久美子 他)
『縄と乳房』(監督:小沼勝、出演:松川ナミ 他)
『団鬼六 蒼いおんな』(監督:藤井克彦、出演:志麻いづみ他)
『小松みどりの好きぼくろ』(監督:山本晋也、出演:小松みどり他)

橋本愛も憧れの女優として名前を挙げている宮下順子は、近年も日本映画に欠かせない現役の名女優だ。近年は『まほろ駅前番外地』など話題のドラマにも出演し、思いやりのある母親のイメージが強い。

しかし『(秘)(まるひ)色情めす市場』で演じた“彼氏が仕事を探しに出かけている間に「真珠入りのサオ」を持った街の権力者の男に乳房揉みしだかれる”美女など、若き日の彼女のなまめかしさは今のお色気モノ映画やAVでは観ることのできない種類のものだ。

すべての男の青春になりえる「日活ロマンポルノ」

今年の9月、池袋新文芸坐で日活ロマンポルノの特集上映が行われた。
筆者も足を運んだが、客席にひしめきあっていたのは、ほとんど高齢の男性方。
今までは名画座での上映をひっそりと待っていた当時のロマンポルノファンの皆様が、これを機に家でこっそり(奥方に隠れて)DVDを再生する事ができるのもまた、青春かもしれない。

もちろん、“サクッとサンプルの無料動画を再生し、カジュアルなソロ性生活を送る”いまの若い男児にもオススメだ。
“男女が生きる上で見て見ぬふりはできない、哀しいエロス”と向き合えば、未だ知らぬ興奮と情緒を味わうことができるはずである。

(文:ソーシャルトレンドニュース編集部)

<宮下順子プロフィール>
1971年に女優デビュー。72年日活へ。同年、遠藤三郎監督『団地妻・忘れ得ぬ夜』ロマンポルノ初主演。
73年には、永井荷風原作、神代辰巳監督の『四畳半襖の裏張り』に芸者・袖子役で出演し、女優として映画作品として高く評価された。
その他の神代作品に、『四畳半襖の裏張り・しのび肌』(74)、『赤線玉の井 ぬけられます』(74)、『壇の浦夜枕 合戦記』(77)などがある。昭和の猟奇事件“阿部定事件”を田中登監督が映画化した『実録阿部定』(75)では、実在した阿部定を演じ話題に。
岡本喜八監督『ダイナマイトどんどん』(78)と五社英雄監督『雲霧仁左衛門』(78)では、ブルーリボン賞助演女優賞を、中上健次原作、神代辰巳監督の『赫い髪の女』(79)で、報知映画賞の主演女優賞を受賞している。現在も女優として様々な映画に出演する。

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