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「この現場の雰囲気をもう一度味わえたら最高」 YOUNG DAISインタビュー

“日本警察最大の不祥事”と呼ばれている稲葉事件の手記が原作の映画『日本で一番悪い奴ら』が6月25日(土)より公開される。
綾野剛主演の本作は、作品のテーマもさることながら、専業俳優に限らないキャスティングにも注目が集まっている。
そんなメインキャストの中でも、HIP HOPアーティストとしても活躍しているYOUNG DAISは、ピュアとダークな部分を混合させた独特な存在感を持つ。

彼が演じたのは、綾野剛演じる諸星の舎弟として暗躍する山辺太郎。
そこで今回は、『TOKYO TRIBE』で俳優デビューして以降、出演作で唯一無二の色気を放ってきたYOUNG DAISに直撃!
タッグを組んだ綾野剛とのエピソードや、中村獅童から言われた“大事にしている言葉”など、『日本で一番悪い奴ら』の現場について聞いた。

綾野剛に触発されたこと 中村獅童からもらった言葉

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――劇中では諸星と太郎は舎弟関係にありますが、綾野さんとYOUNG DAISさんは同い年だそうですね。

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「綾野君とは、カメラのまわっていない時も、撮影期間は毎日のように一緒にいましたね。
現場ではずっとリーダーシップをとってくれていたし、些細なことでも声をかけてくれました。
二人が一緒に映るシーンが無い日でも、飲みに出かけて、芝居について語り合うことも多かったです。
そんな関係性のおかげで、劇中でも自然と寄り添っていくバディ感が生まれたんだと思います」

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――劇中では、太郎が諸星にどんどん触発されていきましたが、綾野さんによって触発された部分は何かありますか?

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「いっぱいあります。主役という座長としてチームを大切にする姿勢、立ち振る舞いには感銘を受けましたね。あとは綾野君の仕事に取り組む姿勢がものすごいストイックで、尊敬しています」

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――諸星役の綾野さん、黒岩役の中村獅童さん、ラシード役の植野行雄(デニス)さんと一緒にいるシーンが多いですが、撮影以外でも、四人で雑談をすることはありましたか?

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「撮影じゃない時にもたくさん話をしました。中でも、獅童さんにいただいた『ラッパーとして線引きをせず、現場では役者としてちゃんと生きるべき』という言葉が心に残っています。
 
『音楽をやっていることは、映画で表現する時の武器。他の役者に対して、引け目を感じる必要はないし、自分で線を引いてしまったら、役者として先には行けない』というアドバイスをいただきました。とても納得できる言葉だったので、現場が終わった今でも大事にしています」

YOUNG DAISと山辺太郎は人懐っこさが似ている

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――太郎は、いつもニコニコしていて、人懐っこさを持つ一方で、いかなる時もワルの色気を漂わせていたのが印象的でした。

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「太郎は諸星、黒岩、ラシード以外の人間に対しては、基本的に心をシャットアウトしている男なんです。
仲間に対しては、ものすごく愛情溢れる人間である一方で、裏の世界で生きている人間として、3人以外の他人に対する警戒心が強いんです。そこは意識して演じましたね」

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――実際にお会いすると、“人懐っこさ”はYOUNG DAISさんご本人と、役の共通する部分のように思えます。

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「基本的に自分は、人とフランクに付き合えるタイプだと思っているので、その性格は太郎と少しシンクロしているかもしれません。加えて、僕が太郎を演じる上で、大事にしていたことは、温かい心を持つことです。
その温かさがあったから、いろいろな人を繋げることができて、信頼のおける仲間がそばにいてくれたんだと思います」

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――YONUG DAISさんご自身は、人との縁を繋ぎ続けるために、何か意識されていることはありますか?

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自分と相手が違う人間で、意見は共有できなくて当然のものだと認識することですかね。自分の意見と他人の意見が重ならなくても、やみくもに相手を否定しないということです。意見の違いをキチンと飲み込むことが、お互いを理解することだと思うので。逆に他人を理解できるようになると、不思議とフランクに付き合えるようになってきます」

「この現場の雰囲気をもう一度味わえるなら最高」

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――白石監督の現場に入ってみて、特に印象的だったことを教えてください。

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「スタッフさんの『この作品をヤバい映画にする』という熱量と、出演しているキャストたちの『この映画の中でどう生きるか』という探り合いが白石監督を軸に全てが回っているのが、分かるんです。誰もが白石監督に絶大なる信頼を置いた上で、この作品の撮影が行われていました。あの独特な雰囲気を、また味わえる機会があるなら、最高ですね」

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――白石監督が現場でいかに信頼されているかがわかりますね……!監督から、今後の人生に与えられた影響はありますか?

