ー3カ月前、童貞を捨てた。思ったほど、世界は変わらなかったー
チェリーについて

「自分を客観視できてないからアナタは童貞」SNSを使って女を抱く方法をインターネット文化人類学者が語る

おもしろ系webメディアの老舗『オモコロ』などで、多数の人気記事を執筆してきたセブ山氏が、この度、書籍『インターネット文化人類学』(太田出版)を発売した。

インターネット文化人類学とは、インターネットを介して遭遇するヒトや出来事に対して、インタビューや実験・検証をおこない、人々がインターネットで織り成す「文化」を考察する学問だというが、本の中では、彼が欲望のままに、ネットで裸を晒す女子大生や、パクリツイート常習犯などに直接インタビューを敢行。その内容は、現代のネット社会の実相をあぶり出しており、各方面から注目を集めている。

そんななか、2月18日の東京・下北沢の本屋B&Bにて、セブ山氏と、当サイト“永遠のオトナ童貞のための文化系マガジン・チェリー”の編集長・霜田明寛が、『インターネット文化人類学』の刊行と『チェリー』開設1周年を記念したイベントを開催した。

はたして当日、どのようなトークが繰り広げられたのか。今回はその模様の一部をお伝えする。

ファンを抱いてるヤツらは一流じゃない?

セブ山 まずご紹介したいのは『LINE@の登場により、世はまさに大ファン抱き時代へと突入!』という章なんですが。これ、おこがましいんですけど、僕もインターネットでいろいろ発信してますと、多少なりとも「ファンです」と言ってくださる方が増えてきます。でも今までってテレビの芸能人のファンばかりだったんですけど、インターネットがこれだけ普及してくると、ネット有名人のファンが出てくる。
 
その中でも、YouTubeの中で有名とか、ニコ生の中で有名とか、いろんな村に、そこだけの有名人が出てくるんです。そうなった時に、昨日まで普通だったヤツが急にチヤホヤされると、やっぱりファンの可愛い子に手を出すヤツがいっぱい出てくる。そんななかでも、LINE@を使うとかなり効率良くファンを抱けますよっていう。

霜田 これはネットに出た時、記事を見たんですけど、“よくやってくれた!”という思いと、個人的な話になっちゃうんですけど、僕もLINE@を開設日に始めたんですよ。それで、当時、この記事を見た僕の彼女が、「管理人に登録させてくれ!」って言ってきて。僕のLINE@、全部彼女が見れるようになっちゃったんです。だからもうファン抱きどころじゃない!

セブ山 しめしめですよ! ファンを簡単に抱けるぞという記事ではあるんですけど、これを世に出すことによって抑止力になるという、すごいイジワルな記事を書いたんです。実際にこの記事を出して以降、みんなLINE@を始めづらくなったんですよ。

霜田 これすごいなと思ったのが、セブ山さんもファンがたくさんいて、自分にブーメランが飛んできかねない記事じゃないですか。だからこんなこと言わずに、勝手に抱くこともできたかもしれない。

セブ山 そうなんですよね。でもこれね、僕がいくよりも、他のしょうもないヤツが簡単に女の子に手出してるのが許せないんですよ! 俺はできなくてもいいから、他のヤツがいってるの許せないってことで、書いた記事なんです。

霜田 しかも多分、抱けてるのは一流じゃないヤツらなんですよね。例えば『三代目 J Soul Brothers』の人が金髪美女を抱いてても、僕とは違う世界の人なんで認められるんですけど、僕と同じくらいのフォロワーのヤツらが、セックスしまくってるかと思うと、めちゃムカつくんですよ!

セブ山 腹立ちますよね! それでこの記事の最後に、LINE@の登録URLを貼っておきまして、そこで「ファン抱きされた方はご連絡ください」と、ファン抱き情報が僕のとこに集まってくるようにしておいたんですよ。
 
で、集めて集計したものが、本に入ってるんですけども、その中で1個の結論として、本当に第一線で活躍されてる何万人のフォロワーがいる人とかの情報は一切来ず、むしろ3000〜5000人フォロワーぐらいの人たちが多かったんですよ。しかも、「私あの人にこういうことされました」って聞いても「誰?」っていうような人物ばかり。本当にそこの界隈だけで有名な人がいっぱいいたんです。

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霜田 それって職種とかはわからなかったんですか?

セブ山 バラバラでしたね。とにかく中途半端なフォロワーの数の人ばかり。普通に友達とかとやってるTwitterって多くても100人くらいじゃないですか。その人たちにとっては、3000人とかでも多いんですよ。何も知らない東京に上京したての女の子みたいに、右も左もわからない子からすると「あ、この人有名なんだ」っていうので、ホイホイ抱かれてしまうという状況がすごく浮き彫りになりました。

霜田 セブ山さんもインターネット界で有名人ですし、そこから抱こうみたいな邪念が湧いたりしなかったんですか?

