“本気で内定を目指す、就活アイドル”をコンセプトにした新感覚社会派アイドル「キチョハナカンシャ」。デビュー前から、その前代未聞のコンセプトがネット上で賛否両論を巻き起こした。そんな中、「美人」の「就活生」がいると聞いたらこの男が黙っていなかった!
2009年に『パンチラ見せれば通るわよっ! テレビ局就活の極意』でデビュー、この9月には日経BP社から 『面接で泣いていた落ちこぼれ就活生が半年でテレビの女子アナに内定した理由』を出版した、就活アドバイザーで当「ソーシャルトレンドニュース」編集長の霜田明寛だ。大学などでの就活アドバイスには定評のある彼だが、アイドルの内定のため、一体どんなアドバイスをくり出すのだろうか!?
「アイドルにもなりたいけど、就職もしたい」いきなり本音がチラリ
霜田「“就活アイドル”ってことなんだけど、みんなはどんなところに就職したいの?」
あみ「絵を描くのが好きで、小さい頃からマンガ家になりたかったんですけど、今はWebデザイナーになりたいです」
さや「わたしは大学に入ってからアナウンサーになりたくなって、今アナウンススクールに通っています」
まりか「わたしは昔からCA(客室乗務員)になりたかったんですけど、以前は身長160cm以上という条件があって……。わたしは背が低いので諦めかけてたんですけど、最近その条件が無くなったので、またCAを目指すようになりました」
ともえ「業種はまだ決まってません。でも、アイドル活動を始めてネットの拡散力というのを身を持って体験したことからIT業界に興味を持つようになりました」
ゆり「中3からずっとAKB48さんが好きで、そのうちわたしもアイドルになりたいと思うようになりました。でも、アイドルにもなりたいけど、就職もしたかったので、今は広告業界で働きたいと思っています」
「月25万円支給されるなら何したい?」で、意外に大きな野望が丸裸に!?
霜田「そもそも“就活アイドル”って期間限定で、内定したら卒業なわけでしょ? もしその時にキチョハナカンシャの勢いが伸びてたとしても卒業しちゃうの?」
あみ「そうなったら、(山口)百恵ちゃん的な卒業ですね! あれ? みんな違うの?」
まりか「わたしは“元就活アイドル”という肩書きを使って、次にいきたい」
あみ「たしかに! わたしも“元アイドルがプロデュースするアイドル”をつくりたい!」
霜田「おおっ、結構みんな先を見てるんだね。じゃあもし、月に25万円ずつ支給されて、何でもしてもいいよって言われたら、どんなことをして生活したい?」
あみ「まずは自宅にスタジオを作って、好きなドラムを叩けるようにしたいです。あとは、ひたすら家にこもって、漫画を描いたり、アイドルのプロデュースをしたりして、最終的には大物プロデューサーになりたい」
霜田「野望がデカくていいね……!」
就活アドバイザー霜田明寛が「キチョハナカンシャ」にガチ就活アドバイス!
