人生の悩みは、すべて映画が解決してくれる。
そう、あなたの出演映画も誰かの悩みを解決するのだ!これまで多くの映画を紹介してきた“永遠のオトナ童貞のための文化系マガジン・チェリー”の新連載は、若手女優のお悩み相談企画。チェリー編集長の霜田明寛が、その肯定型インタビューとも称されるカウンセリング的なインタビュー術で、お悩みを聞き、その悩みに対して、ゼロ年代の日本映画で答えていくというコーナーです。さらには、女優の最新出演作を題材に、「その映画を見るとどんな悩みを解決できるか」まで一緒に考えます!彼女たちの悩みの解決の糸口は、彼女たちの生きてきた時代の映画と、彼女たちが出ている映画の中にある!!
ということで3回目となる今回は、SUPER☆GiRLSの浅川梨奈さんが、長編初主演映画となる『人狼ゲーム マッドランド』(7月15日(土)公開)を引っ提げて登場。本作は、生死をかけたゲームに参加する登場人物たちを描き、桜庭ななみや土屋太鳳らが主演を務めてきた、若手女優の登竜門的シリーズの第6弾。浅川さんは“永遠のオトナ童貞のための文化系マガジン・チェリー”には半年ぶり、2回目の登場となります。
【浅川梨奈】
1999年4月3日生まれ。埼玉県出身。2012年『avex アイドルオーディション2012』に応募し、その後デビュー候補生期間を経て、2014年にアイドルグループSUPER☆GiRLSに加入。
近年では映画『14の夜』『恋と嘘』『honey』やドラマ『咲-saki-』『ファイブ』などで女優としても活躍中。2015年には本格的な水着グラビアに初挑戦、翌年には『週刊プレイボーイ』で“2代目 週プレ3姉妹”に選ばれるなど、グラビア界も“1000年に1度の童顔巨乳”のキャッチフレーズで席巻。今年1月には初の写真集『なないろ』も発売された。また、2016年5月に出演した『ナカイの窓』では強烈な印象を残し、バラエティ番組にも多く出演している。
所属事務所:エイベックス・マネジメント
【霜田明寛】
1985年9月25日生まれ。東京都出身。
早稲田大学在学中に執筆活動を始め、23歳で、自身のアナウンサー就職活動への挫折経験をもとにした著書『テレビ局就活の極意 パンチラ見せれば通るわよっ!』で作家デビュー。20代で3冊のマスコミ就活本を著し、就活生の一部から熱狂的な支持を得る。読者から多くのアナウンサー内定者を輩出した評判が広まり、大学や企業の就活セミナーに登壇するようになる。
また、ジャニーズ、日本映画、ミスキャンパスといった分野にも造詣が深く、自身が編集長を務めるWEBマガジン“永遠のオトナ童貞のための文化系マガジン・チェリー”で、それらを紹介する傍ら、テレビ・ラジオなどにも出演。映画監督や俳優への「肯定型インタビュー」には定評があり、映画イベントなどを中心に司会も務めている。
所属事務所:KNOCKS,INC.
半年間告白されず!!
霜田:チェリー半年ぶりのご登場ありがとうございます! 前回は、モテないという話をはじめ、色々とぶっちゃけていただいて。
浅川:言いましたねー(笑)。
霜田:浅川さんが「喋らなければモテる」っておっしゃったので、頷いて聞いていたら「頷きすぎですよー!」と注意されました(笑)。
浅川:ちなみに、あのあとの半年間……1回も告白されてませーん!
霜田:ええっ!(笑)でも、この半年、女優業など個人のお仕事も増えて、正直、男性と接する機会は多くなったんじゃないですか?
浅川:この夏、放送されているドラマ『ファイブ』では男の子に囲まれる役どころで、「どうしよう!」って思ってたんですけど、結局何事もなく終わりました(笑)。
霜田:今回の『人狼ゲーム マッドランド』も、同年代の共演者の方が多いですよね。
浅川:ええ、何もなかったです! ファンの方、安心してくださーい!(笑) まあ、『人狼~』は設定上、人が死んでいくので、それでどんどんと共演者が少なくなっていったこともありますけどね。
霜田:男の人に興味がないわけじゃないんですよね?
浅川:無いのかもしれない……。二次元の男の人には興味あるんですけどね。私の男の人の理想が二次元よりなので、それに当てはまる人がいないんですよね。
浅川梨奈・理想のタイプは……
霜田:ちなみに、理想の男の人像、もうちょっと詳しく教えてもらってもいいですか?
