ー3カ月前、童貞を捨てた。思ったほど、世界は変わらなかったー
チェリーについて

なんとなくで「ミスキャン」になってしまった人たちの悩みに向き合ってみた

 

「それまでの人生の負をプラスに変えて、エッジをきかせて就活に挑む」

童貞時代を引きずりながら生きるという、当サイト・チェリーのコンセプトを、そのまま具現化したような指導をおこなう就活セミナー・就活エッジ。

大学生たちと本気で向き合い、戦略的な就活テクニックを指南し続け、2019年卒の学生はキー局2名、準キー局2名、出版社にレコード会社に通信社……と、若干20名のコミュニティとしては驚異の実績、5年間の活動期間で累計30人以上のアナウンサーと100人以上のマスコミ内定者を輩出してきた。
実は3冊の就活本を執筆してきたチェリー編集長・霜田。就活生の個性を消さずに、相手が求めるものに近づける方法を伝授して、人気を博している。

今回はその番外編としてミスキャンパス限定のセミナーを開講した。その名も「君たちミスキャンはどう生きるか」

イベントにはミス青山学院大学をはじめ、ミス成蹊大学、ミス立教大学、ミス駒澤大学、ミス國學院大學の20名、さらには各大学のミスター10名のファイナリストたちに、コンテストを運営する広告研究会のメンバーなど、総勢40名が参加した。

ミス立教 エントリーNo.2 本田依里佳さん(2年)

「ただミスコンに出るだけじゃなくて、きちんと先のことを見据えてこの活動を充実させていかなきゃなと気づかされました」

ミス成蹊 エントリーNo.2 久保結さん(4年)

「アナウンススクールで言われてきた“人の心を動かす自己PR”の正解のカタチを今日やっと知ることができました。1年早く霜田さんと出会っていれば……!」

普段からいわゆる「普通の大学生」以上の経験をしているであろうミスキャンパスたちに、そこまでの衝撃を与えた就活セミナーの内容とは……!?

ミスキャンパスは、シークレットブーツ

多くの人は「ミスキャンパス」という肩書きそのものが就活において最大の武器になると考えているかもしれない。しかし霜田は、その肩書きはあくまでも“シークレットブーツ”に過ぎないと言い切る。どういうことだろうか?

霜田の主張は「ミスキャンパスだから内定をするのではなく、コンテストに出場することによって得られる機会が、彼女たちを成長させる」というもの。
普通の大学生だったミスキャンパスたちが、その称号により傍目からは、「ちょっとすごい大学生」に見られるようになる。それは、これまでのミスキャンパスたちが築き上げてきたブランドの力によるもの。そのいわば“上げ底”によって、ワンランク上の実力を持っているように見えるということ。

実力を持っているように見えるということは決して悪いことではない。
霜田は、「世の中は“実力のある人”ではなく、“実力のありそうな人”にチャンスが与えられる」という現実に触れる。就活は大学受験とは異なり、必ずしも時間をかけて努力した人から報われていく世界ではない。シークレットブーツの効力があることで、エントリーシートに証明写真ではなくプリクラを貼っても内定した人もいた、と実例をあげて解説。
そうした人は与えられたチャンスを乗り越えていくうちに本当の実力を身につけていくのだという。

だからこそ、ミスキャンパスたちには「こんな私にチャンスをくれるなんて……」と怯まずに、時間によってそのシークレットブーツが擦り減る前に存分に履きこなして跳んで欲しいと話す。

就活はいかに面接官の目を欺けるか 〈謙虚に「見せる」魔法の言葉〉

逆に、そのシークレットブーツが足枷となるときもある。ミスキャンパスは全般的にどうしても「自信満々」「高飛車」「嫌な女」という色眼鏡で見られやすい。だから彼女たちはそんな大人たちの先入観をとっていかなければならない。

例えば、「もしかしたら自分に自信があるように見えてしまうかもしれませんが……」と、最初からそういうイメージを持たれていることを前提として、自分から潰していくというテクニックがある。ここでは「自分から」というのがかなり重要。面接官にミスキャンパスの悪いイメージを指摘されてから「いやいや、そんなことはないんです」と返してしまうと、かえって言い訳がましく聞こえてしまうのだという。文字通り、先手必勝だ。

面接では「○○の子」という印象づけがカギを握る

後半は参加者と一緒に1分間の自己PRをつくるワークショップを行なった。

霜田は著書『面接で泣いていた落ちこぼれ就活生が半年でテレビの女子アナに内定した理由』でも記した通り、一見マイナスに見えるエピソードをプラスな自己PRとして表現し、多くの就活生を内定に導いてきた。
そこでミスキャンたちには「ミスキャンなのに○○」な意外性のあるエピソード等を書いてもらい、それを踏まえて、霜田が彼女たちの自己PRを即興で作っていくことに。

ここでは公式写真やSNSで見るイメージとはまた違った、彼女たちの新たな一面を垣間見ることができた。

ミス成蹊 エントリーNo.5 早坂奈都さん(3年)

早坂 ミス成蹊 エントリーNo.5 早坂奈都です。よろしくお願いします。

霜田 よろしくお願いします。紙にすごいこと書いてあったけど(笑)。

早坂 私、なんでミスコンに出ているのか分からないんです。

会場 (笑)。

霜田 ちょっと待って! みんなやる気満々で出ているのかなあって思ってたんですけど、どういうことですか?(笑)

早坂 受かると思ってなくてエントリーシートを出したらこうなってて……。

霜田 そんな感じでファイナリストとして2カ月活動してきて、どう?

