ー3カ月前、童貞を捨てた。思ったほど、世界は変わらなかったー
チェリーについて

準ミス横市を高円寺で文化系に連れ回す【TOKYO1万円以下お持ち帰りデート】

美女と仲良くしたい。だが金はない。なぜなら映画と本に費やしてしまっているからだ!そんな文化系オトナ童貞たちのために、“プレゼント込・1万円以下のデート”を考案する新企画。『TOKYO1万円以下お持ち帰りデート』。チェリーのオトナ童貞なライターたちが、毎回美女とデートをし、美女にプレゼントをお持ち帰りしてもらいます。
あわよくばこちらは美女をお持ち帰りすることを目指して……。
最後にそのデートでOKかどうかを◯・✕の札で判定してもらうガチ企画です!
第二回目は、チェリー初参戦、初の著書『美大生図鑑 あなたの周りにもいる摩訶不思議な人たち』を上梓したイラストレーターのヨシムラヒロムがトライ! 第一回目はコチラ

童貞OBだ。数人の女性と交際した経験もある。しかし、いまだにデートについて何も分かっていない。「女性と2人きりで酒を飲む」これはデートなのか。どこからデートで、どこからが非デートなのか境界線も分からない。そんなデートに悩めるオトナ童貞を救うために、チェリーライター陣が立ち上がった。

「デートとは?」そんなことを考えながら、高円寺にむかって自転車を走らせる。最中、目に留まるのは女子高生の素足だ。2000年代は紺ソックスが定番だったが、15年以降は踝ソックスが流行中。ミニスカートに合わせるから、足のほとんどが公衆に露わとなる。触れば犯罪だが、見るだけはタダ、バレないように一瞬視線を飛ばす。

夕方17時50分、高円寺駅に到着。今回のデート相手の光嶋悠さんを駅で待つ。事前に得た情報によると、横浜市立大学のミスコンの準グランプリらしい。写真を見ると、白磁の美しい肌質の美女。
それこそ数年ぶりのデート、企画とはいえ、否が応でも期待と緊張が入り混じる。
約束の18時、改札の奥に圧倒的な美人を確認。こちらに向かって歩を進めてくるではないか。心ではミスキャン対策はできていたが、間近で見て恋に落ちる。
目の前で「ヨシムラさんですか?」と一声かけられてKO。緊張から「は・は・はい」とラ・ラ・ランドみたいな返事をしてしまった。

これから訪れる店は、僕セレクトだ。スタッフは光嶋さんと僕の会話に入ることはない。つまり、模擬デートといいつつもほぼマジなデートである。

「高円寺、初めてなんです〜」と光嶋さん。「ははは」と僕。こんな美人と接する機会など今の今までない。故の緊張感からくる、自らのおざなりな対応に辟易。同時に、10代後半から遊び、思い入れのあるチャリ圏内の街“高円寺“で、こーいった企画をできることへの喜びを噛み締める。
とどのつまり自嘲と歓喜、心模様は混沌としてた。

最初に足を運んだのは、高円寺駅北口から徒歩2分。中通り商店街にある「天すけ」メディアでも頻繁に取り上げられる店だ。

天すけ
JR中央線高円寺北口 徒歩2分
[火~日]12:00~14:00/18:00~22:00(L.O.)

ココで早速プチトラブル、有名店ならではの問題に悩まされる。そーとー並ぶのだ、平日なのにも関わらず。計40分間も外で待つことになってしまう。お互い初対面、そうそう会話もグルーヴしない。

どういった経緯でその話題へ進んだかも覚えていないが、僕はいつの間にか「スーパーフリーって知っている?」と早稲田の伝説的サークルを解説していた。「スーフリの代表の和田さんって2回早稲田入ってるんだよね」というトリビアまで披露していた。
2へぇ。

やっと入店し、名物「玉子天ぷら定食」(1900円)を注文。ココでしか食べれない半熟玉子の天ぷらに、光嶋さんもやっとスマイル。なにより僕は、入店してからのサービスの早さに一安心。ライターのテクニックを活用し、光嶋さんの今の生活を根堀り葉掘り聞いたが、もう弾は残っていなかった。

初回のデートは、予約できる店をセレクトすべし。

中通り商店街から北中通り商店街へ。2軒目におじゃましたのが「古本酒場コクテイル」。

古本酒場コクテイル
東京都杉並区高円寺北3-8-13 北中通り商店街
JR中央線高円寺駅北口 徒歩5分
[月・火]
17:00~24:00(L.O.22:30)
[水~日・祝]
11:30~14:30(L.O)/17:00~24:00(L.O.22:30)

常連とはいえないが、月に一度は訪れる馴染みの店だ。古民家を改装した店内には数千冊の本が積まれる。こーいった店は、光嶋さんも初めてだった様子で。

「うわぁ、洒落てますね」と言いながら「パシャ、パシャ、パシャ」……。

その様子を横目に「(スーパーフリーの話は)忘れろ、忘れろ、忘れろ」と念じた。

座敷席に案内し、お酒を注文(目安1杯800円ぐらい)。

ふと、光嶋さんに「なんで横市目指したんですか?」と聞いた。現在、実家は兵庫にあるが、小学生の頃まで横浜在住。「田舎よりも都会の方が好きなんです」と話す。中高時代に、父親の出張に合わせて東京に遊びに来たこともあるとか。

光嶋さん「渋谷って放課後に遊んでる女子高生がいるじゃないですか」
ヨシムラ「あぁ、いますね」
光嶋さん「もう、羨ましくて仕方なかった。スカート短くて、オシャレで。私の高校なんてスカートの丈、ひざ下ですよ。あぁいった、派手な高校生活送りたかったですよ。私なんて、超地味でしたから!」