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「最近、表現するという行為に対して、世間から『コンプライアンス的にやるべきじゃない』という物差しを振りかざされる風潮があります。アーティストもみんな、自由に表現することに対して遠慮しているように感じるんです。
 
でも、白石監督は100%の理想形を持って、よりMAXに近いパーセンテージまで辿り着くように、映画を制作しています。その姿勢は、音楽をやっている表現者としても、とても参考になりました。そして、100%の理想形があること自体が、とても重要だということを監督から学びました」

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――白石監督の表現者としての姿勢が派生していくと、エンターテイメント全体が面白くなりそうですね。
映画の中で、特に「このシーンを使ってくれてよかった!」と思う場面はありますか?

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「ハルシオンを食べているシーンですね。ちょっと抜けていて、非道徳的で、憎めない太郎らしさが出ていた場面だと思います。
人間として劣っている部分がないと、ただ事件に巻き込まれている馬鹿な奴になっちゃいますから」

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――ハルシオンを食べている時の笑顔がとてもかわいらしかったのですが、あのシーンの現場は和やかでしたか?

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「そうですね。自分でも『バカなことやっているな』と思って演じていました(笑)。白石監督がニコニコしながら『すごくいいね』とほめてくださったので、うれしかったです」

覚せい剤のシーンで、綾野剛に見せられた絶対的な恐怖

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――この映画には犯罪のシーンがたくさん映っていると思うのですが、その中でもターニングポイントになるのが、諸星に覚せい剤を打つシーンではないかと思います。
あのシーンを撮った時の心境と現場での雰囲気を教えてください。

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「覚せい剤を打つ場面は、僕が出演したシーンの中では一番緊張感のある現場でしたね。
諸星に絶対的な恐怖を見せられたのは、唯一あの場面だけではないかと思います。
このシーンより前は、彼から太郎への行動や言動は全て愛がありました。
でも、覚せい剤を打つことで、はじめて諸星が太郎を裏切り、その後の二人の関係が壊れていくんです」

YOUNG DAISにとっての諸星のような人物

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――YOUNG DAISさんの人生の中で、諸星のような圧倒的存在感をもってご自身の人生を揺るがしてきた人はいますか?

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「自分と同じHIPHOPグループ・NORTH COAST BAD BOYZで、リーダーやっているHOKTです。
彼がいたから今の自分に辿り着くことができたと思いますし、彼と出会って僕の人生がガラッと変わりましたね」

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――HOKTさんと諸星に、似ている部分はありますか?

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「諸星と照らし合わせて、似ている点は、人間力が強くて、怒涛のようにエネルギッシュな人生を駆け抜けているところだと思います。
その渦の中で、自分が一緒に人生を歩んできたところも、シンクロする部分があるかもしれないですね」

武士道に生きた人の人生に興味がある

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――最後に、YOUNG DAISさんが今後演じてみたい役柄を教えてください!

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「正直言うと、『次にこんな役をやりたい!』という願望はあまりないんです。
演じているうちに、どんどんそのキャラクターについて知りたくなるような役は、やりたいですね。
でも、強いて言うなら、戦国時代が好きなので、刀を振る役ではなくとも、映画の世界で武士道に生きてみたいです」

主役を上手に立てながらも、唯一無二の佇まいで、見る者の記憶に存在を焼き付ける俳優・YOUNG DAIS。
スクリーン越しに受けた言葉の強さは、実際に会ってみると圧倒的だった。
謙虚さとワルの色気を奇跡的なバランスで併せ持つ、全く新しいタイプの俳優から、今後も目が離せない。

(取材・文:小峰克彦)

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『日本で一番悪い奴ら』
公式HP: nichiwaru.com
2016年6月25日[土]全国ロードショーキャスト:綾野剛、中村獅童、YOUNG DAIS、植野行雄(デニス)、ピエール瀧 他
©2016「日本で一番悪い奴ら」製作委員会
配給: 日活

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