ー3カ月前、童貞を捨てた。思ったほど、世界は変わらなかったー
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「実はセリフを勝手に変えてました」マシ・オカ『HEROES/ヒーローズ』復活で9年前を語る

マシ・オカ、ハリウッド映画『デスノート』プロデューサーに

世界的に有名な日本人役者……といってもそうたくさんいるものではない。三船敏郎、渡辺謙……。しかし、この人を忘れてはいないだろうか? マシ・オカである。

『HEROES/ヒーローズ』でブレイクしてから9年。この度、新シリーズ『HEROES Reborn/ヒーローズ・リボーン』が始動ということで、マシ・オカも出演するという。

出演としては5年ぶりだが、その間にマシ・オカ自身も役者業だけにはおさまらないほどに、活動の幅を広げている。例えばハリウッド版『デスノート』のプロデューサーなどがそれにあたり、海外に日本文化を広める役割を担い始めているのである。
なぜ、彼は『HEROES/ヒーローズ』後に、そのようなキャリアを辿ったのか。そして、マシ・オカにとって『HEROES/ヒーローズ』とはなんだったのか。直接、話を聞いた。

実は打ち切りだった『HEROES/ヒーローズ』復活への想い

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――5年ぶりの『HEROES/ヒーローズ』出演ですが、その間にこの作品にはどのような思いが溜まっていたのでしょうか?

「実は『HEROES/ヒーローズ』は打ち切りという形で終わったんです。本当はワンモアシーズンあったはずなんです。だから、自分の中ではとてもモヤモヤしていたんですよね。最初の1年くらいは、映画やXBOXとか……なんとか違う形で終わらせることができないかと、色々と試行錯誤したんですけれど、何にも実現しなかったんですよね……」

知らなかったシリーズ再始動

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――では『HEROES Reborn/ヒーローズ・リボーン』の話を聞いた時は「ヤッター!」という感じでしたか?

「『ヤッター!』というよりも『ナンジャ?』という感じでしたね(笑)。もちろん、嬉しかったですが、かなりのサプライズでした。2014年の冬季オリンピックのときに、15秒間のCMで『HEROES/ヒーローズ』の『ハァ~』っていう音楽とロゴだけが出てきて『COMING SOON』……と表記されるというCMが流れて、それだけだったんです。『なんやこれ』と思って、(笑)」

――えっ、出演者なのにご存知なかったんですか?

「すぐにキャストのOBたちで連絡を取り合ったんですが、誰も知らされていなかったですね(笑)。ちょうどその夜、急にティム・クリング(※)から「明日時間ある?」って連絡がきて話すことになりました。NBC(※)もまだ内容はなかったけど、オリンピックだから『チャーンス!』って感じで出そうということにしたんじゃないですかね。そんな感じなんです(笑)」

(編集部注※ティム・クリング:HEROES製作総指揮・原案 
※NBC:HEROESを製作するアメリカのテレビ局)

アメリカ独特の“なんちゃって日本”を楽しんで

――久々の『HEROES/ヒーローズ』の現場はいかがでしたか? 以前は日本の文化をなかなか理解してもらえなくて苦労したという話もありましたが……。

「もうあの世界は、アメリカから見た“なんちゃって日本”ですよね。例えば、時計の文字盤が漢数字のものだったり、鞘から出したままの刀がディスプレイしてあったり……。

でも『こんなもの日本にありませんよ』って言うと『NO,NO,NO!うちのアートディレクターがリサーチして、我々は素晴らしいものを作ったんだ!』なんて言われてしまい……。そう言われると、なんの言い返しようもないじゃないですか。それに、セットや大道具・小道具は、当日に急に変えることが難しいんですよね。

だから『HEROES/ヒーローズ』ではその“なんちゃって日本”の世界観を楽しんでもらえればいいなと思っています。でも自分がプロデュースする作品はそういうことがないように心がけています。役者でいる限りは、セリフは変えられても、セットは変えられないんですよね」

――えっ、『HEROES/ヒーローズ』で役者をやっているときは、セリフは変えられるんですか?

「英語のセリフは難しいですが、日本語で話すセリフは結構隠せるんですよ(笑)。脚本家としては自分で書いた英語のセリフが、そのまま英語字幕として出るから、こちらは意訳してもいいんですよ。現場のアメリカ人は、日本語で話さえすれば「なんか面白いからいいよ」って言いますしね。前シリーズの時は、『Pay back the bitch!』っていうところを『お仕置きだべ~』って言ったりしています。日本人にだけわかる小ネタになってるんです」

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あえて全く別の日本語を言う

――そんな形で日本人に向けてメッセージを発して下さってたんですね! 今回もあるのでしょうか?

「今回もできるだけ入れようとしたんですけど……。実は、前回は自分で編集室まで行って、ちゃんとした日本語が使われているかをチェックしてたんですけど、今回はそれがなかったので……。

例えば「中村さん、ゲームには何を求めていますか?」と聞かれて「友情・冒険・勝利」と、ジャンプみたいなことを言うやり取りがあるんですね。そのシーンを何回やってもいいと言うので、「友情・冒険・勝利」の代わりに「出会い・結婚・離婚」「しょう・ろん・ぽう」「餃子・ニラレバ炒め・エビチリ」と色々なことを言っています。うまくいけば字幕では「adventure・friendship・victory」って書いてあるのに、僕が「餃子・ニラレバ炒め・エビチリ」と言っているシーンができあがります(笑)」

【インタビューの続きは明日10/27配信予定の後編で!】

(取材:小峰克彦 取材&文:霜田明寛 写真:浅野まき)

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「HEROES Reborn/ヒーローズ・リボーン」
Huluで独占配信中、毎週火曜日に一話ずつ追加配信予定

<STORY>
地球から、ヒーローが消えた―。
能力者たちと普通の人々が共存する世界。オデッサでは、この二種類の人類を結ぶ平和サミットが開かれようとしていた。しかし、何万人もの人が集まったその会場は、突如、大規模な爆発事故に見舞われる。そして、このテロ事件の反抗を疑われた能力者たちは、追われる身となったのだった。愛するものを爆発で失い、壮大な復讐計画を進める者たちも出現し、世界中に潜む能力者達は、その姿を消した。そんな時代に、突然新たな能力を手に入れ、困惑する者たちが現れる。巨大な陰謀が迫るなか、運命は新たな超能力者たちと、ヒロ・ナカムラら過去の偉大なヒーローたちを巡り合わせようとしていた。果たして、テロ事件の真犯人は誰なのか。そして、何故、何のために、世界には能力者達が増え続けているのか。
制作:NBCユニバーサル制作総指揮:ティム・クリング「HEROES/ヒーローズ」シリーズ
出演:ジャック・コールマン「HEROES/ヒーローズ」、ザカリー・リーヴァイ「CHUCK/チャック」、祐真キキ、マシ・オカ他
公式HP:HeroesReborn.jp ©2015 NBCUniversal. All Rights Reserved.

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