チェリー誕生から6年。編集部平均年齢26歳で始めたこのサイトも、気づけばアラサーたちが運営するものに……。「童貞をひきずっている」というコンセプトで始め、その志は変わらないし、相変わらずひきずり続けてはいるものの、編集長の霜田に至っては37歳。このままアラフォーを迎えてはマズいのでは。「オトナ童貞」が「大人」になるための儀式、それはもしかして今まで考えることすら避け続けてきた「結婚」!?
そう考えた霜田と創設メンバーの小峰は、チェリー編集部内唯一の女性であり既婚者、2児の母でもある菱山に教えを請うことにした。
今回、議題に上がったのは「色気」について。いま、ものすごくモテたいというわけではないが、人として魅力的な側面はほしい。ならば必要なのは「色気」じゃないか! ということで、年を重ねても色気がある人になる方法を3人で探った!
【編集部員プロフィール】
霜田(シモダ):1985年生まれ。昨年結婚したがオトナ童貞性は健在。
菱山(ヒシヤマ):1991年生まれ。双子の母。過去にビッチ女子大生を自称していた。
小峰(コミネ):1991年生まれ。現在未婚のオトナ童貞。
■色気とエロさは別物
小峰「最近よく思うのですが、外見や年齢に関わらず男女共に色気がある人っているじゃないですか。気付いたらアラサーになっていて、しかも外見に自信がない僕にとって、残された道は色気を持つことなのでは? と感じるんです」
霜田「たしかに。色気ってなんだろうね。こんな人は色気がある! って、一言では理由を表しきれないよね。菱山さんから見てどんな男性に色気を感じますか?」
菱山「難しいですよね。今私は31歳ですが、どんな40代・50代に色気を感じるかというと、穏やかで心の余裕がある人。ギラギラした性的なオーラを全面に出されると逆に引いてしまう気がします。失礼ですが、ガーシーよりも吉田恵輔監督に色気を感じるというか……。年上でも年下でも『ヤリたい』みたいな必死感が見えてしまうと、逆に色気とは遠ざかる気がしますよね」
霜田「そう思うと、10代後半や20代前半は、性欲が全面に出てしまいがちですから、色気を醸し出すのは難しいですよね。例えば、男性から見ても露出の多い格好をした女性に対して『色気があるなあ』とは思わないです。強いて言うなら『エロい!』って表現になるかな。色気とエロさって似て非なるものですよね」
小峰「それはとてもわかります」
霜田「色気は長期間持続する魅力で、エロさは単発的な魅力でしかない気がします。色気がある方には、男女問わず何度もお会いしたくなりますし」
■色気の法則①:心の余裕があること
小峰「画面越しで見るタレントさんでも、色気を感じる方っているじゃないですか。例えば最近だと藤井風さんとか。年下なのに男から見ても色気あるな~と感じます」
霜田「藤井風さんって、音楽性的には20代がメインターゲットだと思ってたんですが、意外に40代・50代の女性ファンも多いそうです。色気がファンを惹き付けているのかも!」
菱山「掴みどころがない感じが色気ありますよね~。良い意味で何を考えているかわからない方って魅力的に感じます」
霜田「え! 僕も小峰君もわりと『何考えているかわからない』と言われがちですが、それが色気に繋がっている気がしないです……」
小峰「僕の場合の『何考えているかわからない』は、恐らく『コイツ急にキレ出すんじゃないか』といった通り魔的な恐怖感を与えているのだと思います(笑)。
そうではなくて、藤井さんって『売れたい』感が全面に出ていなくて好きなことを伸び伸びとしている雰囲気がありますよね。それが『何考えているかわからない』の原因かも。だからこそ心の余裕が視聴者に伝わってくるんですよね。やっぱりその心の余裕が色気なのかも。別にタレントさんじゃなくても、仕事でも恋愛でも自分を売り込む立場なのに『あ、寄ってく?』くらいの軽やかな受け身精神を持っている方は色気があるのかもしれないと思いました。大きな野望を持っていてもそれをおくびにも出さない方というか」
霜田「藤井さんだって野望はあるのだろうけど、そんな風には見えないですしね」
小峰「深夜に酔って熱いツイートとかしないですしね」
菱山「わかるかも! そういう意味で、いま日本人で一番色気あるのは大谷翔平選手じゃないですか? あんなに天才なのに、何考えているかわからない、多くを語らずプレー以外で野心を見せないというのは、最強の色気の持ち主ですよね」
