ー3カ月前、童貞を捨てた。思ったほど、世界は変わらなかったー
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「大丈夫かな」ではなく「成功する」ブレイク確実・桜井ユキが女優を仕事に決めたワケ

『紀子の食卓』の吉高由里子、『愛のむきだし』の満島ひかりetc……。

園子温監督に見初められた女優はその後大ブレイクを果たしていく、という流れがある。そんな中、園子温監督の『みんな!エスパーだよ!番外編~エスパー、都へ行く~』『新宿スワン』『リアル鬼ごっこ』に連続して出演している女優がいる。

特に最新作『リアル鬼ごっこ』では、トリンドル玲奈、篠田麻里子、真野恵里菜のトリプルヒロインをつなぐ超重要な役どころで出演。あまりの存在感に、関係者試写会の後にも「あのコ誰??」という声が相次いでいた。そこで、安い煽り方をすれば「ブレイク間違いなし!」な女優、桜井ユキさんにインタビューを行った。

葛藤が消え、役者に動き出した24歳

――当サイトでは23歳前後の方をメインターゲットにしています。桜井さんはその頃どんな感じに生きていらっしゃいましたか?
「ちょうど、役者という仕事に動き出した頃ですね。役者になりたいという気持ちは、小学校低学年くらいの頃から漠然とあったんですけど、動き出したの自体は遅くて、24歳の頃なんです。それまで、お芝居というものに絞りきれなかったり、飛び込む勇気もなかったりで、ずっと葛藤していました。それで、24歳のあたりで役者という仕事に対して『あ、これしかしかない』と思う瞬間があったんですけど……でもそれが何かは覚えていないんです(笑)」

――その時点で、うまくいきそうという確信が持てた……ということなんでしょうか?
うまくいく、というよりも『成功させてみせる』と思っていました。それまでふらふらしていて、当時はお芝居に対して、何か自信をもてるようなことはなかったハズなんですけど、やる気と根拠のない自信だけがあったというか……」

「成功する」と、自分を思いこませる

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――『根拠のない自信』というものが非常に羨ましいのですが、その根拠のない自信って生まれつきのものなんですか?
「まあ、正確に言うと、自信があったというよりも、せめてそうやって自分を思いこませないとうまくいかないだろうと思っていた、という感じですかね……。『大丈夫かな、大丈夫かな』と不安に思いながらやってもしょうがないですし……。勘違いにも近いんですけど(笑)、自分の中で落としこめば強くなれるじゃないですか」

――その頃って、同年代の周囲の人生ペースみたいなものも気になったりする年齢だと思うんですが、そのあたりは大丈夫でしたか?
「気にならなかったと言えば嘘になりますけど……。それまでは、覚悟も甘くて、色々な生活が思い浮かびました。たとえば、早く結婚して子供を持つのも幸せなんじゃないかなんて考えたこともありましたね。でも、周りを気にしすぎると何もできなくなっちゃうじゃないですか。その頃『それぞれ違う道なんだから、歩み方のペースが違うのは当たり前なんだ』と割り切ることができたんですよね。もちろん今だって、周囲が結婚したりもしますが、もう気にならないですね」

どんな感情も、記憶しておけばお芝居に使うことができる

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――そこから、晴れて女優さんとしての仕事も軌道にのってきたワケですが……日常生活で、女優さんとして、していること・心がけていることってあったりしますか?
「2つあるんですけど、まずは、心のなかにメモ帳があって、もうひとりの自分が感情のメモをとっていることがあるんですよね」

――どういうことでしょうか?
「例えば、悲しい出来事があったときも、『これお芝居に使えるかも』と思って、その感情を記憶しておこうとする冷静なもうひとりの自分がいるんです。そんな自分に自分でもぞっとするんですけど(笑)。お芝居に使うことによって、過去の出来事が悲しくなくなるんですよね。昔のことを思い出しながら『あのときの感情って、お芝居に使えるな』って思うこともありますね」

コンビニ店員で反応プレイ

――もうひとりの自分がメモをしているってすごいですね……。もう1つはどんなことなのでしょう?
「例えばコンビニの店員さんにお金をお支払いするときに、わざとかわいく渡してみたり、ぶっきらぼうに渡してみたり……」

――すごい! 店員さんの反応は違うんですか?
「面白いくらいに反応が違いますね。かわいいバージョンだと店員さんも丁寧だったり、ぶっきらぼうなバージョンでいくと、舌打ちが聞こえてくることもありますね(笑)」

――それも、相手の反応を記憶するためなんですか?
「それはどちらかというと、相手ではなく自分のバリエーションの記憶ですね。自分が日常の中で知らず知らずにやってしまうようなことを、一個一個自分のバリエーションにできたらいいなと思っているんです」

成功者がよく口にする“根拠のない自信”。それは生まれ持っているものなのかと思いきや、桜井さんは“自分に言い聞かせて、持てるようになったもの”だという。「大丈夫かな」という不安ではなく、「成功させるしかない」という信念に目が向いたときに、女優としての加速がはじまったのかもしれない。
後編では『リアル鬼ごっこ』の共演者との話や、桜井さん自身が好きな映画などについて聞いていく。

(取材・文:霜田明寛

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■関連リンク
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映画『リアル鬼ごっこ』 7月11日(土)、全国ロードショー
「一度乗ったら、降りられない! 恐怖のジェットコースタームービー!!」
(C)2015「リアル鬼ごっこ」学級委員会

監督・脚本:園子温 原作:山田悠介「リアル鬼ごっこ」(幻冬舎文庫・文芸社刊)
出演:トリンドル玲奈、篠田麻里子、真野恵里菜、桜井ユキ
イメージソング:GLIM SPANKY「リアル鬼ごっこ」(ユニバーサル ミュージック)
配給:松竹、アスミック・エース R-15
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