ー3カ月前、童貞を捨てた。思ったほど、世界は変わらなかったー
チェリーについて

『君の名は。』三葉は処女か オトナ童貞が激論

新海誠の約3年ぶりの新作となる映画『君の名は。』は、8月に公開されるやいなや、圧倒的な映像美と感動的なストーリー等が話題を呼び、興行収入は150億円を突破。現在も映画館には、従来の新海ファンだけでなく、10代〜20代のカップルやリア充を含む幅広い客層が足を運び、社会現象ともいえるブームを巻き起こしている。

そんな中、10月2日の東京・下北沢の本屋B&Bには、『君の名は。』に魅了されたという当サイトの編集長・霜田明寛をはじめ、チェリー執筆陣が集結。チェリーで『映画は感想を言い合うと10倍面白い』を連載している、菊池良と柴田ボイに、チェリー映画ライターの小峰が集合。

青春時代にモテることを許されなかったオトナ童貞の4人が、青春映画としての素晴らしさ、そしてリア充のためだけの映画ではないということを存分に語り合った。
(※本記事はネタバレを含みます。映画『君の名は。』を未見の方は、ご了承の上、読み進めて頂けますと幸いです)

sub1

『君の名は。』のここで泣きました!

1

霜田 今日は、なぜ『君の名は。』がこんなにヒットしているのかということを考えたいなと。10代のリア充にウケているという言説が流れていますけど、ここにいるリア充ではない4人も『君の名は。』にハマっているということで、リア充ではない僕たちにもウケる映画なんだぞ、ということを語っていければと思います

img_0928

3

菊池 『君の名は。』のこのかたちでのヒットはすごくびっくりしたんですね。ずっと新海誠監督の作品はリアルタイムで観てきて、今までの新海作品ってすごく面白いんですけど、言ってしまえばマニアックな層にウケるものだったと思うんですね。そこから一般層にウケるものに、脱皮したと思うんです。その方法が、全く自分の作家性を変えずに、それを研ぎ澄ますことで、一般層に刺すものにまで昇華させたところに僕はすごく感動したんです。
 
今までの内省的なモノローグや音楽の使い方、あとカメラの光の使い方とか、そういうものって新海ファン以外からはちょっと小バカにされるような部分だったんですけど。

1

霜田 確かに(笑)。

3

菊池 でも、そこが良さであり、それを研ぎ澄ませることによって、150億を突破したところに震えましたね。

1

霜田 なるほど。ボイさんはどうですか?

4

ボイ 僕は今までハッピーエンドがそこまで好きじゃなかったんです。ずっと90年代の退廃的な空気を引きずって生きてきて……。『エヴァンゲリオン』も旧劇派だし、『東京ラブストーリー』のカンチとリカって最後は一緒にならないじゃないですか。そういう作品で育ってきたからバッドエンドこそが至高なんだと肯定してきたんです。でも今回の映画を見て、奥寺先輩が「ちゃんと幸せになりなよ」って。あの言葉が、ずっと家に引きこもって、どんどん性格がねじ曲がっていっている自分の心に響いたんですよ!

1

霜田 薬指に指輪を光らせながら「ちゃんと幸せになりなよ」って。

img_0906

4

ボイ そうです。あれ? これは僕も幸せを望んでいいのかなと。なんかあの台詞って新海監督が影響を受けているという村上春樹『ノルウェイの森』に登場したレイコが、最後に放った言葉の引用説があるんですけど、監督もそれぐらい思い入れの強い台詞なのかなって。あとその後、瀧と三葉が歩道橋ですれ違うも、まだ出会わないというシーンがあるじゃないですか。それまでの自分は、そこで終わるようなストーリーを好んでいたんです。

1

霜田 『秒速5センチメートル』はどっちかというとそういう感じですもんね。

4

ボイ そうです。でも最後、この映画はその先を描いて、会うじゃないですか。それを僕は受け入れることができたんですよ! 新海監督がついに僕のアンハッピーエンド思想を打ち破ってくれた! と、それに気がついた時、泣きました。

1

霜田 今までハッピーエンドなんて起こりえねえよっていう反発があったけど、なぜかあの100分の後にハッピーエンドが受け入れられたっていう。

4

ボイ そうなんですよ。勇気をもらいました。新海監督ありがとう!

1

霜田 小峰くんはどうですか?