霜田「でも、喋らないのが色気あるっていうのもちょっと癪ですよね(笑)」
菱山「我々おしゃべり3人組としては……」
霜田「前回、合コンでは足りないパーツになれるという話もありましたが、本来どんな場でも毎回同じ自分を貫ける人の方が色気あるのかも」
菱山「厳しい~!!」
小峰「でも、あらゆる場に合わせられる人が、実は本心がそこに全くないとわかった瞬間に、色気を感じますけどね」
霜田「ああ、いますごく楽しそうにしているけど、この子本当はこういう子じゃないんだろうなって気付いた時に色気を感じるかも。つまらない飲み会で盛り上がってる風だった後にふっと本来の自分に戻る冷めた目元とかグッときますよね」
小峰「わかります!」
■色気の法則②:多面性を持ち、相手によって最適な面のみ見せること
霜田「『何考えているかわからない』というのは『肝が座っている』ということでもあるのかも。だからごく稀なケースですけど、堂々と逃走したり、出所してきたりする男性犯罪者に女性ファンがついたりするじゃないですか。過去にはオウム真理教の上祐史浩さんのファンである“上祐ギャル”とか……」
菱山「2009年12月8日号のSPA!には、市橋達也容疑者のファンの公言していた“市橋誌シスターズ”のインタビューが載っていました。ちなみに最近では山上徹也容疑者のファンもいるとか……。彼らがそうとは限りませんが、サイコパスを別の角度から見て『色気がある』と勘違いしてしまう方もいるのかも」
霜田「かと言って我々はサイコパスになりたいわけではないですしね……」
小峰「自分のことをどこまでさらけ出すかに色気のヒントがある気がします。全てを隠し通せるのがサイコパス、一方であらゆる面を持っていながら、その場に最適な面だけを出している方は色気がある人。すべての面をさらけ出してしまう人は余裕がない人」
霜田「ホンモノの底知れなさを持っているのは、怖さもありますが、色気と通じるんですかね」
菱山「多面性を持っていて全てを見せてくれないと『他にどんな面を持っているんだろう?』って知りたくなりますよね。例えば、子どもの頃に足が速い男子がモテたり、学生時代にバンドマンがモテたりするのって、自分が到底知り得ない・持っていない面を持っていて、その部分を知りたいと思わせるからな気がします」
小峰「逆に底を知ってしまうと冷めてしまう……ということも言えますよね」
菱山「それ、憧れのタレントにアテンドされた女性がよく言うセリフですよね(笑)。色気を感じさせるには、適度な距離感も必要ですね」
■色気の法則③:体ではなく、心の経験値を積むこと
小峰「僕が知る女性で一番色気を感じたのが、25歳頃の時に出会った20代前半の銀座のホステスの方。結構いい感じで何回かデートを重ねているうちにいわゆる『好きオーラ』を出されたんです。そこで僕がガツガツ一気に距離を詰めてしまったところ『ああそういう感じね』とかわされてしまい……。もう何度も男性から同じような口説かれ方をされてきたんだという余裕を感じました」
菱山「ホステスさんだからこそ味わう豊富な人生経験が、色気につながっているのかもしれませんね。でも、ヤリチンやビッチに色気は感じないじゃないですか。その違いってどこにあるんでしょうかね」
小峰「多分、色気に必要なのは体の経験値ではなく、心の経験値なのだと思います。何人と寝たかという話ではなく、相手に好意を向けられた、もしくは自分も好意を向けたという駆け引きの経験。その密度が濃い人には色気が宿るのではないかと思いましたね。逆にナンパ師の方は、密度が薄い恋愛ばかり数をこなしているので、会話も反射神経で返してくるのだけで面白みも色気もないんですよ。声のトーンまでその場のノリしか考えられていないから、単純な音ゲーをしている感覚になってしまうんですよね」
菱山「なるほど……。苦労してきている人ほど色気がありますしね。その意味だと女性経営者とか年を重ねるたびに色気を増している気がします
小峰「仮説ですが、自分がどう人を傷付けたか・傷付けられたかを把握している人は色気が増す気がします。例えば、ご結婚されてから色気が出る方っているじゃないですか。それって、結婚によって一人の他人に徹底的に向き合わなければならず、人間に対する理解が単純に深まっているからこそだと思うんです。そしてそれが心の余裕につながって色気になる……という流れな気がします」
