ー3カ月前、童貞を捨てた。思ったほど、世界は変わらなかったー
チェリーについて
世界を変えられなかったすべての童貞達へ

童貞を捨てれば、世界は変わる。そう思っていました。

でも、童貞を捨てても意外に世界は変わりませんでした。
それどころか、残酷な世界の真実が、より鮮明に見えるようになってきてしまいました。

大人になった僕たちは気づいてしまうのです。やれてしまった瞬間よりも、やろうやろうとして、それでもやれなかった時間の方が尊い、ということに。
いつも思い出すのは、やれてしまったあの人よりも、やれなかったあのコの顔。そしてラブホのベッドの上でふと思います。

童貞の僕は、今の僕を見てどう思うんだろう?

一方で童貞時代を微塵も思い出さない男もいるようです。

だって、“サッカー部にいる”という理由だけでモテた奴がエスカレーター式の学校のようにエリート商社にいって、またもや、そこに所属しているということだけでモテて、合コンで「石油で世界動かしてる」とかワケわかんないこと言って、で、結婚したらヤリチンだった過去をなかったことのようにして、息子の写真とかFacebookにアップして「いいパパですね!」とかコメントもらってるのおかしくないすか?クリックするとだいたいかわいいプロフィール写真の一般職の女に!

そう、世の中には2種類の男がいます。
童貞であったことを“忘れる”人と、“忘れられない”人。

なぜ僕たちは“忘れられない”人になってしまったのでしょうか。
人は、簡単にうまくいったことは忘れてしまいます。
簡単にうまくいかなかったから、僕たちはそれを忘れないでいられるのです。
世間はそれを「引きずっている」と笑うかもしれません。でも、それは能力です。
“うまくいかなかったからこそ、忘れないでいられる”ということこそが、世界を変えるのに必要な能力なのです。

なぜでしょうか。

全てがうまくいった人たちには作れないもの。
それが文化だからです。

石油で世界を変えた気になれるのは人の心の機微に鈍感だからで、本当に世界を動かせるのは、人の心を動かせる文化からなんじゃないか、と思うんです。

そして、色んなことがうまくいかなかった僕たちには、人の心を動かす文化を創れる素養があるのです。

うまくいかなかった時代に、僕らの心の網目はどんどんと細かくなっていって、うまくいった人たちの、大きな心の網目には引っかからないものを、捉えられるようになりました。ありふれた言い方をすれば、人の痛みがわかる人間になってきたのです。
たくさんの感情が引っかかる分、生きづらいかもしれません。

でも、人の痛みがわかる分、人の心は動かせるはず。
チェリーボーイであるその時間が早く終われば大人になれる気がしていた僕たちですが、実は、チェリーな時間が、僕たちをオトナに育ててくれていたのです。
そして、もちろん、今でも僕たちの心のなかには、いつも小さなチェリーボーイが住んでいます。

そんな人たちを、僕らは“オトナ童貞”と名づけました。
いや、自称しました。
そして、そんなオトナ童貞たちが、世界を変えるための基地とすべく、このサイト“チェリー”を作りました。
世界を文化で変えられるのは、きっと僕たちオトナ童貞です。

だって、あんなに不可能に思えた、“童貞脱出という夢”を叶えられた僕たちです。
まだまだ、なんでもできるはず。

さあ、世界をひっくり返しにいきましょう。
おおいに童貞を引きずったまま、ね。

チェリー編集長 “オトナ童貞” 霜田明寛

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