セブ山 邪念はいつでも湧いてます! でもやっぱり告発する人も見ていると、怖いじゃないですか。

霜田 確かに! 抱けても抱けた後のリスクの方がでかい!

セブ山 そうなんですよ! しかし「それでも抱きたい場合は……!?」というのは、本の方に書かせていただいてますので、どうしてもファン抱きしたいインターネット有名人のみなさんはぜひ。

セブ山さんが入手した「とあるインターネット有名人がLINE@でファンを口説く画面キャプチャ」が披露され、会場は悲鳴に包まれた。(画像は一部加工してあります)

幸せの価値観をクラウド化

セブ山 書籍の中で、息子のTwitterを監視しているというお母さんにインタビューさせていただいたんですけど、その中で「私が勝手に呼んでるんですけど、若い子たちを幸せ病だと思ってるんです」という話があって。
 
それは要するに自分の中の価値観、「こんなにおいしいものを食べれて幸せだなー」とか、「こんな可愛い彼女がいて幸せだなー」とかじゃなくて、それを発信することによって、「あの人すごーい」「羨ましい」と思われて、ようやく幸せだと思えるという。幸せの価値観を他者に委ねてるというのが、幸せ病という話でして。

霜田 リアクションがないと自分の幸せを実感できないんですね。

セブ山 だから写真とか音声だけじゃなくて、幸せの価値観すらも最近の子はクラウドに置いてるんですよ。それって裏を返せば、写真とか音声って死んでも残るものじゃないですか。その幸せの価値観は、自分の死んだ後もTwitterとかに「あの人いいなー。羨ましいなー」ってのは、残り続ける。だからもしかしたら今後、それが当たり前の時代になるんじゃないかと予言しておきたいなと。

霜田 20年後、もしかしたらこのやり方がスタンダードになっていて、写真をアップできない僕らが、新しい価値観の人たちに笑われているかもしれないですもんね。

セブ山 自撮り写真を『SNOW』で加工しない僕らの方がダサいと笑われる時代が来るかもしれない。

しあわせ病のお手本のようなツイートが晒されて、会場からは「セブ山、なんでもアリかよ…」という声があがった。(画像は一部加工してあります)

SNSでヤレるタイミングを見分ける方法

霜田 書籍の中で、セブ山さんはSNSを駆使して見知らぬ人と出会ってヤル話を書かれていましたけど、逆に見知ってる人のTwitterを見て、やれるタイミングを見分ける方法をぜひ教えていただきたいなと思いまして。例えば会社の女の人がFacebookとかで、この投稿をしてるってことは“今日声かければいけるぞ!”みたいなことにSNSを使いたいんですよ。そういう方法ってありませんか?

セブ山 これインターネットと関係なく持論を語らせていただくんですけど、いかに相手に何を与えられるかだと思うんですよ。セックスにありつけるかどうかっていうのもね。昔、高学歴、高収入、高身長の三高というのがありましたよね。カッコイイ男性を連れて歩いてるというステータスを与えられるから、身長の高いヤツはモテるみたいな。
 
でも最近、収入みたいなことって言われなくなってきたじゃないですか。なぜかというと時代が銀行マンだから一生安定とか、公務員だから安定とかが、なかなかなくなってきたんですよね。お金の価値観が揺らいできた時代になって、最近は癒しを求める女性が増えてきている。
 
男性でも癒し系の男性、中性的な男性が人気になってきているのはそこだと思うんですよ。お金とか安定とかカッコよさじゃなくて、癒しが今の時代、結構求められていると思うなかで、やっぱり女性もFacebookや、Twitterの中でポエムは書きますよね。
 
そのポエムを書き出したら「今、癒しが必要です」という合図です! その時にダイレクトメッセージで「大丈夫? なんかちょっと気になって〜。また今度飲みに行こうよ」って相手に癒しを差し出してあげると、いとも簡単に抱けるんじゃないかと。このシステムを僕は提唱してるんですけど、どうですか?

霜田 素晴らしい(笑)。ポエムを書き出したら、いけばいいと。

セブ山 あとやっぱDMでやりましょ。あんまり見えるところで、おじさんが「○○ちゃん、大丈夫~?」って言ってるのよく見ますけど、あれはちょっと気持ち悪い。女の子もFacebookとかで「ちょっとつらくて」って書いてたら、カッコイイ男の子たちに“「大丈夫?」と言われている私”を見せたいのに、汚いおじさんたちが「○○ちゃん大丈夫?」ってやられても、なんか嫌だってなるよね。なのでそこは相手のこと考えてこっそり送ってあげると。そうすることによって、もしダメでも相手は断りやすいですから。

リスクなくファン抱きするならセブ山になれ!?