浅川:(喋るスピードを早めながら)ドSで俺様系でちょっと口悪くて、チャラそうに見えて、すっごいオラオラ系だけど、実際はすごいニャンニャンしてて、一途で可愛くて、なんだかんだ言ってひとりのことしか想ってなくて、遊んでるように見えてなんだかんだでそのコのことしか考えてない、独占欲が強くてちゃんとヤキモチ妬いてくれる人がいいですね。
霜田:ホ、ホントに詳しくありがとうございます(笑)。
浅川:そんな人は現実にはいないって言われますけどね。もちろん、今の今まで出会ったこともありません。私は、そういう人が現れたら結婚発表します!
霜田:実はモテてるけど、理想の男の人が現れてないってことじゃないんですか?
浅川:いやいや、モテてもいないんですよ。私、「好き」って言われたら意識しちゃう単純な人間なんですよ。でも、言われたことないし。18年間生きてきて「あの男の人、梨奈のこと好きらしいよ」みたいに人づてで聞くことすらなかったですからね。根本的に、一生結婚できないタイプだと思います。
霜田:はぁー、難しいですねえ。
浅川:いや、マジで難しい顔するのやめてくださいよー!(笑)
霜田:すみません(笑)。
霜田:やっぱり浅川さんは、こうしてお話していても、トークスキルがめちゃめちゃ高いじゃないですか。ただ、こんなに素晴らしいルックスで、アイドルというお立場で、さらにここまでトークスキルが高いと、隙のなさが逆に目立つ気がするんですよね。
浅川:隙のなさ……え、隙ってなんなんですか?……って何を相談してるんだろう、私は(笑)。
霜田:まぁ、最大限、言葉を選ばせていただいて表現すると、隙とは「今夜、いける……!」と男に思わせる緩さのことですね。その隙が女子から垣間見えると、男はその女子のことが格段にかわいく見えるようにプログラミングされています。
浅川:そうなんですね!! 確かに、私はその意味ではいけないですね……って、私は何を言っているんだ(笑)。チェリーの取材は、下ネタがいけるから楽しいです。
霜田:ちなみに、前回も相当そっちの方向にいってしまったんで、さすがにこちらも迷いながら「マズい部分は削ってくださって大丈夫です」というテンションで、マネージャーさんに見せたところ、ほぼそのままOKが出て、逆に驚きました(笑)。
浅川:ええ、18歳にもなったので、もっと大丈夫です!そこは共犯なんで(笑)。
アイドルが演じる“隙のある女子”のエロさ
霜田:ありがとうございます! ということで、今回はですね、浅川さんのお悩みを解決する映画として、アイドルが隙のある女子を見事に演じている作品をご紹介できればと思います。吉田恵輔監督作品『さんかく』です!
浅川:ああっ、えれぴょんのやつだ! 見ようと思ってたんですけど、見れてなかったんです。
霜田:おおっ、それはちょうどよかったです! 公開が2010年なので、AKB48・小野恵令奈さんの卒業直前の出演作ですね。
浅川:私、AKB48ヲタで、ちょうど卒業直前のえれぴょんの写真集を持ってるくらい好きなんですよ。どんな話なんですか?
霜田:小野さんは、主演の高岡奏輔さんの彼女の妹で、夏休みの間だけ泊まりにくる女子中学生の役なんです。もう、小野さんが素晴らしくて。決して自分の品格を落とすことなく、隙を見せるんですよ。そうして、高岡奏輔さん演じる男は、自分の彼女の妹という、手を出したら確実に危険な関係にも関わらず翻弄されていくという。この無防備なエロは、もしかしたら浅川さんに通じるかもしれません。
浅川:えれぴょんはエロかったですけど、私はエロさのカケラもないですけどね……って、今日も頷きすぎですよー!(笑)
霜田:すみません! そんな、自覚があるんだっていうのが驚きで……!
浅川:自覚っていいましたねー!(笑)
霜田:申し訳ありません! 浅川さん自身は、そういう認識でいらっしゃるんだ、という(笑)。
浅川:そうですね、そういう認識でいらっしゃるんです(笑)。いやあ、今、楽しんでます、ありがとうございます。とりあえず、取材が終わったら速攻で『さんかく』見ます!
“生きられる幸せ”を感じるようになった
霜田:嬉しいです。ということでですね、ここからは「あなたの出演映画も誰かの悩みを解決するのだ!」ということを考えていければな、と思います。今回の『人狼ゲーム マッドランド』を経て、感じたことはありますか?
