「だってアイドルが大好きだから!」と、ニコニコしながら女子大生たちは語る。
女子大生アイドルすなわち『ユニバーシティアイドル』の大学対抗日本一決定戦イベント、『UNIDOL(ユニドル)』をご存じだろうか。
2012年9月に始まり今回第4回目の開催を迎えるこのイベントでは、ごくごく普通の女子大生たちが手作りの衣装をまとい、ステージ上でアイドルのコピーダンスを披露し競い合う。当日券は毎回開演前に完売してしまうという、知る人ぞ知る人気イベントだ。そんなUNIDOLが、5月末に原宿表参道の地下をアツく揺らした。
今年の予選会場は原宿アストロホール。記念すべきUNIDOL第1回が開催された場所らしく、それゆえか開会前だというのに会場内は異様な熱気に包まれていた。
会場に入ってまず目に飛び込んでくるのは、色とりどりのサイリウム!観客の多くがサイリウムやタオル、うちわなどの応援グッズを片手に、女子大生たちが出てくるのを今か今かと待っている。男性客が多いかと思いきや、なんと半数は女性客。しかも10代後半~20代前半の若者がほとんどだ。
女の子にUNIDOLに来た理由を尋ねると、なんと大多数が「友達が出るから」との答え。
「いつもは目立つタイプじゃないけどステージの上だと全然違う、ホンモノのアイドルみたい」「頑張って練習してたから、見に来なきゃと思って」などなど、友達の“勝負の舞台”を応援しに来たという女子が多いようだった。
各大学でサークルや同好会としてアイドルのコピーダンスを練習している女子大生アイドル。彼女たちにとってUNIDOLはまさに甲子園、憧れの決戦の舞台なのだ。このイベントのために、陰ながらの努力を重ね、頑張ってきた女子大生たち。結果発表で惜しくも優勝に届かなかったとき、ぽろぽろとこぼれる涙がその想いの強さを物語っている。
「絶対この大学に入ったら女子大生アイドルのサークルに入るって決めてたんです!」と語ったのは、武蔵大学『Lolipop』のメンバー。『Lolipop』は過去に優勝経験のある老舗チーム。「純粋にアイドルが大好きで、小さいときからモーニング娘。のファンでした!精一杯頑張るので、是非見てほしい!」と元気いっぱいにアピールした。
「アイドルもダンスも大好きだからサークルに入りました!優勝して、無駄な努力なんてないって証明したい!」上智大学の『SPH mellmuse』は国際派ユニドルとしての個性もウリ。「大学とか、普段はあまり自己主張しないタイプです」とメンバーは語るが、ステージに上がると一変。歌詞にあわせて表情や目線まで変え、その振る舞いは“ホンモノ”顔負けだ。
全てのユニドルに共通しているのが、「アイドル大好き!」「踊るの大好き!」だということ。ステージ上で何曲も続けて、しかも完璧に踊るというのは見た目以上にハードだが、“アイドル愛”が彼女たちを支えている。
決して「アイドルになりたい!!」という気持ちではなく、「大好き!」という気持ちから活動しているという様子だ。
「大好きなアイドルのダンスを、かわいい衣装を着て、ステージで披露できるって本当に楽しいし、幸せな時間です!」
「楽しい!って思いながらパフォーマンスしているので、それが見ている人に伝わってくれたら嬉しい」
「こういう活動してたら、大好きなアイドルとの距離もぐっと近くなる気がして頑張ってます!」
「本当は私も観客フロアに行って一緒にヲタりたい(笑)もし自分だったらこの曲なら最高に盛り上がるなって想像しながらセトリを考えています」
そしてもちろん、観客側も“愛”がモチベーションになっているようだ。
「学祭で見て、お~すげ~上手いって思ったのが応援するきっかけになりました。僕もアイドル好きなんですけど、UNIDOLでは色んなアイドルの曲をやるでしょ、だからどのアイドルのファンとか関係なく全員が盛り上がるんですよ」
「セトリが良いんですよ、わかってるな~って感じの。どの子が好き、とかじゃないんですけど楽しんで頑張ってるし応援したくなりますよ」
自分たちと同じアイドルファン。だけど、アイドル。その微妙な距離感もユニドルだけの特別な魅力なのかもしれない。
今回のイベントはあくまで予選で、決勝戦は7月9日に開催予定だそう。しかも会場は、モーニング娘。やAKB48をはじめとする歴代アイドルがイベントを行ってきた聖地、『品川ステラボール』。
女子大生アイドルたちのパフォーマンスに合わせて、息ぴったりに合いの手をいれる観客。まるで通じ合っているかのような不思議な一体感は、おなじ“アイドル愛”を持つ者があつまるUNIDOLでしか見られない光景だ。
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