『HERO』視聴率20%超えの背景に第3話前日『27時間テレビ』の存在

SMAP木村拓哉主演のドラマ『HERO』(フジテレビ系)全11話の平均視聴率は21.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)で、2014年の民放連続ドラマでトップに躍り出ました。
20%獲得が難しい時代において、なぜ『HERO』は高視聴率をマークできたのでしょうか。
もちろん、作品としてのクオリティーの高さが挙げられるでしょう。また役者とスタッフの能力や相性の良さもあると思われます。いろいろな要因が考えられるなか、今回はフジテレビの番組編成という視点から『HERO』の大ヒットを分析してみます。

初回、26.5%という近年稀に見る高い数字で、『HERO』は幸先の良いスタートを切りました。通常、ドラマの第1話は全話の平均視聴率よりも高く出る傾向にあります。まして、01年には全話で視聴率30%以上を記録したお化けドラマの続編です。期待が高かったため、初回これだけの数字を残したのでしょう。
第2話、視聴率は19%と下降します。これまた連続ドラマの特徴として、第2話はよほどのドラマでない限り、数字は落ちます。ただ、これは先行きを不安にさせました。なぜなら、『HERO』は“よほどのドラマ”であり、下落は予想できたものの、ひとつの境界線である20%を切ったからです。
ほかの連ドラと同じく、『HERO』も第3話が大勝負。ここで下落すれば、第4話以降はさらに厳しくなります。
その第3話の前日というタイミングで、『武器はテレビ。SMAP×FNS 27時間テレビ』(7月26日午後6時30分~27日午後8時54分)が放送されます。SMAPは、初となる『27時間テレビ』への挑戦で、平均視聴率13.1%を獲得。昨年よりも4%アップさせました。27日午後6時半から午後8時54分までのグランドフィナーレでは20.5%と大台に乗せ、面目を躍如しました。

その翌日放送された『HERO』の第3話は、視聴率20.5%に回復します。以前も指摘しましたが、この時点でヒットはほぼ確実になったのです。
なぜなら、連続ドラマには、「第3話≒平均視聴率」の法則が存在し、第3話の前後1%の数字が平均視聴率になる傾向があるのです。
事実、今回の『HERO』も「第3話・20.5%≒平均視聴率・21.27%」と法則通りの結果となりました。

連続ドラマが最も重視すべきうちの1つである3話の前日に、『27時間テレビ』を持ってきた。この配置も、『HERO』の視聴率を上昇させた一つの大きな要因です。土日連続で、SMAPがフジテレビに出ずっぱりとなり、感動のフィナーレを視聴者と共有したことで、翌日の木村拓哉主演ドラマにも、より注目が集まったのです。
さまざまな媒体がありますが、幅広い層に訴えかけるテレビはいまだにもっとも効果の大きいメディアです。フジテレビはその特性を最大限に生かし、編成力でも『HERO』の高視聴率を後押ししたのです。

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