2

小峰 僕はお仕事以外で見る、リア充的な映画は否定的な気持ちになることが多かったんです。ただ今回、僕が一番泣いたのは少女漫画的に気持ちを伝えるところでした。瀧くんが三葉の手の平に「好きだ」って書いたシーンに、ボロ泣きをしてしまって。理屈で考えると、あそこで絶対名前を書いた方がいいんです。

sub2

1

霜田 名前書き合おうって、言っていますからね。

2

小峰 でも、名前よりも伝えたいものが自分の気持ちだったっていう、その後先の考えなさにすごく童貞性と若さを感じて。自分にもこんな時代があったなと思い出しました。あと今回、声優さんが童貞ぽい神木隆之介くんと処女ぽい上白石萌音さんだったのがすごく良いなと。例えば、もし菅田将暉さんや染谷将太さんが声を当てていたら、僕は多分感動しなかったんじゃないかなと思います。パブリックイメージを作品に落とし込むのはあまり良くないかもしれないですけど……。でもキャストのパブリックイメージとキャラクターが直結した結果が、興行収入に結びついているような気もするんですよね。最後、霜田さんの泣いたポイントを教えてください。

1

霜田 僕が一番泣いた瞬間は、途中の5分、RADWIMPSの曲がかかって「私たち入れ替わっている?」って気づく瞬間があるじゃないですか。僕は後半の彗星どうこうのファンタジーよりも前に、前半の日常の高校生活部分にまず泣いていて。

3

菊池 ノスタルジーですか?

1

霜田 そう、ノスタルジーで。例えば瀧くんが日常でこなしているバイトも普通に出来るように見えて、三葉ちゃんが入るとできないし。三葉ちゃんが普通にやっていることも、瀧くんがいきなりやるとできない。つまり、彼らは16年の中で、他の人にはできない何かの価値を、すでに生み出しているんだと思ったら、もう号泣してきてしまって。

img_0888

どういう人が『君の名は。』を良いと思っているのか?

1

霜田 僕、ミスキャンの取材をする仕事をしているんですけど、彼女たちと映画の話がまあ合わなくて。「映画が趣味です」って言うから、何が好きか聞くと、大体『マンマ・ミーア!』とか『レ・ミゼラブル』って言われて話が合わないんですよ。そんなミスキャンたちが今回はひたすら『君の名は。』が良いって言っていたんですよ。でも、ミスキャンと僕らは違う層じゃないですか?

3

菊池 全然違います。

1

霜田 彼女たちはたぶん自己肯定感が高いから共感できるんじゃないかと思っていて。童貞性がある人が今までの新海作品を好きだった層だと思うんですけど、今回、一部の新海ファンたちは「新海誠が童貞性を捨てた」ってちょっと批判しているんですよね。その差はなんだろうと考えた時に、自己肯定感のあるないじゃないかと思いまして。
 
最初のモノローグが凄いじゃないですか。何か失ったものを捜しているみたいな。何か失ったものがあって、どこかにあるって信じられる人って自己肯定感が高い人だと思うんですよ。「運命の人がいる」だったり「自分には向いている天職がある」だったり。
 
ここではないどこかに何かがあると信じられる人たちは、自己肯定感が強い人たちだと思っていて。だから僕らは入り込めたんじゃないかと思うんですよね。小峰くんはどうですか? どっかで運命の人がいるって信じているでしょ?

img_0936

2

小峰 あー、信じていました。当時は。

1

霜田 当時は?

2

小峰 瀧くんと同じぐらいの時は。でも、大学四年生の時、親友に彼女を盗られて、段々世界を憎むようになっていって。どんどん『バトル・ロワイアル』とかが好きになっていったんです。それが『君の名は。』を見て、それ以前の記憶が戻ってきたって感じですね。

1

霜田 10代の気持ちを思い出したって感じ?

2

小峰 そうですね。20代になると、それまで好きだった人への気持ちとか普通に忘れるじゃないですか。大事に思っている人や友達もそうですけど。そういうものを走馬灯のように全部思い出して、昔の友達にめちゃくちゃ会いたくなるというか。

1

霜田 わかります。僕も過去の経験、全部フラッシュバックしました。

img_0897

2

小峰 僕、高校のテストの前日の夜に好きな子からノート貸してって言われて、大雨の中、届けに行ったことがあったんですけど。そんなん今、絶対しないじゃないですか。

1

霜田 ま、確かに。

2

小峰 今、好きな子にそう言われたら「奴隷みたいに思っているんだ、俺のこと」みたいに思ってしまうはずなんです。でも当時は、「その子の赤点を回避するためなら風邪引いてもいいや!」という気持ちがあって、自転車を漕いでいたんですよ。その頃を思い出しました。

『君の名は。』は東京を肯定しているのか?

4

ボイ 僕は中途半端な田舎に育って、東京生まれじゃないんです。でも、憧れだけはあったんですけど、夢も希望もなく東京に来たんですよ。そんな自分から見て、映画の中の男子高校生が「今日もカフェ行くだろ?」みたいことを自然に言っているのが衝撃的だったんです。「東京の高校生ってそんな感じなの?」って。それで今回、僕以外のみんなが東京生まれってことで、どう思ったのかって聞きたかったんですよね。

img_0910

3

菊池 言わないですよね。

1

霜田 人生でほぼ言ったことないですね。特に高校生の時に1600円もするあんな高いパンケーキ食いに行くかっていう。

3

菊池 入れ替わった三葉ちゃんが驚いていて、他の男2人はこれが当然みたいにしていたので、びっくりしましたね。

1

霜田 だってあれバイト3時間分ぐらいですよね、東京だったとしても。せいぜい「マック行こうぜ」くらい。小峰くんは成蹊だからちょっとわかるんじゃない?

