チェリー誕生から5年。編集部平均年齢26歳で始めたこのサイトも、気づけばアラサーたちが運営するものに……。
「童貞をひきずっている」というコンセプトで始め、その志は変わらないし、相変わらずひきずり続けてはいるものの、編集長の霜田に至っては34歳。このままアラフォーを迎えてはマズいのでは。「オトナ童貞」が「大人」になるための儀式、それはもしかして今まで考えることすら避け続けてきた「結婚」なのでは……!?
そう考えた霜田と創設メンバーの小峰は、チェリー編集部内唯一の女性であり既婚者、2人の子供の母でもある菱山に教えを請うことにした。
結婚とは何なのか、そもそも結婚すれば大人になれるのか、っていうかでも誰でもいいから結婚したいわけでもないのよーどうすればいいのー!! いや、そもそも結婚の前にセックスはどうすれば? 女性も性欲ってあるの? などなど……、浅い悩みから深い悩みまで、多くの恋愛経験を経て今やオトナ童貞性も持ち合わせた菱山に、そもそも論からレクチャーを受け、男と女の真相に迫るチェリー版・セックスエデュケーションが、いま始まる!
(※この企画は「恋愛事情」に同時掲載しています)
■結婚適齢期な自分 VS 結婚願望がわかない自分
小峰「今日は僕の悩みを聞いてほしくてお集まりいただきました。いま28歳なのですが、周りがどんどん結婚し始めているんですよ。正直あまり結婚願望とかは無かったんですけど、改めて振り返ってみるとたしかに適齢期ではあって。『結婚願望が無い』なんて言っているのはもはやおかしいのか!? という気持ちにもなっていて。やっぱり恋愛をする上で、結婚はマストで意識した方がいいんですかね?」
霜田「たしかに僕が28歳くらいの時も結婚ラッシュだった。いま34歳で独身っていうのは相当珍しい部類に入っているのも事実。同級生のクラスの男子で考えたら、いま独身なのって20人中僕含め3人かな……。しかもその3人は、童貞、童貞、オトナ童貞という……」
小峰「え、34歳でもうそんなことになるんですか……!!」
霜田「でも、だからこそ独身であるメリットもあって。34歳独身男性が貴重な分、モテるんだよね。年齢差を気にしなければ社会人1年目の22歳くらいの方も恋愛対象として見てくれたりして。この年になって、『あれ、ちょっと恋愛ラクじゃない?』ってフェーズに入ってきて。この状況を結婚で捨てるのも勿体ない気持ちもあるよね」
小峰「なるほど……」
■やっと来たモテ期を捨てていいのか問題
霜田「でもこのまま独身でもヤバイぞという気持ちももちろんあるよ。実際僕の周りの同世代の独身男性って、めっちゃ暇で。仕事も自分のペースでこなせるようになってくるから、LINEも即レスだし、アイドルのライブ配信だけが生き甲斐みたいな。ちょっと寂しさを感じる人もいて。自分もいつこうなるかわからないという焦りは確実にある」
小峰「なんなら僕、すでにアイドルの配信とか見てるんですけど……。しかもそこでトキメキも補給できちゃう。写真集を発売2ヵ月前から注文して超楽しみにしてるし……」
霜田「なんか小峰君、すでに恋愛から遠ざかりすぎてオトナ童貞でもなくなってきてない? 純粋な童貞に戻ってきているというかさ(笑)」
小峰「菱山さん、この状況どうしたらいいんですか!? 結婚しないで孤独になっていくのも怖いけど、結婚して恋愛市場から降りるのも怖いんですけど!」
菱山「たしかに結婚って責任も負うし、これまでの自由もなくなるというデメリットもあって、100%全力で結婚したいって思う人の方が珍しいと思います。でもお二人とも結婚を重く考え過ぎですよ。私24歳で結婚して、いま5年目を迎えて感じるのは、結婚しても意外とフットワークは軽い、ということ。嫌になったら夫と明日別居することだってできる。ダメで元々でいいんですよ。もし相性が良くなかったら離婚すればいいし、相性が良ければ結婚生活を続ければいいし」
霜田「そう聞いても、やっぱり独身の特権『他の異性と遊ぶ』っていう自由を手放していいものかと思ってしまいます」
菱山「そこがどうしても我慢できなくなったのなら別れればいいんじゃないですか。恋人と夫婦で決定的に異なる点は、結婚したら嫌でも将来を見据えなければならない点です。そのために相手のことを信じなきゃいけないし、自分のことをさらけ出さなきゃいけない。お互いの極地を見ることになります。そこまでさらけ出した上でも異性と遊ぶ我慢に負けるならそこまでです。私の場合、やっぱり将来を見据えることで、夫がいると死なない理由になるし、子供がいると生きる理由になるんですよ」
