人事大激震のフジテレビ 視聴率不振の原因に『サザエさん』を生かせない番組編成

フジテレビが視聴率不振に苦しんでいる。わずか数年前まで視聴率トップ争いが当たり前だったが、最近は全日視聴率で日本テレビ、テレビ朝日、TBSに後塵を拝し、民放4位に終わることも珍しくない。6月27日付で、全社員約1500人の3分の2にも及ぶ1000人もの人事異動を敢行。亀山千広社長は、改革への意気込みを見せた。
そもそも、なぜフジテレビは視聴率不振に陥ってしまったのだろうか。あらゆる理由が考えられるが、ひとつの要因に“つながりを遮断する番組編成”があるように思える。

『どの時間帯にどんな番組を並べるか』という番組編成はテレビ局にとって、もっとも重要な仕事の一つだ。
たとえば、日本テレビは日曜17時30分開始の『笑点』から22時30分開始の『有吉反省会』まで7番組連続で視聴率2ケタが続く黄金帯。TBSは金曜19時台の『爆報THEフライデー』から21時台の『中居正広の金曜日のスマたちへ』が高視聴率を誇っている。日曜朝も、『がっちりマンデー』『サンデーモーニング』『サンデー・ジャポン』と連続して2ケタを超える週が多い。
また、普段、さほど視聴率の高くない番組でも、前番組が高視聴率を取れば、確実に数字が跳ね上がる。7月4日(金)の日本テレビ『アナザースカイ』は、23時50分からの放送で10.4%を獲得。これは、前番組『金曜ロードSHOW! もののけ姫』が21.9%を記録した恩恵を授かっていると言える。前週の6月27日(金)、『アナザースカイ』は、23時からの放送で7.7%だった。前番組『金曜ロードSHOW! カイジ2』が11.3%だった流れから考えれば、妥当な数字と言える。
このように、前後の番組のつながりは、テレビ局編成部の腕の見せ所なのだ。

前述した日本テレビの『もののけ姫』から『アナザースカイ』の流れや日曜日の黄金帯と比べると、フジテレビの日曜ゴールデンタイムにおける番組編成のマズさは際立っている。
18時30分開始の『サザエさん』は、毎週15%前後を獲得している。通常、15%を獲る番組の後は2ケタを計算できる。
しかし、驚くことに、『サザエさん』の後番組である『日本語探Qバラエティクイズ!それマジ!?ニッポン』や『クイズ30団結せよ!』は、7%前後まで下がってしまう。
視聴者は『サザエさん』を観た後、同じく家族で一緒に観られる日本テレビ系の『ザ!鉄腕!DASH!!』(毎週17%前後獲得)にチャンネルを変えているのだろう。
『サザエさん』という最強コンテンツをまったく生かせていないのだ。
18時台の『ちびまる子ちゃん』『サザエさん』と続くアニメの後に、家族みんなで楽しめるクイズ番組を19時台、20時台に持ってくるのは、編成上のひとつの戦略ではあるが、結果はついてきていない。
おそらく秋の改編で『日本語探Qバラエティクイズ!それマジ!?ニッポン』と『クイズ30団結せよ!』は終了するだろう。

では、この時間帯に何を持ってくればいいのか。
本来であれば、新番組を持ってきて勝負すべきだろう。その番組が成功すれば、フジ復活を印象づけることにもなる。ただ、現段階で『ザ!鉄腕!DASH!!』の牙城を崩すほどのコンテンツが制作できるかといえば、疑問と言わざるを得ない。
となれば、現在、日曜朝9時台に放送中の『ワンピース』『ドラゴンボール改』の移動を勧めたい。『ドラゴンボール改』は5〜7%台、『ワンピース』7〜9%台を獲っている。
アニメを2時間連続で放送すれば、ひとつの流れが作れる。15%前後の『サザエさん』から、一気に1ケタに落ち込むことは考えづらい。

『ちびまる子ちゃん』『サザエさん』から4連続でアニメを流すことで「2時間も子供がアニメを見続けるのか」という疑問も出てくるだろう。
しかし、フジが好調だった80年代や90年代は、日曜の18時〜20時のあいだ2時間連続でアニメを放送していた。
たとえば、フジテレビが視聴率三冠王を獲得した年である’82年10月10日(日曜)のテレビ欄を見ると、

18時〜   ダッシュ勝平
18時30分〜 サザエさん
19時〜   おじゃまんが山田くん
19時30分〜 南の虹のルーシー

となっていた。
もともと、『ワンピース』は06年9月まで日曜19時台で放送されていた。一度は日曜ゴールデン帯からの撤退を余儀なくされた番組を、もう一度戻すのは勇気のいることだろう。だが、現在は全体的にテレビ自体の視聴率が下がっており、当時と比べるのはあまり意味がない。
『ワンピース』『ドラゴンボール改』を日曜19時台に持ってくれば、鉄壁を誇る日本テレビの牙城を、少しは崩せるはずだ。

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