上戸彩主演のフジテレビ『昼顔』高視聴率の理由に“木曜22時”ブランド

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上戸彩、吉瀬美智子出演の連続ドラマ『昼顔』(フジテレビ系、木曜22時〜)の最終話が16.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)を獲得。全11話の平均視聴率13.9%で、今クールの民放地上波連続ドラマでは『HERO』に次ぐ2番目の成績を残しました。
ストーリー展開の巧みさなど様々な理由が考えられるなか、当コラムでは“木曜22時台”という観点からヒットの理由を分析します。

まず、過去2年(2012年10月〜12月期から今期まで)の同枠を振り返ると、『昼顔』を含めた8作品のうち、実に6作品が13%超えのスタートを切っており、初回平均視聴率は13.08%に上ります。
初回の視聴率は、期待率とも言い換えられます。「とりあえず初回は観る。面白ければ2回目も」という視聴者は多く、その枠自体のパワーや続編であれば作品の残してきた実績が反映されるのです。言い換えれば、フジの木曜22時枠には、13%の視聴者が期待していると言えます。

なぜ、このような安定した数字になるのでしょうか。
過去2年の連ドラのタイトルを見れば、一つの傾向を発見できます。

『結婚しない』『最高の離婚』『ラスト・シンデレラ』『Oh, My Dad!!』『独身貴族』『医龍4』『続・最後から二番目の恋』『昼顔』

結婚、離婚、独身…完全に30代〜40代の女性を狙ったラインナップになっています。『昼顔』も開始前から、不倫をテーマにしたドラマだと大々的に宣伝されていました。
フジテレビは、ターゲットを30代〜40代女性に完全に絞り込み、「フジの木曜22時台は私たちのためのドラマ」と思わせる枠に成長させているのです。

このなかで、違和感のあるタイトルは『Oh, My Dad!!』でしょう。内容は、父親役の織田裕二がシングルファーザーとして奮闘する姿を描いており、明らかに木曜22時枠に適合しないドラマでした。事実、視聴率は2回目で1ケタに落ち込み、2ケタを記録したのは初回と10話の2度だけ。全11話の平均視聴率も9.3%で、過去2年の木曜22時枠で唯一の1ケタ台を記録しています。
『結婚しない』『最高の離婚』『ラスト・シンデレラ』と続いていた良い流れを完全に断ち切ってしまいました。この結果は、キャスト陣に非はなく、この枠に父親中心のドラマを持ってきたことに無理があるのです。

この出来事を教訓とし、次のクール以降は30代〜40代女性ターゲットに回帰します。
すると、平均視聴率は2ケタに回復。その流れに、今回の『昼顔』も乗ったという見方ができます。
もちろん、それだけではありません。
今クールの『昼顔』は初回13.3%で発進後、上下動を繰り返し、6話では10.9%まで落ち込んでしまいます。しかし、7話で13.8%と持ち直すと、8話で15.6%と大台を超え、ラスト2話となった10話で16.7%と同ドラマ最高を記録。
回を追うごとに話題となった最近では珍しい連続ドラマと言えます。

なぜ、『昼顔』は盛り返せたのでしょうか。
これまた、30代〜40代の女性をターゲットにしている“木曜22時台”に、秘密があると思われます。
女性は、職場などでドラマの話を共有しがちです。職場で話題になれば、「我関せず」という態度を取ることは難しく、途中から観た女性視聴者も多かったはずです。そして何より、翌日の職場で話題になるのであれば、22時台のドラマを録画して観るというわけにもいきません。必然的に、リアルタイム視聴をすることになります。おそらく、タイムシフト録画の数は、さほど伸びていないと思われます。

過去2年を振り返っても、“木曜22時台”は『ラスト・シンデレラ』や『続・最後から二番目の恋』のように、後半になって視聴率の上がるドラマを生みやすい枠なのです。
通常、“期待率”である初回と全話平均視聴率のあいだには、大きな格差が生まれがちです。実は、今期の連続ドラマ(22時台の時間帯まで)で、全話平均視聴率が初回を上回ったのは、『昼顔』だけです。
つまり、『昼顔』は期待値を超えた面白さがあったと言えます。

過去2年の“木曜22時台”を見ると、8作品中3作品、全話平均視聴率が初回を上回っています。同じ尺度で“月曜21時台”を見ると、8作品中1作品のみです。もちろん、月9がそれだけ高い期待を持たれている証拠とも言い換えられます。
いずれにしても、“木曜22時台”というフジの作り上げた“時間帯ブランド”に、『昼顔』というドラマの内容がピタリとハマったため、高視聴率を獲得できたのです。
今後、月9枠に続き、“木10枠”にもスポットが当たりそうな勢いです。

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