チェリー誕生から4年。編集部平均年齢26歳で始めたこのサイトも、気づけばアラサーたちが運営するものに……。
「童貞をひきずっている」というコンセプトで始め、その志は変わらないし、相変わらずひきずり続けてはいるものの、編集長の霜田に至っては34歳。このままアラフォーを迎えてはマズいのでは。「オトナ童貞」が「大人」になるための儀式、それはもしかして今まで考えることすら避け続けてきた「結婚」なのでは!?
そう考えた霜田と創設メンバーの小峰は、チェリー編集部内唯一の女性であり既婚者、2人の子供の母でもある菱山に教えを請うことにした。
そして先日結婚をした霜田を横目に、小峰の不安と焦りは増す一方なようで……。
(※この企画は「恋愛事情」に同時掲載しています)
■顔も収入も自信が無い男の生存戦略とは
小峰「僕って、世の女性が求める結婚相手の好条件にまったく当てはまっていないんです。つまり、顔も収入も良くない。しかも今年30歳なので、ここから一発逆転のモテ期到来も望めなそう。そんな僕みたいに、顔も収入も持ち合わせてなくても結婚できる男性っているんでしょうか?」
霜田「小峰くんは持たざる者である、という自己認識なんですね」
菱山「むしろ顔や収入よりも、結婚に一番重要なのは「真のコミュニケーション能力」だと思います。ワンナイトや交際だったら興味関心だけでも背中を押されるので、顔・収入は大きなカードになりますけど、結婚は生活を共にすることが前提なので」
小峰:「『真のコミュ力』というのは、話上手とか合コンで盛り上げられるとかですか? ますます僕らから遠い存在になっている気もします」
菱山「そういうテクニック的な能力ではないです。『真のコミュ力』とは、相手の話を聞けて、先走らず、求めているものを提供できる能力です。要は『思いやり』に集約される内容。逆に、話し上手で面白い! と思われるためのコミュニケーション能力だけを磨いたとしても、長い共同生活の中で常にそのテンションをお相手に提供し続けることは難しいですよね? 男性自身も安らげないし、女性側も本性を見た時にガッカリしてしまう」
霜田「合コン盛り上げ力はコミュ力にあらず……。 ちなみに、そういった『真のコミュ力』を、女性はどういうところで見抜いているんですか?」
菱山「私の場合のチェックポイントは、お酒抜きで遊べる同性の友達が多いかとか、そしてそういった昔からの友人を大切にしているかを見ていました。長く人間関係を構築できる方は『真のコミュ力』の保持者だと思います」
■恋人と友人、どちらの優先順位も落とさない男が結婚相手に選ばれる
霜田「なるほど。菱山さんが男性の『真のコミュ力』を感じた具体的なエピソードはありますか?」
菱山「夫と交際中のエピソードです。泊りでデートをした際、2人でお昼前にお腹すいて、私の希望でラーメンを食べたんですよ。その時、夫は夕方に地元の友達と会う予定があって。
その友達は大阪赴任から帰ってきていて、夜にはまた戻らなきゃという状況。で、その友達が『東京帰ってきたんだし地元のラーメンで締めたい』とLINEで言い出した。
でも、夫はすでに私とラーメンを食べている。そこで夫はどうしたかというと、私と11時、友達と15時という変な時間に1日2食ラーメン食べたんですよ。自分を犠牲にして、私も友達も両方大事にしてくれた。どちらの相手も楽しく過ごせるように自分が振舞う姿勢に『真のコミュ力』の高さを感じて感動しました」
小峰「素晴らしい! 恋人と友人、どちらの優先順位も落とさないのも大事ですよね。そこに人間性も出ると思います。恋人だけ優先順位高いのもペラペラな人っぽいし」
霜田「恋人できた瞬間、急に人付き合いがなくなる奴、いますよね!」
菱山「逆に友達だけ優先されていると、彼女側からしたら大事にされていない感もあるし。どちらも大切にするっていうスキルが必要ですよね」
霜田「それだと、結婚しても友達のことも妻のことも家族のことも大事にしてくれそう」
菱山「その通り! 結婚したら2人だけの人生になるのではなく、2人で社会に対峙しなければなりません。だからバランス良く社会と付き合っていける人の方がいいですよね。あと、付き合っている時に恋人だけ優先していても、結婚してそれが一生続けられるかというと、無理ですよね。昔からの友達にも尽くせるっていうことは、恋心が終わってもきちんと大事にしてくれそうと思いますね」
小峰「じゃあその『真のコミュ力』って鍛えられるものなんですか?」
菱山「もちろん。恋愛をすると、喧嘩で本音を喋らなければいけなかったり、フラれたりと、自分の『真のコミュ力』の低さが露呈することがあるじゃないですか。たとえば恋人から『何考えているかわからない』『もっと大事にしてほしい』と言われるとか。その失敗をフィードバックして活かしていけば向上すると思います」
■しかし、自分が戦える市場を見極め、戦略を立てるが大前提
小峰「参考になります。女性に対して『真のコミュ力』を発揮すれば僕も結婚できるんですね!」
菱山「でも、前提として自分が戦える市場を見極めた上で戦略を立てないと『真のコミュ力』を発揮する土台にも上がれないですよ」
霜田「僕たちが戦える市場とは!?」