小峰「スケールが大きい! でもたしかに結婚したらそれで終わりってわけではないですもんね」
菱山「むしろ、ずっと恋愛し続ける人生でいたいのなら、一度結婚すべきなんじゃないですか? 結婚しているなら妻に恋愛し続けられるし、離婚しても一度女性と結婚生活を送っていたという経験は恋愛において有利だと思うんですよね。1人でアイドルの配信を見て寂しさを感じているよりかは、有意義な時間だと思います。離婚しても恋愛市場に返り咲けるじゃないですか」
霜田「あの、ちょっと結婚って良いなと思えてきたところで一つ気になるんですけど、男性のモテのピークっていつなんでしょうか? そこまでは独身でいたい欲もありつつ……」
菱山「周りで婚活している方に聞いた話だと、ピークは35歳頃かなと……。例えば40歳で結婚経験がなくて恋愛にギラギラしてますだと、女性としてはちょっと警戒しちゃうんですよ。収入はあったとしてもそれを凌駕する強いクセがあるんじゃないかと不安になりますよね。もちろん恋愛や結婚に興味が無い方なら別ですけど」
■結婚は「プレイ」と思えば長続きする
霜田「ならやっぱり僕は焦らなきゃじゃないですか‼ でもこれも不安要素の一つなんですけど、結婚相手への恋愛感情って長く続くものなんですか?」
菱山「そこは相手との関係を、結婚というプレイの一環くらいに考えれば長く続くんじゃないですかね。結婚プレイができるチャンスってそう周ってくるものじゃないので、チャンスが巡ってきたら、新しいプレイだ! と好奇心で飛び込んでみると良い刺激になって意外と長く続くかもしれませんよ」
小峰「励みになる言葉ですね……」
■女性は社会的、身体的に結婚のタイミングが決まってくる
霜田「ちなみに女性も結婚に焦るタイミングってあるんですか? 菱山さん自身、何歳までに結婚しなきゃという気持ちってありました?」
菱山「私は結婚願望がなかったので焦りはなかったのですが、年齢で価値を定めるわけではなく、女性の場合、結婚のタイミングって自分の気持ちと相手だけでは決められないんです。出産を望まなかったとしても、結婚しただけで勝手に収入が下がることがあって」
小峰「それってどういうことです?」
菱山「女性が結婚すると、会社側から『いずれ退職する』、『いずれ出産する』、『夫を支える』という扱いになって、勝手に残業、転勤、激務は無理だと判断されて、出世ルートから外されることもあるんです。だから自分が結婚したいタイミングではなく、仕事のタイミングも気にしなければいけなくて。さらに出産となれば、産休育休を取らなければいけないので、仕事の進捗状況との兼ね合いや、キャリアルートから外れてもいいのかという悩みもある。あとは35歳を越えると、母子手帳に『高齢出産』って書かれたりもする。今は35歳以上の出産なんて当たり前ですが、生物学的にはリスクも高くなっていく。なので男性は、俺は結婚したくない・したいの二元論ではなく、女性側のタイミングも尊重して結婚を考えるべきだとは思います」
■オトナ童貞、結婚への第一歩は?
小峰「今まで考えたことが無い話だったので、非常に学びが多いです。結婚考えてみようかなという気になってきました。そんな僕がいざ結婚に向け、今からできることってありますか?」
菱山「まず第一歩として、生命保険に入るのはどうでしょうか? 客観的に人生を見直す良いきっかけになります」
霜田「なるほど。具体的には?」
菱山「毎月保険料を払って、いざ自分が死んだ時、誰に保険金を受け取ってほしいかを考えられますし、保険の販売員の方が、何歳でどんなことが起こり得るかというライフプラン表を持ってきてくれて先々が見通せるんですよ。お金問題も絡みながら第三者と一緒に強制的に自分の人生を見つめ直せるので、結婚を考える入り口にぴったりだと思います」
小峰「僕と霜田さんの辞書に『ライフプラン』なんて言葉、ありませんでしたよね?」
霜田「たしかに(笑)。これはかなり有効そうですね!」
ROAD① 一生恋愛し続けたいなら、一度結婚しよう。
(構成:菱山恵巳子)