霜田「僕は最近出版した就活本に『人と違ったことをしていると武器になるよ』って書いたんですけど、“アイドル”であり“就活生”である人ってかなり人と違うよね」
霜田「実際の就活では、このアイドル活動のことを言うつもりなの?」
あみ「業界による……」
霜田「頭がいいコですね(笑)。さすがです。同じ話でもウケる業界とウケない業界があるからね! そしたら自己PR出来ること他にある? アイドルであることを封じた場合に」
あみ「そう考えると何だろう……」
さや「はい! わたし、経済学科なので、勉強したことを実際にやってみたいなと思って友達と小さい会社をやっています」
霜田「すごいね!でもそれはアナウンサー試験のときには隠した方がいいやつかも。僕も実は起業しているということをアナウンサー試験のときに言ったことがあるんだけど、その時は『じゃあ、そっちで生きていきなよ』みたいな感じになっちゃったんだよね。会社によっては『そのままウチでやりなよ』ってなることもあるから、やっぱりこれも業界によるね」
まりか「わたしはインターンのときに任された仕事が膨大な件数あって、なかなか終わらないから他のインターンの子もモチベーションが下がってたんですけど、進捗率を出すような仕組みにしたら、作業効率が上がったという経験があるので、問題解決能力はあると思います」
霜田「なるほど。それは“問題解決能力”まで言わない方がいいかもね。そのエピソードを聞いて、違うことを思う人もいるかもしれないから」
全員「あー」
霜田「例えばアイドル活動を頑張っているエピソードを話したときに“そうやって地道に努力する人なんだ”と思う人もいれば“そんな新しい世界に飛び込もうとする勇気があるんだ”って思う人もいるわけで」
あみ「“自己顕示欲の強い女だな”って思われることもありますよね」
霜田「それはあえて言っちゃうのもアリかもしれない!『アイドルやってました!』って言ったときに“こいつ自己顕示欲強いな”って思われる確率の方が高いじゃん」
まりか「高いです!」
霜田「そのときに『すいません、自己顕示欲が高くて』って先に言って、つぶしちゃった方がいい時もあるよね。自分のことを客観的に分かってる感じもするし」
全員「わーなるほどー!すごい!」(拍手)
――ところで今現在、就活でしていることはありますか?
ともえ「最近はOB訪問をして、いろいろな企業の方のお話を聞きに行ってます」
霜田「就活アイドルをやってることでOB訪問とかしやすくなるかもね。大人の側からも、会って話を聞いてみたいって思うネタがあるってことだからね。OB訪問に行くときは大人が面白がる話を持っていくと喜ばれるんだよね。そういう意味ではアイドルをやってるというのはすごくいいね」
――他に就活で始めていることがあるという人はいますか?
ゆり「私はまだSPIの本とか、就活のハウツー本とかをいろいろ買って読みだした段階です」
霜田「じゃあぜひこれ(『面接で泣いていた落ちこぼれ就活生が半年でテレビの女子アナに内定した理由』)を含め、今まで出版した3冊も買って、読んで下さい!(笑)」
さや「わたし、霜田さんの本を色んな本屋さんを回って探してたんですよー!せっかくなんでamazonで3冊とも買って読みます!あと、『半径5メートルの野望』も!」
霜田「この、相手に合わせるスキルが高いのはいいですね(笑)。僕がはあちゅうさんと仲がいいってことを知って、『半径5メートルの野望』の話を出してきたってことだもんね。特にアナウンサー試験だと面接官を担当するだろうアナウンサーもだいたい予想がつくと思うので、その周りの人のことも調べておくと面接官も喜ぶし、話がはずむと思います」
“アイドル”であり、“就活生”でもある彼女たちだが、どちらもまだスタート地点に立ったばかり。しかし、「アイドルになる」「内定する」ことをゴールとしてしまう人も多い昨今で、「就活やアイドル活動を経て何かをしたい」と考える彼女たちの野心はなかなか真似のできないものだろう。
「まあでも僕はアイドルも就活も目指して両方とも上手くいかなかったから! 気をつけて!」と笑う霜田明寛が、彼女たちの初取材の相手となったのは、何かの必然だったのかもしれない。
(文:たなかもみこ)
キチョハナカンシャ
“本気で内定を目指す、就活アイドル”をコンセプトに、 就職活動をしながらアイドルとしてのLIVE活動等にも励んでいく、新感覚社会派アイドル。 メンバーは全員就職活動中の女子大学生。就職活動の様子を赤裸々に発信していくことで、就職活動の透明化を目指す。 グループ名は、就活生が企業説明会などの後に使う決まり文句「貴重なお話ありがとうございました!」の略。 没個性化、マニュアル化する新卒一括採用に対するアンチテーゼと、その中で葛藤しながらも必死に活動するメンバーの意気込みを意味する。
〈第1弾楽曲〉『すすめっ!就活ガール』