“スマホ見せ合い映画”監督が来日
もしも、自分のスマホの中身を大事な人に覗かれたら……?
“男女7人がスマホを見せ合うゲームをする”という設定で、イタリアで大ヒット、“イタリアのアカデミー賞”こと、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で作品賞・脚本賞のW受賞を果たした映画『おとなの事情』。
パオロ・ジェノヴェーゼ監督が来日し、監督登壇の試写会&トークイベントがおこなわれた。
イタリア映画だが、他人事ではない
……が、監督は東京観光でイベント開始時間に間に合わず。まずは、ゲストのカリスマブロガー・作家のはあちゅうが登場。本サイト・チェリー編集長の霜田明寛がMCだったため、急遽ゲスアワーな状況に。
はあちゅうは、「密室劇なのに飽きさせない展開でハラハラしながら見てしまいました」と、まずは映画の物語自体を楽しめたよう。
その上で「自分にとって“バレたら一番怖いことは何か”をつきつけられる映画」「スマホが当たり前のように生活に根付いているため、私たちにも他人事ではない話」と、映画の物語だけではなく、自分ごととしても心を動かされた様子。
位置情報で恋人の場所を確認
そこから、「浮気や不倫がバレるのは、ほとんどがスマホ経由」と、スマホが恋愛に及ぼす影響についての話に。
なんと、「今の恋人にはスマホの中身を見せられる。パスワードもお互いに知っている」というはあちゅう。さらに、スマホには、お互いの位置情報を把握できる機能がもともとついているので、その機能を駆使して、家族や恋人の位置をスマホで見ているとの驚愕の告白。
「現在地を把握すると『あ、生きてる』『かわいい』って思えるんです」と語った。
笑えるドラマ・ドラメディ
と、スマホと恋愛の話が盛り上がったところで、パオロ・ジェノヴェーゼ監督が到着。
日本の観客に「今回、アジアで初めて公開される。皆さんの反応が楽しみ」と、挨拶をした上で「この作品はコメディではあるが、ドラマの要素が強い“ドラメディ”である」と、ただ笑えるだけの作品ではないことをアピール。
3つの人生とは
続いて、スマホを見せ合うゲームをする、という本作の着想を聞かれると、作家のガブリエル・ガルシア・マルケスのインタビューの言葉を引用。
「人には3つの“人生”がある。1つ目はプライベート。2つ目はパブリック。そして3つ目は秘密。今回は3つ目の秘密について映画にしたいと思った。現代での秘密とは、スマートフォンの中にある、と考えた」と明かした。
また、イタリアでは28週間ロングランを記録した大ヒットだったことに触れられると「ヒットすると続編をなんて話も起こるけれど、このテーマに関しては描ききった」と自信を覗かせた。
映画『おとなの事情』は、3月18日(土)より新宿シネマカリテほか、全国順次公開。
(文:チェリー編集部)
【関連情報】
公式サイト:『おとなの事情』 3/18(土)新宿シネマカリテほか全国順次公開
監督:パオロ・ジェノヴェーゼ