霜田 自分で言うのもなんですが、僕は今、Twitterのフォロワーが5000人くらいなんで、セブ山さんの言説によれば、一番リスクなくいける領域な気がするんですよ。でも、全くいく勇気がないんです。怖いなと思うのが、ある女子大生たちのTwitterを見てたら、女子大生2人が鍵アカウント同士でスクショを出し合って「こいつに口説かれました」ってやりあってて。口説いたのは有名人ではないんですけど、逆にいえば有名人じゃなくても筒抜けみたいなんですよ。これめっちゃ恐ろしいなと思って。リスクなくファン抱きする方法はないものかと。

セブ山 まあ、僕が言うのが正解だと思わないんですけど、1個だけ僕は答えを持ってまして。それは、元々そういうことをしそうなキャラクターとして出るんですよ。これは僕自身の話で。例えば「セブ山が、こういう女の子をこっそり口説いてました」という、LINEが出たとしましょう。

霜田 はい。

セブ山 みなさん、どう思われますか? おそらく「まあセブ山なら仕方ないよね」と思われるんですよ。これがもし「私は立派なジャーナリズムで」とか言ってるヤツが出た時は「うわ〜〜!!」っと、ギャップでめちゃめちゃ笑い者になるじゃないですか。

霜田 ベッキーみたいに(笑)。

セブ山 だから最初から「私、そういうことしてますよ〜」って顔をしといたら、なんにも痛くないんですよ! むしろ「良かった! やっぱりそういうキャラクターなんや!」ってのでプラスです。

霜田 じゃあ童貞って言ってる僕が一番危ない?

セブ山 そうです! 童貞メディアの代表が、そんなことやってたら、絶対これは笑い者になります。

霜田 「童貞とか言いながらセックスしやがって〜!」みたいな。

セブ山 だからそういうメディアをやられてるのを見て、僕は本当にいばらの道を選ばれたな〜って思ってるんですよ。だからセブ山になれ! ってのはずっと言ってるんです。

霜田 なるほど。

セブ山 これで僕が全然ゲスい人じゃなかったっていうのが世に出たら、それはそれで「あんなキャラクターだけど実は誠実な人なんだ!」とまた好感は上がるし、どう転んでもいいという、ずるいポジションにいるんですよ。

霜田 確かに! この本でセックスのことを書いてるのもその布石だったんですね!

童貞ってなんなのか?

セブ山 インターネットっていうのは承認欲求を満たしやすいってのがあると思うんですが、1個補足しておくと、僕も(本に登場する)こいつらも仲間なんですよ。俺は違うぞとは言ってないんです。僕もインターネットで記事を書いたり本を出したりしてるのは、承認欲求があるはずなんで。ある種、明日はわが身としてまとめてる部分があるんですね。こうなったらいけないなっていう反面教師的な風にも読んでいただける最高の一冊になってます。

霜田 本当にこれ読んで怖くなって。自分も、10年ずれてたら、この本に出てくる中高生みたいになりかねなかったなと。まだ24くらいの時にTwitterが出てきたんで、ギリギリ学生じゃなくなって、冷静を保った後にSNSが出てきたんで、なんとか普通に生きてこれたんですけど。

セブ山 霜田さんは童貞マガジンもされてるじゃないですか? だから童貞ってなんなのかっていうと、単純にセックスが出来ていないヤツってだけじゃなくて、自分のことを客観的に見れてないヤツなんじゃないかって思ってるんですよ。
 
童貞って、セックスにありつけていない部分が氷山の一角で見えていますけど、その下には自分のことを客観視出来ていない“なんかアイドルとか偉人みたいになれないぞ”っていう、なにか納得できてない部分があるから、結局セックスに行き着けないってのがあると思うんです。
 
だからそういう意味でいうと、大人になってよかったなっていうのは、自分っていう存在に気付けた後にSNSが出てきたからよかったと。でも本に登場する男の子とかって客観視出来てないんですよ。客観視を出来ていたら、申し訳ないけど僕もインタビューしてないし、気付けてない人は、自分のことを高く置いちゃっているからそういうことをしちゃう。

霜田 俯瞰視点が大人になって、やっと持てるようになりましたけど、自分の周りしか見えないとこうなっちゃう。

セブ山 だから今の子達って、そういう大変な時代に生きてるな〜とは思いますね。

以上が、イベントの一部です。

この他にも、衝撃的なお話がたくさん飛び出たのですが、ここに書いてしまうと炎上しかねないので、割愛させていただきます……。

(取材・文 柴田ボイ)

そんなセブ山さんの「インターネット文化人類学者」刊行記念イベントは、福岡・大阪でも開催されます。

「インターネットの汚い部分」を覗き見したい方はぜひ!

【福岡】3月12日(日)18:00~
http://rethinkbooks.jp/event/2641

【大阪】3月18日(土)12:00~
http://www.standardbookstore.com/archives/66243149.html

インターネット文化人類学

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