菱山「4パターンあると思います。①女子アナ・CAなどの『タレント職業系』。②弁護士・医者などの『バリキャリ・国家資格系』。③有名企業の一般職などの『そこそこで幸せ掴みたい系』。④有名大学卒でフリーターなどの『自分の評価と周りの評価がズレている系』」
小峰「思ったより幅広くて夢がある! 具体的な戦略について解説お願いします!」
菱山「①『タレント職業系』は、学生時代から異端児だった方達。というのも、勉強だけではなく、専門のスクールに通いつつ外見なども磨いた上で、才能も必要。同級生が遊びまくっている大学生のうちからトリッキーな努力が必要だったわけですよ。周りと違う異端的なことをして自分の地位を獲得してきた人だから、相手も異端児でないと、そもそも理解し合えない。だからジャンルは問わず、何か一つでも尖っている部分をアピールできるといいですよね。例えば霜田さんだったら『本を出している』、小峰さんだったら『ラジオドラマのプロデューサーをしている』とか」
霜田「そう考えると、フジテレビの久代萌美アナとyoutuberのはるくん夫婦など、女子アナ×異端児の組み合わせって最近多いですよね」
小峰「うーん、でもそもそも僕はその層との出会いがないかな~」
菱山「じゃあ②『バリキャリ・国家資格系』はどうでしょうか。彼女達はやるべき時にやるべき勉強を人並み以上に努力してきた方達。なので『努力は報われる』ということを体感として得ている。だから人の努力に期待ができるし応援もしてくれる。実はヒモ男子と付き合っているもこのタイプ。今大きいことをしてなくても夢を追っている姿を信じてしまう。
先ほどの①が『必ずしも努力が報われない』ということを知っている人たちだとしたら、その逆です。だから小峰さんだったら『将来映画撮りたくて、いま映像業界で頑張っている』みたいな話が面白がられると思いますよ。応援してくれる女性はそれなりにいる」
小峰「目指す夢は女性の職業から遠いジャンルの方が良さそうですよね。『俺、今から医者になりたい』だと、本当に必要な努力値がバレちゃう(笑)」
霜田「別ジャンルでの努力を見せつけよう!」
菱山「あと③『そこそこで幸せ掴みたい系』。彼女達は、私なんて高望みしない職業でいっかな……という考えで自分にあまり自信がない。でも結局、他人目線を気にしすぎてしまって自意識に自縄自縛になっているだけなんです。だから男性も他人から見て『イケている』という部分が見えればいい。イケてる集団にいるとか、地元で元ヤンだったとか。イケてるコミュニティにいる男と付き合えている女、つまり自分はイケてる女だと気持ち良く錯覚させられれば勝ちです」
霜田「たしかに、商社の一般職に就職した女性、複数での大学のサークルの男女との旅行の写真をSNSに挙げがちですよね」
菱山「インスタでフォロワー2000人位のかわいい子が毎日投稿を頑張っていたとしたら自信ない系ですね。だって本来、かわいい子だったら忙しくてインスタなんてやる意味も暇もないじゃないですか」
霜田「インスタの投稿数はもしかしたら自信と反比例しているかもしれませんね」
菱山「インスタ投稿は、リア充アピールしたいわけではなく、自分の自信を取り戻す作業なんですよ。『私は大丈夫。イケてる』みたいな」
霜田「僕達は、彼女達を安心させられるようなイケてるコミュニティにいる感を出せばいいと」
菱山「霜田さんだったら、『この前、ニューヨークの屋敷と飲んでさ~』と話すとか」
(※霜田は芸人・ニューヨークの屋敷裕政氏と交流があり、霜田の結婚の証人も屋敷氏。)
霜田「友達使うのめっちゃ嫌だ!(笑)」
菱山「あくまでひとつの戦略として!(笑) 最後は④『自分の評価と周りの評価がズレている系』。例えば、美人なのにすごく卑屈とか。彼女達は自分を見失ってしまって、外部から言われた役割を演じている。このタイプは『ありのままの自分』という言葉に弱いので、ディズニーの『アナ雪』で号泣しちゃう。
だからその自己肯定力の低さをフォローすると良いですよね。演じていない自分を受け入れてくれる優しさを出す。みんなにやっている感は見せずに、一途に100%の優しさを捧げてください。彼女だけ褒めちぎるとか」
小峰「持たざる者の僕でもできそう!」
霜田「……でも僕、過去にプライベートで出会った自己肯定感がものすごく低い女優さんに褒めちぎり戦法で戦って上手くいきませんでしたよ……」
菱山「その方、実は自己肯定感が低くなかったんじゃないですか? 本当は①『タレント職業系』だった。本当に自己肯定感が低かったら人前に出る仕事してないですよ」
霜田「言われてみたら腑に落ちる(笑)。自己肯定感の低い女優や女子アナがいるものだと思って生きてきてしまいました」
小峰「擬態も見分けなきゃですね」
菱山「性格はいくらでも擬態できますけど、つかみ取った肩書や職業は他人からの評価なので、そっちには本性が隠れていると思います。だって自分に自信ないのにアナウンサー試験受けませんから」
小峰「市場を見極め、戦略を立て、『真のコミュ力』をもって接する。なんだかいい男になる方程式を学んだ気分です」
ROAD⑦ 結婚は2人で社会に対峙するもの。結婚に重要な「真のコミュ力」を発揮しろ……!
(構成・菱山恵巳子)