ミモレ丈スカート・ロンパース…ハウスワイフ2.0でファッショントレンドが読める!?

過去半世紀をかけてじわじわ力を得てきた「働く女性」。その権力と地位は未だ男性が優位とされながらも、この半世紀で女性の地位は格段に向上し、女性経営者の数は右肩上がりで増え続け、女性大統領の出現さえ現実味を帯びてきた。

現代に働く女性は、母親世代から「あなたの時代には女性はもっと権力を得られる」と繰り返されてきた世代。母親世代の女性たちは男性社会でもがき、努力し、離婚し、子育ては満足に出来ず、働けど働けど地位を得られない苦労に疲れ果てて、子供にこう言う。「男性に負けない努力しなさい。女性は働いて力を得るべきだ」と。母親世代の苦労や功績は素晴らしい。彼女たちのおかげで男女平等に職を得る機会があり、女性だからというだけで昇進が妨げられるような会社は悪とされる時代になった。しかしその一方で母親世代を反面教師し、「そんなに頑張ってどうするの」という女性たちが現れている。彼女たちは「ひいおばあちゃんの時代のように」ハウスワイフ(=専業主婦)として生活し、ジャムを作ったり裁縫をしたりして過ごし始めた。

ひいおばあちゃんたちの世代と違うのはインターネットの存在だ。現代のハウスワイフはブログやインスタグラムなどインターネットと通じて家の外の世界と繋がる。これは妄想ではなく、アメリカの女性ジャーナリストによる著書「ハウスワイフ2.0(エミリー・マッチャー著、文藝春秋社)で指摘されている”現状”だ。

Photo by yuccoxx

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「ハウスワイフ2.0」は一時的なブームなのだろうか。もちろん同じアメリカ人女性の著書「リーン・イン(シェリル・サンドバーグ著、日本経済新聞出版社)」は「ハウスワイフ2.0」以上の大ベストセラーだし、私個人としてはやはり働く女性の大多数が「田舎での専業主婦への回帰」ではなく「シェリル・サンドバーグのようなバリキャリ」を目指していると信じたい。「ハウスワイフ2.0」の登場は、私には「ワークライフバランス」のバランスの取りづらさが一向に解消されず、疲れた女性たちの諦めの現れのようにも感じる。

一方で間違いないのは、女性が生き方を選べる時代になったということ。取締役や大統領を目指そうとも、会社で重役を担い大金を家庭に持ち帰っていたハーバード卒の女性が、ある日ひいおばあちゃんのように園芸と裁縫にいそしみ、パイの写真をブログにアップして過ごそうとも、男性はそれを受け入れる時代なのだ。その点で、先進国の女性がその生き方を選ぶ権利は間違いなく確立されている。

ここから私はファッションについても考えてみた。そういえば、ここ数年、国内外問わず50~70年代のアメリカの専業主婦が着ていたようなアイテムが多々散見されている。初めて見た人はまずメイド(=家事)を連想する首元の詰まった丸襟は、どんな洋服にも合わせられる「つけ襟」としてその存在を確立した。色気ではなく家庭力をイメージさせる「Aラインスカート」に代わって今年は更に淑女的な「ミモレスカート」が台頭している。昔からたまに流行する農作業服発祥の「サロペット(つなぎ)」は少年や一部の女子高生だけのものではなく、30代のおしゃれな大人の女性が着るようになった。今夏に流行した「クロップドトップス半袖」も秋冬に流行の兆しがある「タートルネック(襟低め)」もこの流れから外れない。

photo by Haylee Barsky

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日本での「主婦ブーム」を言えば、今一番売れている女性誌は「賢妻」や「ゆるキャリ(バリキャリではなく)」を提唱する主婦向けのファッション誌だ。そしてその誌中でSNSが特集され、この雑誌を読む主婦の多くがSNSで主婦生活を楽しむ女性をフォローしている。このあたりも日本版ハウスワイフ2.0の存在を連想させる。

「ハウスワイフ2.0」が今後も増殖するならば、エプロンや庭仕事用のつば広サンバイザーが大流行する日も近いかもしれない。

(文:YUKIKO)

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