2

小峰 そうですね。僕が行っていた成蹊高校は小学校からあって、優秀な幼稚園児が成蹊小学校か慶應小学校を受けるみたいな、そういうレベルの金持ち学校だったんです。
 
それで僕は高校から入って、最初に驚いたのが体育の時間に、自家用ヘリの話をしている同級生が2人いたんですよ。「持ったはいいけど着陸するとこないよね」みたいに盛り上がっていて、ヤバいなと思って。それで最初の方は先輩から目を付けられるからなのか、サイゼリヤとかに行くんですけど、段々それが3年生とかになってくると1000円くらいのパスタとかに行くっていうのが普通になってくるんです。友達が財布を開くの見たら10万円入っていたりとかしていて。そういう高校だとしたら金銭感覚的におかしくはないかなと思いました。

1

霜田 あと国立新美術館でデートするじゃないですか?

3

菊池 六本木の。

1

霜田 はい。中にあるすごくおしゃれなカフェで食事するってシーンがあって。でも、あのデートプランって田舎に住んでいる三葉ちゃんが考えたプランなんですよね。たぶん、東京に育ってる普通の高校生は、六本木の新美術館のあの中二階のカフェをデートでは使わないと思うんですよ。だから、地方の子が思い描く東京像がそのまま描かれているというか、そういう設定なのかなという気はしますね。

2

小峰 あと僕がすごく良いと思ったのは、タイムラプスがよく出てくるじゃないですか。田舎の風景と、東京の日が沈んでから、また日が昇るまでのところを平等なものとして扱っていて、両方ともすごく綺麗に映していて。田舎も綺麗だし、東京も綺麗なところだみたいなのは感じましたね。瀧くんになった三葉ちゃんがすごく感動していたように。

瀧くんは高校生の時、童貞なのか問題

1

霜田 それでは、ここからは会場で募集した質問に答えていきたいんですけど。「瀧くんはあの高校生の時点で童貞なのでしょうか? 経験済みのような気がします」という質問が。

2

小峰 いやそれは違いますね!

1

霜田 初めて強く否定しましたね(笑)。

2

小峰 絶対違うと思うんですけどねぇ。確かに童貞を捨てている可能性はあるんですけど、少なくともヤリチンではないはずです。あったとしても、事故で捨てたというか、隣のお姉さんにやられてしまったみたいな。

1

霜田 それはどういうところから?

2

小峰 胸を触るところとか、初めて見る感じでしたし、あんなにイケメンなのに初めてなんだって、すごく共感しました。

4

ボイ あと三葉と入れ替わっている時にブラジャーをせずに学校に行くっていう。バスケットのシーンとか、ノーブラだからあんなに周りが驚いているらしいんですね。これはおそらく瀧くんがブラジャーの構造をわかってなかったんですよ!

img_0903

1

霜田 そっか、外したこともないし!

4

ボイ なのでうまく付けることもできないと思うので、童貞なんじゃないかなって僕は思いました。

1

霜田 僕、瀧くんの童貞性よりも気になったのが三葉ちゃんの処女性というか……。

3

菊池 えぇ!?

1

霜田 高校生の2人が唯一、直接出会うところがあるじゃないですか、名前を書き合う湖のシーンで。あんなに時間が限られている中で「あんた揉んだでしょ」みたいなことを言うんですよ。それを瀧くんの方が「1回だけだ!」って返すんですね。そしたら三葉ちゃんが「1回揉んだら何回揉んでも同じや」って言うんですよ。これ完全に処女の発想じゃないですか? 1回が大事じゃないですか! 0か1かじゃないですか! 1か100かは問題じゃないわけ。1回揉まれてしまったら100回揉まれても同じなんですよ!

img_0878

2

小峰 今度は霜田さんが今日イチの熱弁ですね(笑)。童貞や処女にとっては、とにかくその最初の1がでかいんですよね。だから瀧くんにとっても、たぶん三葉ちゃんのことは、最初に揉んだ乳だとして、その1は死ぬほど記憶に残る1なはずなんです。だから“忘れられない人”になって、走る仕組みなんじゃないかと!
でも瀧くんにとって最初につきあう女性は三葉ちゃんになりそうじゃないですか?

1

霜田 高校生の時、童貞だった瀧くんがあの就活の時点でまだ童貞なんじゃないかってこと?