霜田「そういう色気がある既婚者って周りに結構いる?」
小峰「いますね。未婚者からの恋愛相談に的確に答えられる人は、結婚生活をしっかりしているなあと思います。逆に結婚していても結婚生活を諦めている方もいますよね。パートナーのことを『うちは鬼嫁だから』とか、カテゴライズしている方はあまり真剣に向き合っていないんだろうなあと思いますし、色気も感じません」
霜田「カテゴライズしてしまうのは、反射で話しているナンパ師の音ゲーに近いよね」
菱山「……あの、それで言うと霜田さんもご結婚されてからの方が色気あると思います」
霜田「本当ですか!?」
菱山「これまでもオトナ童貞として様々な葛藤を経験されてきたと思うのですが、その経験値をもって今、結婚生活で一人の女性と向き合っているという姿はまさに小峰さんの法則に当てはまるのではないかなと」
霜田「女性に振り回された時期もありましたが、それも心の傷を言語化するために必要な期間だったのか」
小峰「単純に、結婚したら他の女性にアプローチすることもなくなりますしね。心の余裕も出ると思います」
菱山「心の経験値という意味では、遅咲きの芸人さんとかも色気ありますよね。モノマネ芸人のJPさんとか」
小峰「めっちゃわかります。逆に松本人志さんの魅力は、色気とは異なりますし。オリエンタルラジオのお二人も男性としてカッコいいのに色気は不思議と感じないですよね。人生において不遇な時代が色気を作るのかも!
■Sexy Zoneは、色気のドキュメンタリー
霜田「ちなみに少し脱線しますが、菱山さんはSexy Zoneのファンですが、彼らのSexy=色気なのでしょうか?」
菱山「色気だと解釈していますが、10代だったデビュー当時とアラサーとなった今とでは彼らの色気の種類が変わっているとも思っています。
かつてSexy Zoneが持っていた色気は『少年が持つ危うさ』のこと。沢山の選択肢を持っていて、どうにでも化けることができるという、ある意味での底の知れなさが、少年の色気でした。そしてそこからどのように大人の色気に変わっていくか、少年から青年に変わるまで、どのようなドラマを経験し、どう色気に還元していくかを現在進行形でファンに見せ続けてくれています。色気のドキュメンタリーというか」
霜田「なるほど。たしかにJr.期間も短くデビューさせたり、途中で3人体制になったり、あえて苦しい経験を積まされていた感もありましたし。それによって色気が醸成されていたのかも」
菱山「未完成のJr.の状態でデビューさせたのも。色気の成熟過程を見せるためだったんでしょうね。Sexy Zoneって、つくづくよくできたグループ名だと思います」
■色気をセックスに還元しない人が成功する
霜田「今回の話を振り返ると、そもそも色気って性の経験値は関係ないし、色気があるからと言って性に直結することでもなさそうですよね」
菱山「そう思うと、青春時代に不遇な思いをしてきたオトナ童貞のほうが、いま色気がある可能性があるんじゃないですか?」
霜田「でも証明ができないですよね。色気がモテにつながるわけではないから、ヤリチンたちに勝ったぞ! と言えない」
小峰「最近気づいたのですが、世の中、実はヤらない方が勝ちなのではないでしょうか? というのも、僕も学生の頃友人から『おまえは本当に(女性に)手を出さなくてえらいよな』ってよく言われていたんです。ただ臆病で一歩踏み出せなかっただけなのに 周囲からの株が上がる現象です」
霜田「色気を持ったままヤらないこと が勝ちであり、その選択を続けることによってより色気が増す」
小峰「でも、色気によるメリットが無ければ、色気を持っている本人は楽しくない説もありますよね」
菱山「いや、色気がある人は恋愛以外で熱中している面があるから、モテないことについて悩まないのかも。そして恋愛以外のことに深く熱中すればするほどさらに色気が出る。まさに色気の永久機関ですよ」
霜田「色気は『また会いたい』『もっと知りたい』と相手に思わせる魅力だから、たとえ恋愛面で還元できなくても、仕事面でも絶対に持っておきたいですよね。色気を軽々しく1回のセックスに還元しない人が成功する、ということも今回の学びです!」