本日初の彼女の熱弁。続けて、僕がミニスカと踝ソックスの組み合わせのエロさについて話す。光嶋さんも「アレは見られても仕方ないです」と大肯定。キモいと思われそーな事柄で会話が盛り上がる。これは素直に嬉しかった。

良い流れに乗じて、プレゼント攻撃へ移る。
事前に教えてもらった光嶋さんのプロフィールを元に、ガチで選んだ一品。今まで「欲しい」と言われたモノを渡したことは何度もある。しかし、よくよく考えれば、プレゼントじゃなくて貢ぎ物。人の喜ぶ顔を想像してプレゼントを選ぶことが初体験だった。女性関係を怠慢してきた自分を恨む。

プレゼントは紀伊國屋書店 新宿本店で買った。光嶋さんが好きなタレントとして挙げていた小嶋陽菜の写真集『どうする?』(1598円)を選択。
ビクビクしながら「コレどうぞ……」と袋ごと渡した。

「ええ!! ありがとうございます」と袋を開く光嶋さん。

『どうする?』を見て「そう、こじはる好きなんですよ。今日のスカートもこじはるが雑誌で着ていたものなんです」と喜んでくれた。

こじはるは「女の子の神様」なんて言われているが、コレ本当。人生で始めて、彼女に感謝したこじはる記念日。俵万智だったら一句読んでるだろう。

酒も入り、デートも終盤戦。最後に向かったのは南口徒歩1分の「Yonchome Cafe」へ。

Yonchome Cafe
東京都杉並区高円寺南4-28-10 2F
JR高円寺駅南口 徒歩1分
営業時間 11:30〜翌2:00

オススメはデザート、特に日替わりのタルト(目安1000円)が絶品。気候も良いことから、外のテラス席で話す。距離も縮まったこともあり、過去の恋愛について聞いてみた。

「私、中学生の頃は全然だったんですが。高校生になると、めちゃくちゃ彼氏できて」
とカロリー高めの返答。

咄嗟に「さっき超地味だって言ってたじゃん!」と声を上げそうになったが自制。心を凪にし「どんな彼氏だった?」と聞く。以前までの僕だったら「住んでる世界が違う」と諦めていた。こんなジリ貧の状況化で、人は自身の成長を知るのだ。
「4人付き合って、その中の1人は、今、読モのバイトとかしてるんじゃないかなぁ」

再び重めなパンチが、僕を打つ。「おいおい学内ヒエラルキーでいったらトップの話だぞ。同窓会でクラスメイトに『アンタ本当にうちの学校?』と尋ねられた僕が触れちゃいけない女性だ……」と心がへたる。
しかし、ここまできたら気分は特攻隊。最後の勇気を振り絞り「童貞ってどう思いますか?」と、コチラも最後の性戦。
すると、光嶋さん。「私は全然気にしませんよ。だって今まで付き合ってきた人、全員童貞ですもん」

想像と真逆の答えが返ってきたではないか。見えない角度からのときめきフレーズに、気分は高揚。「(僕を)救ってくれるかも知れない」と心の熱機関も暴走する。

「光嶋さんと付き合いてぇ〜。付き合ったら、今までのマイナス分以上のモノが返ってくるぞ。いや、横市の美女か悪くないな。これが出会いで結婚までいったらどうしよう。彼女を支えるために定職につかなきゃなぁ」と脳みそも爆音列島。

続けて、光嶋さん「今の彼氏も私と付き合うまで……」

「こんなかわいいコで…!」顔も知らぬそいつがうらやましすぎて、マジなつぶやき&ため息も漏れる。
こうして僕の数年ぶりのデートは散った。

そして、ダウナー気分のまま恒例のジャッジタイムへとコト運んだ。
まずは第1問目から。
デートとしてアリだったか、ナシだったか?

おぉ、良かった一安心。
「普段のデートは私主導のことが多いんです。だから、ヨシムラさんが色々な店に連れていってくれたこと自体が嬉しかったんです。あと、2軒目のコクテイルでしたっけ。すごく雰囲気が良くて最高でした」
やった、狩野さん(コクテイルの店主)様様である。

では第2問、このまま、お持ち帰りされるのはアリ?ナシ?

「いや、難しいですね。そもそも私、彼氏いますし。いなくともやっぱ……。うーん、ただ私以外だったら大丈夫だったかもです」
との回答。
最後の最後で「その“私以外”を紹介してくれませんか?」と最低なことを聞き返してしまう僕。評価を下げてデートを終わる。飛ぶ鳥跡を濁しまくった。
ただのデート、されどデートである。
しかもコレ単発ネタじゃなくて連載。「いつか心が破壊されそーで怖いんですけど」とチェリー霜田編集長を恨む。
そんな予感に悪寒し、早々と高円寺を後にした。

最後にオトナ童貞の仲間たちに、今回のデートでの学びを伝授したい。
学び その1 スーパーフリーの話題は厳禁!
学び その2 コチラ側かと思いきや、リア充の場合アリ。気をつけろ!

【相手】光嶋悠ちゃん(20歳)
【結果】デート ◯
【お持ち帰り】 ✕
【金額(女性ひとりあたり)】
天すけ 1,900円
コクテイル 800円
Yonchome Cafe 1,000円
『どうする?』 1,598円
合計金額 3,700円
【合計デート時間】4時30分

高円寺から自転車を走らせながら、光嶋さんの歴代彼氏を想った。
「あぁ、羨まし……」

(文、絵:ヨシムラヒロム)

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