2

小峰 そうですね。希望的観測で言うと。

『君の名は。』は10代の頃の気持ちを持っているかのリトマス紙

1

霜田 小峰くんはこの映画を見た時に10代の頃を思い出したって言っていたじゃない? それはどういう部分なの?

2

小峰 俺、1回デートで3時間くらい待たされた時があって。その子が10時に集合予定だったのが13時に来たんですよ。
それでも3時間遅れてきたのに「今来たところ」と言ってしまって。それは明らかに頑張り方を間違えているんですけど。「あの頃は好きな子のために頑張れたな〜」と映画を観て思いました。

1

霜田 その頃のピュアさを思い出し、今の自分を洗い流すようだったってこと?

2

小峰 そうですね。あと10代の頃の全能感を思い出しました。

テッシーが変電所を爆発させるじゃないですか。それをネットでは、「リアリティがない」って声があがっていて……。僕もそう思うんですけど、でも10代の発想って、そもそもリアリティがないことがリアルなんじゃないかって。あの時は超えちゃいけないラインを超えたりしていたなぁって、すごく思いました。

1

霜田 若い人に響いているのはそういうところにもあるのかもしれないですね。

2

小峰 逆に40代、50代になって10代の気持ちをちゃんと保っているかのリトマス紙になるかもしれないです。

3

菊池 新海監督は40近くでそういう作品を作れるってすごいですね。

1

霜田 確かに。童貞性を保ち続けると作品が若さを持つということかもしれません。

『君の名は。』で新海監督が伝えたかったテーマとは?

1

霜田 最後に「この映画のテーマはなんだと思いますか?」という、まとめになるような質問をいただきました。

3

菊池 運命は掴み取れるんだっていうことですかね。瀧くんや三葉ちゃんが頑張らなければ、2人は出会っていないわけじゃないですか。そこを、運命を変えた、自分で掴み取ったというのは、自分の努力で運命は掴めるんだよっていうのを描いているんじゃないかなって思いました。

img_0945

1

霜田 お〜。いいですね〜。ボイさんはどうですか?

4

ボイ 「もっと外に出よう!」かな。

3

菊池 それはエヴァの旧劇じゃないですか。

4

ボイ でも今回は、最後ハッピーになったし、出たらこんな素敵なことが待っているかもよっていう。ストレートに伝わる部分がありましたよ。すれ違いで終わらなかったことが自分的には大きかったんで、だからちゃんと陽を浴びなきゃだめだよって。やっぱ光の描写も凄かったんでこの映画。

1

霜田 ずっと新海監督って日常のきらめきを描いてきていると思うんですが、そんな中でも、非日常を求めたくなる度数というか、世界に出たくさせる感じが、これまでの作品の中でも高かったんじゃないかっていう気はします。

2

小峰 僕はそもそも恋愛って慣れちゃいけないものなんだなって思いました。日常にならないことが大事なんじゃないかと思って。あんなに運命的な感じで再会したけど、もし付き合っちゃったら普通のカップルになると思うんですよ。「カップルになる前が一番いいんじゃね?」という。

1

霜田 はいはい! わかる!

2

小峰 慣れない関係性をどれだけ積み重ねられるかが恋愛で大事なのかな〜って。

1

霜田 宇多丸さんも『ムービーウォッチメン』で、あのラストの瞬間で青春が終わっちゃったって言っていて、それは非常にわかる気がしました。

2

小峰 すごいそれはわかりますね。

1

霜田 ちょっと最後、僕はここから曲をかけながら話をしたいと思うんですけど。

3

菊池 なんですか、その演出!(笑)

1

霜田 急にかけた方がいいかな、と!(笑) 山崎まさよしさんの『One more time,One more chance』っていう、これ『秒速5センチメートル』の主題歌なんですけど。僕は新海監督の今回の作品が、“僕たちはずっと何かを捜しながら生きている”ってことを思い出させてくれたなと思っていて。僕は30歳過ぎて、何かがある、誰かがいるっていうことを信じずに、生きちゃっていたんですけど。まだ誰かいるかもしれないし、何かあるかもしれないぞって思う希望を与えてくれたなというふうに思っていて。それで最後、今流れている『One more time,One more chance』のサビは「いつでも捜しているよ どっかに君の姿を」っていう歌詞なんですけど、これ偶然『秒速5センチメートル』の主題歌ですけど、『君の名は。』にも当てはまるなと思って。そういう気持ちを思い起こさせてくれたなという感じです。

2

小峰 いいですね、ここで曲をかける、このオトナ童貞感。やっぱ霜田さんですね。

1

霜田 ありがとうございます。最後、小峰くんに小バカにされて終わるという(笑)。

(文:菊池良&柴田ボイ)

関連リンク
main
映画『君の名は。』公式サイト

(C) 2016「君の名は。」製作委員会

ー3カ月前、童貞を捨てた。思ったほど、世界は変わらなかったー
PAGE TOP