浅川:ちょっと真面目になってしまうんですが……。今の中学生・高校生は、割とすぐ「死ね」とか「死にたい」とか「まじ死んだ」とか言うじゃないですか。私も小学生のときにはふざけて言ってた気がするんですよね。
霜田:たしかに、軽いリアクションでも、すぐに「死」という言葉を使ってしまう人は多いですね。
浅川:でも、彼らと同年代の人たちが、この映画の中では、必死に「死にたくない」という思いを持って殺りくゲームに参加しているわけです。10人全員が「生きたい」って思って必死になっている姿をドキュメンタリーのように撮ってる作品なんですよね。だから、映画の中で同年代のそんな姿を見たら、今まで自分たちが軽く発していた言葉が、どれだけ重い言葉だったか、わかってもらえる気がするんですよね。自分がそういうゲームの世界ではなく、まっすぐに生きていられることの幸せも感じられると思います。実際に、私もこの撮影を終えて1日、1日を大事に生きようと思いました。
霜田:素晴らしいコメントすぎて、先ほどとの温度差が……。
浅川:そうです! 高低差が激しくて耳がキーンとなっちゃうと思います!
霜田:この高低差というか温度差に惚れる人がいそうですけどね……。
浅川:いないんです! なかなかいないんです!(笑)
霜田:せっかくシリアスモードだったのに戻しちゃってすみません(笑)。でも、そんなシリアスな題材に向き合うのは、なかなか大変だったんじゃないですか?
浅川:そうですね……。泊まり込みで撮影をしていたんですけど、泊まる場所が、撮影で使われていた建物の中の、別の部屋だったんです。ゲームが主に展開される部屋と、ほぼ同じ雰囲気の部屋に泊まっていたので、いわば逃げ道のない、本当に『人狼ゲーム』の世界の中で生きている感覚だったんです。自分は浅川梨奈ではなく、役の萌だという意識で生きることができましたし、もちろんハードで苦しい部分もありましたが、そうやってお芝居に向き合える環境って幸せだなと感じました。
映画『人狼ゲーム マッドランド』は……
女優・バラエティ・グラビア その使い分け
霜田:お話を聞いていて思ったんですが、今の浅川さん、女優の浅川さん、バラエティ、グラビア……と、それぞれ見せる表情が違いますよね。その辺のバランスは意識されたりするんでしょうか?
浅川:お芝居に関しては、浅川梨奈を残しすぎると、それは浅川梨奈になってしまいますし、かといって自分を消しすぎても、作り物にしかならなくなってしまいます。だから、すごく難しいところではありますが “自分と照らし合わせながら、その役の人生を歩ませてもらう”という意識でいます。
一方で、バラエティは、いかに浅川梨奈の爪痕を残すか、ということを考えています。私は「アイドルだからってバラエティに出て、ひな壇でニコニコかわいく笑っていればいい」とはどうしても思えないんです。もちろん、悪い印象を与えない範囲内で、強い印象をもってもらえるようにスイッチをいれています。
霜田:グラビアはどうなんでしょうか?
浅川:グラビアは“自分をどう見せたいか”という部分と“カメラマンさんがどう見せたがっているか”というのを合わせていく作業に近いですね。私と一緒にキャーキャーして、天真爛漫な感じを撮りたいカメラマンさんもいれば、静かに撮ってセクシーさを出したいカメラマンさんもいる。グラビアの撮影で培ったのは、そういうカメラマンさんや現場全体の空気を掴む力かもしれません。グラビアのお陰で、他の演技の現場や、取材の場でも、相手や空気に合わせられるようになりましたね。
霜田:ええっ、じゃあ、今日の「モテない」を連発し、下ネタを許容してくれる浅川さんは……。
浅川:あはは(笑)。またチェリーの取材を受けられるのを楽しみにしています!
(文・取材:チェリー編集部 カメラ:浅野まき)
■関連情報
映画『人狼ゲーム マッドランド』
7月15日(土)より東京・シネマート新宿ほかにて公開
出演:浅川梨奈
松永有紗、門下秀太郎、飯田祐真、栗原吾郎
長谷川ニイナ、眞嶋秀斗、木下愛華、坂田将吾
佐奈宏紀
監督:綾部真弥
脚本:川上亮、綾部真弥
原作:川上亮「人狼ゲーム マッドランド」竹書房刊
<ストーリー>
監禁した高校生たちに殺し合いをさせ、生き残った者には1億円が与えられる“殺戮ゲーム”。人呼んで<人狼ゲーム>。気を失った私は、9人の高校生たちと共にバンに揺られていた。今回の参加者は、村人側:2人(用心棒1人、予言者1人)、人狼側:1人、その他:狂人7人という【狂人村】。狂人の生存条件は、人狼の勝利。村人が生き残るには、多数決の投票に頼るしかない…。人狼側圧倒的有利なこのルールの中、私は、勝利を目指して「殺り」まくる―。