ツイッターやインスタグラム、Vine(6秒動画)で出回っている動画を目にしたことはあるだろうか。目一杯変なラクガキをした自分の醜い顔と本来のカワイイ顔を比較させ、自分のカワイさを際立たせる。人を見た目で判断しないでね、と訴えかけるのが目的である。高校生を中心に流行っており、「SNSではまた変な動画が流行ってるんだなー」と遠目から感じたのが私の正直な感想だ。
カワイイ顔だけ vs ブサイクな顔からカワイイ顔へ
「SNSに投稿するときは盛れている写真オンリーでよろしくー」と、人に見られても恥ずかしくない写真だけを載せる現在の大学生。その一方で……。
「自分のカワイさを際立たせるためにはブサイクな自分をさらしても問題ない」
これが現在の高校生のSNSにおける考え方なのだ。同じ“若者”というくくりでも世代によって利用の仕方が違うのが現状だ。
dontjudgechallengeの挑戦者はみんな本当に“カワイク”変身するのか問題
dontjudgechallengeが出回る発端となったのは読者モデルがやりはじめたことである。はじめは、男性モデルが中心となってやっていたが、のちに女性モデルの間にも浸透。最終的にはそのモデルを応援するファンもSNSにアップするようになった。
その動画を見ているこちら側の人間からすると「何この子、ラクガキしている顔ひどすぎるww。でもきっとラクガキしてない顔は可愛いんだろうなー」と想像しながら見ている。そして、多くの場合、「あ、やっぱかわいい」という結果に至る。しかし、変身後「え……。」と反応に困ってしまう子も中にはまぎれているのも一つの事実である。それはその子が特別ブサイクだからというわけではなく、視聴者の挑戦者に対するハードルが上がっているからである。ゆえに、挑戦するにはかなりの覚悟が必要である。
「暇だから」「流行に乗りたいから」
実際に挑戦してみた人の声を聞いているとこのような言葉が返ってきた。
「ちょっと時間があって暇だったからやってみようかなって思ったんだよねー(21歳・女子大生)」
「流行に乗りたいって思ったからかな(20歳・女子大生)」
暇と言えど、ラクガキをする手間がかかりそうに感じるが、やっている側からするとそれも含めて楽しいことなのだとか。たしかに、「視聴者を驚かしてやろう!」という気持ちでやればより醜いラクガキが完成し、本来の自分とのギャップを見せられるのかもしれない。
カワイイ顔だけをSNSにアップする世代から、変身した姿を堂々とアップする世代へ
常に流行を追う若者。同じ時代を生きていると思っていても実は変化が生じているのだ。現在大学生である私は、自分からSNSに醜い姿をアップしようだなんて考えられない。Facebookに盛れていない写真をタグ付けされた時には、いち早くタグを外しにかかるほどである。
次世代は“ブサアップ”が流行る!?
SNSが生活の中心となっている若者世代において、SNS上での出会いが増えている。SNSに盛れている自分を載せて現実世界で会ったときに落胆、というケースが一部問題に。この問題を避けるため、はじめから自分たちのハードルを下げておくという時代が来るのではないだろうか。よって、次の世代は積極的にブサイクな自分をアップすることではないかと私は予想する。
(文:石川佳奈)