早坂 割とストレスです……。いや、頑張ろうとは思ってるんですよ! でも心がすぐ折れちゃうんです。

霜田 逆に今すごい頑張ってることとかあるの?

早坂 航空業界に行きたくて、そのための勉強は頑張っています。

霜田 その差って何なんだろう?

早坂 たぶん興味の問題だと思います。

霜田 あー! いい言葉が出ましたねえ! これだけミスキャンがいる中で「ミスコンが苦行」っていうのは、新しいタイプですよね。それを「でも、この会社に受かるためなら頑張れたんです!」というところに繋げられたら、別に押しが強い子じゃなくてもその子の会社への意思の強さは残るんですよね。いいと思います! 早坂さんならではの視点で見たエピソードをどんどん貯めていってください!

と、早坂さんの“ミスコンに出てる理由がわからない”というそのままだとネガティブに受け取られてしまうかもしれない要素をプラスに変えてPR!
学生の話を聞いて、瞬時に自己PRに変える霜田の技術に、会場からは自然と拍手と「すげえ」というどよめきが起こった。

ミス青山学院 エントリーNo.6 ヴァッツ美良さん(2年)

ヴァッツ ミス青山学院 エントリーNo.6 ヴァッツ美良です。

霜田 ヴァッツさんは過去に芸能活動をしてたんだよね? どう見られることが多いですか?

ヴァッツ 私は「気が強そう」とか「プライドが高そう」、「性格が悪そう」と見られることが多いです。

霜田 あー、なるほど。でも本当は?

ヴァッツ 実際も気が強いし、プライドも高いと思います。

霜田 (笑)。じゃあそこは隠さずにいきましょう。どのくらい芸能活動してたんですか?

ヴァッツ 小学生のころにオーディションを受けて、中学生のときに2年間くらいE-girls(当時はまだ研究生のような立ち位置)として活動していました。

霜田 経歴としては最強じゃん! じゃあ人生で一番悲しかったときのことを聞かせてもらってもいい?

ヴァッツ 私、インドと日本のハーフなんです。だから小さい頃に周りの子から名前を馬鹿にされたり、インド人のカレーを手で食べるイメージから「お前、箸使えないんだろ?」とか「左手汚いんだろ?」って言われたりして……それが悲しかったですね。

霜田 うわぁ……。ご自身も認めるように、すごく気が強そうな印象はあったんですけど、話を聞いて、そういう経験からだんだんと強くなっていったんだろうなって思いました。だから面接のときにも面接官から「ハーフなの?」なんて簡単に聞かれてしまって答えるよりは、今の自分に影響を与えた出来事として自分から言っていったほうがいいと思います!

と、言いながら、“ヴァッツ美良が強くなれた理由”を幼少期の経験を出発点に“弱さスタート”にして自己PRを作っていく霜田。強さがいやらしい感じではなくなり、客席からはまたも歓声が。

その後もミス青学やミス國學院など数名のミスキャンに同じ要領でセッション。インタビューの要領で人生を聞き、本人になりきって自己PRを作り上げてしまう“業”を披露しては拍手をもらっていた。

「もっとこの先のことを考えるきっかけになった」

こうして大盛況のうちに終了した今回のイベントだったが、ミスキャンパスたちにはどう響いたのだろうか。感想を聞いてみた。

ミス成蹊 エントリーNo.1 登坂明子さん(2年)

「とても勉強になったのはもちろんなんですけど、こういう就活のテクニックを教えてくれるイベントはあまりなく、初めて参加したのですが、すごく楽しかったです! まだ就活のことは全然頭になかったんですけど、考え始めるいいきっかけになりました」

ミス立教 エントリーNo.1 大野真昂さん(2年)

「ワークショップで自分のこれまでの経験やコンプレックスを挙げようとしたときに、瞬間的にパッと思い出せなかったので、これからじっくり考えて、頭の中に貯めておこうと思いました」

ミス立教 エントリーNo.4 岡田いつ美さん(3年)

「自分が集団の中で浮いてしまった経験などは隠さなきゃいけないことだと思っていたが、それを『人と違ったこんな視点があるんです』というふうに言い換えられることにびっくりしました。また、霜田さんが自分でない誰かの自己PRを即興で作っているのを見て、真似することはできないけれど、せめて自分のことだけは1分間で全力でまとめられるように考えていきたいと思いました」

と、多くのミスキャンたちに、人生を考えるきっかけを与えたよう。Twitter上にも実は同席していたミスターたちからの感想が。

チェリーで様々な監督にインタビューし、映画というストーリーができるまでの過程を聞いてきた霜田。インタビュアーとしての技術に気を取られていたものの、今回も講座を見て、むしろあの時間で、就活生の話を一瞬にしてストーリーに変える力を蓄えていたのでは、と思うほどの、インパクトだった。今後はそんな観点でもチェリーの記事をお楽しみいただければ幸いです!

(文:たなかもみこ)

【ミスターも最高】
そして、このイベント終了後、懇親会にて、
霜田が面白いミスターに声がけ。
4人のミスターと霜田による、トーク動画を収録しました。
こちらも合わせてご覧ください!

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