ブームの弊害!?「妖怪のせい」にする子どもと、「妖怪ウォッチのせい」にする親

youkai

近頃、小学生を中心に妖怪ウォッチが大人気。この妖怪ウォッチとは、世の中で起きる色んな出来事をすべて妖怪のせいにしてしまおうという、画期的な“人のせい”アニメ。

そんなアニメを見ている子どもたちは、自分に起きた悪いことをしばしば妖怪のせいにしようとします。

 

私はある塾の講師をしていますが、以前、そこに通う小学3年生の男の子が宿題を忘れたと言いました。すると隣にいたその子の友達が「それって妖怪のせいじゃね?」と笑ってツッコミを入れてきたんです。そして「そうそう、先生、それそれ!」と軽く返してきた本人……!

このまま進むと何でも妖怪のせいになっていきそうだ、と予感しました。

ただ、妖怪ウォッチのアニメを見ている小学生が宿題忘れを妖怪のせいにするくらいなら、まだ可愛いお話で済みます。

でもそんな“妖怪のせい”にする世代の子どもを持つ親たちのなかで、近頃なんと“妖怪ウォッチのせい“にする親が出現してきているのです!

例えばこの前、宿題提出を忘れることが多い子がそれを妖怪のせいにした話を、保護者にしました。すると、

「そうなんですよ先生、なんかあの子妖怪ウォッチにハマってるみたいで。私と話しているときも妖怪がらみの言い訳でごまかすんです。あんな変なお話つくるから! 子どもが宿題忘れても妖怪のせいにして反省しなくなったんじゃないかって! もう、妖怪のせいにされちゃうからいちいち怒るのも面倒で。怒るのやめました(笑)」

いや、お母さん! 今、あなたもお子さんと同じく“人のせい”(“妖怪ウォッチのせい”)のように話しましたよ! 妖怪ウォッチのせいにして、子どもを叱る労力を省いていますよ!

 

しかしよく見ていたら、妖怪ウォッチのせいにしているのは親だけというワケでもありませんでした。注意する側であるはずの塾の講師たちまで、“妖怪ウォッチのせい“にすればいいやという風潮が生まれ始めていたのです……!

授業合間の休み時間、講師室でこんな話をしていた先生たちがいました。
「あのクラスうるさすぎませんか? あいつらは勉強しに来てるというより、ゲームの話をするために来てるようなもんで困りますよ」
「えー、どのゲームですか?」
「妖怪ウォッチ」

ここまでは大丈夫です。この次が問題です。

「妖怪ウォッチなら仕方ないですよ。うちのクラスもよくその話で騒いでますよ。さっきは生徒から妖怪のシールもらいました。ハッハッハッ」
となぜか笑い飛ばし、そして彼は講師室の机の真ん中に可愛らしい妖怪シールを置いたのです。

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(上の写真はご当地ジバニャンメタルキーホルダー。こんな形のシールだった)

いやいや、妖怪ウォッチならば仕方がない……!? そして叱らないでスルーだと……!?

“妖怪のせい“にする子どもたちと日々接しているからか、彼からは何の違和感もなくこの一言が出ていました。

普段ならば「じゃあ一回ガツンと注意しなければなりませんね」などと言っているはずです! 今回は“妖怪ウォッチのせい”にして注意することを放棄してしまったのです。

 

親に始まり塾講師まで、子どもが“妖怪のせい”にする状況にあきれながら、自分たちは“妖怪ウォッチのせい“にしています。子どもたちが都合よく人のせいにしているからといって、親、教師などの教育者も都合よく人のせいにするのは良くないですね。

でも全部がもとはといえば、妖怪のせいですから、もうどうしようもありません。

 

(文:徳永ゆま)

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