“永遠のオトナ童貞のための文化系マガジン・チェリー”は、今後、自分たちのミューズになってくれそうな、アイドルを定点チェック中。このたび、チェリーが注目したのは、現役女子高生アイドル・加藤凪海ちゃん。1998年生まれの彼女は高校2年生だった2015年の夏、多くのアーティストやタレントを擁するソニー・ミュージックが初めて開催したグラビアオーディション『夏色ヒロイン』でグランプリに輝いた逸材だ。
普通の女子高生だった彼女に訪れた、人生がガラッと変わる瞬間の景色とはどんなものだったのか。そして、受賞から1年弱が経った今、何を感じているのか。
現在も地元の名古屋から東京に新幹線で通って芸能活動をする彼女。初のDVDが発売されたタイミングで、話を聞いた。
やりたいものをひとつひとつ体験 工場も
――昨年オーディションを受けたのはどんな理由があったんですか?
「いろんなことに挑戦にして人生経験を増やしたほうが、いいかなと思っていたんです。もともと、やってみたいことはいっぱいあるほうなんです。だから、それを経験して、どれくらい辛いのかを実感した上で将来を考えなきゃいけないと思っていたんですよね。一番自分にあっているものが、職になればいいな、と。だからバイトも色々やっていました」
――どんなことをしてきたのですか?
「コンビニもやりましたし、鉄板焼きのお店で、色々と焼いたり……。あとは工場のライン作業もやっていましたよ」
――ええっ、こんな美少女がそんな工場の中でライン作業とは!
「マスクをして、帽子をかぶっていたので、ほぼ顔は見えない状況です。パンやケーキが流れてくるのに手を加える感じの作業なんですが、小さい頃から一度やってみたくて。コツコツ何かをするのは好きなんですよ」
――ちょっと、女子アナっぽい雰囲気もありますよね。
「憧れていた時期もありました。それもあって、学校の職業体験でテレビ局に行かせてもらったり……」
――頭の中に浮かんだやりたいことに色々と近づこうとしてきたんですね。
「オーディションもそのひとつなのですが、色々できることに挑戦してきたら、今ここにいられたという感じです」
これからが変わっていくことへの期待と不安
――そしてオーディションを受けるに至ります。選ばれた瞬間はどんな感じだったんですか?
「周りのコがすごいコたちばかりだったので、本当に選ばれると思ってなかったんです。最終結果発表のときも自分じゃないだろうと思って、気楽に座っていたので『ええっ!?』って本当に驚いた、という感じです」
――実感がなかったんですね。
「そのあと、雑誌の撮影があったりして、段々と『あ、私が選ばれたんだ……』って実感していく感じでしたね。平凡な生活をしていたので、ガラッと人生が変わった感じがして。
これから先、どんどんと変わっていくだろうことに、すごいドキドキとワクワクとがありました。もちろん楽しいって感情だけではなくて、進路とかどうしようっていう、ちょっとした不安もあるんですけどね」
涙が出てきた半年間・救ってもらえた家族会議
――そんな風に人生が変わった日から約半年。自分や自分の周りが変わったことはありましたか?
「まずは、ピーク時から10kgくらい落としました! 食べるのが大好きなんで、お菓子の誘惑も振り切って頑張りました。学校の先生たちと廊下ですれ違うときに『痩せた?』『なんか変わった?』なんて言われると、すごく嬉しいです」
――先生たちも反応するんですね。
「先生たちは優しくなりましたね……(笑)。先生だけじゃなくて、周りからの反応は少し変わったかもしれません」
――でもきっと、この時期に、周りと違った“特別な活動”をすることで、人間関係が大変だったりしたんじゃないですか?
「辛かったのは、クラスで行事のあとに、みんなでご飯食べに行くことになったときですね。次の日に撮影があると、やっぱりお腹を気にしてしまって……。食べれないのも辛いし、みんなにも申し訳ないし……」
――しかも、撮影があるから、って理由としてなかなか言いづらくないですか?
「そうですね……。仲のいいコには、本当の理由を伝えたんですけど、『ちょっと用事がああって』ってごまかしたりしました」
――それは辛いですね……。
「この半年間、家ではよく泣いていて、でもそのたびに、家族が家族会議を開いてくれて……。本当に支えになっていますね」
――やはりグランプリになってからが大変なのですね。逆に嬉しかったことはありましたか?
「中学校を卒業するとき、先生に『成長したら会いに来なさい』って言われていたんですよ。だから、この間自分が載った雑誌を持って、再会しに行ったんです。そしたら『成長し過ぎじゃない?』っ言われて(笑)。『強くなったね』って言葉をかけてもらえたのが、とても嬉しかったです」
ほぼ女子だらけの学校生活 理想の男性は?
――凪海ちゃんの素晴らしい人間性が見えてきたところで、男性関係もお伺いしたいのですが……。学校では多くの男子の視線を釘付けにしてるんじゃないですか?
「それが、女子だらけの学校なんです。9:1くらいの比率で女子が多くて、男子と接する機会はほとんどないんです」
――そんな比率なんですね!
「もう、まともな会話は2年くらいしていないんじゃないですかね……。男子への免疫力が下がりすぎていて、『ありがとう』って言われただけでドキッとしちゃいます(笑)」
――ま、まあ、女子同士も楽しいですよね!
「ええ、女子ばっかりも楽しいです。でも、漫画みたいな青春をしたかった気持ちはありますね。学校に迎えに来てもらって一緒に帰ったりしたかったなあ……」
――では、理想の、こんな男性に迎えに来てもらえたら最高、というイメージはありますか?
「いっぱい喋りかけてくれる人が好きですね。そういう人とずっと喋っていたいです。体育会系のゴツゴツしたルックスの人よりも、年上でもかわいい系の男性にキュンとしちゃいますね」
非・体育会系であることは確実な、我々“文化系マガジン”チェリー。不思議と期待値が上がってしまう!
オーディションで大抜擢……という響きだけ聞くと、運が良かったようにも思えてしまうこともある。しかし、選ばれるコは、ちゃんと考えて生きてきたコなのだ、ということがわかるインタビューだった。まだまだ17歳の加藤凪海ちゃん。これからも考え続けて人生をおくっていくだろう彼女を応援していきたい。
(取材・文:霜田明寛)
■関連情報
◯ファーストDVD『凪』(発売元:イーネット・フロンティア)
◯現在、水着メーカー・AIRCLORS専属モデルとしても活躍中!