チェリー誕生から5年。編集部平均年齢26歳で始めたこのサイトも、気づけばアラサーたちが運営するものに……。
「童貞をひきずっている」というコンセプトで始め、その志は変わらないし、相変わらずひきずり続けてはいるものの、編集長の霜田に至っては35歳。このままアラフォーを迎えてはマズいのでは。「オトナ童貞」が「大人」になるための儀式、それはもしかして今まで考えることすら避け続けてきた「結婚」なのでは……!?
そう考えた霜田と創設メンバーの小峰は、チェリー編集部内唯一の女性であり既婚者、2人の子供の母でもある菱山に教えを請うことにした。
そしてこの連載もまだ始まったばかりにも関わらず、ついに前回、霜田が結婚! しかし新婚であっても「オトナ童貞」としての悩みは尽きないのであった……。
(※この企画は「恋愛事情」に同時掲載しています)
■霜田は今後、既婚者として女性とどう接するべきか
霜田「結婚してから、妻以外の女性との接し方がわからなくなってしまいました。というのも僕は元々、男女共に下心なく褒める性格なんです。でも既婚者となった今、女性に対して『キレイですね』と言うのとか、マイナスなことしかないのでは……? なんて思うんですよ」
小峰「たしかに『既婚者としてあるべき姿』のイメージコントロールが難しいですね」
霜田「そもそもリスペクトであっても容姿を褒めること自体がもう良くないのでは? とも思えますし、既婚者であるが故に『何言ってんのコイツ?』と蔑まされそうな気もしていて」
菱山「おっしゃる通り、時代的にも立場的にも容姿ホメは辞めるに越したことはないですよね。それに既婚者が好きな女性もいるので、そういった方に変に下心を持たせてしまう危険もあります。今後『結婚しているステータス』込みで、霜田さんが好きという方も現れるかと」
霜田「そんな未知のモテ方が、これから待っているんですか!?」
■結婚してからの方がモテる説!?
菱山「男性の場合『結婚を決めた』という器がプラスに働きますからね。どんな方であっても、結婚しているというだけで『誰かがこの人を愛した』という保証が付いていることにもなりますし。イメージ的に結婚するだけの財力があるって思えるので、既婚者の方が魅力的に見える場面はあると思います」
霜田「でも既婚者と真剣交際は修羅の道じゃないですか? ただセックスをするだけの相手にも器や財力を求めるものなんですか?」
菱山「だって変なラブホとか連れていかれたくないし、美味しいご飯食べたいし。真剣交際だったら赤提灯でビール飲んでワンルームでセックスも風情ありますけど、単なるセックス相手こそ素敵なデートをしたいと思いますよ」
霜田「じゃあ女性は? 菱山さんも結婚してからモテたと感じた経験はありますか?」
菱山「モテたというか、セックス狙いでくる男は特段減らない、むしろ増えたかもしれません。もし本当にそこでセックスしたら、私が既婚者故に莫大なリスクを抱ますよね。だから既婚者だったらセックスしても口が堅いという意味で誘いやすいんだと思います。既婚者であっても仕事、SNS、昼間のナンパなど……出会いはありますからね」
小峰「正直言って、男女ともに既婚者、楽しそうだなぁおい! と思ってしまいました(笑)」
菱山「いや、既婚者に手を出そうとする人なんて、所詮相手の幸せを壊しにきている人なので、ヤバイ奴なのは明白なんですよ!」
■要注意な「既婚者クラッシャー」とは?
霜田「『既婚者好き』の特徴ってあるんですか? 注意したいので教えてください!」
菱山「やたら距離感近い人ですね。例えば仕事関係の飲み会でも、普通既婚者相手だったら変な雰囲気にならないようにお互い自制するじゃないですか。そういう空気を読まない人。そして『自分はドライな関係で大丈夫で面倒くさくない』オーラを出す」
霜田「いそうだ……。具体的にどうやって距離感詰めてきます?」
菱山「パートナーの話をめちゃめちゃ聞いてきますね。そしたらこちらの気も緩むじゃないですか。一見理解あるように見えて、最終的に『こんなに素敵な霜田さんに愛される奥さんって幸せだな』を言いたい。結局すべての話を『霜田さんカッコイイ』に集約しちゃう」
小峰「霜田さん! そういう女性に遭遇したときは、理性を保つために一旦トイレで抜いてください!」
霜田「人の幸せを壊したい、そういった『既婚者クラッシャー』って一体何がしたいんですか!?」
菱山「承認欲求を満たしたいんでしょうね。パートナーがいる人も落とせる魅力があって理解がある自分に気持ち良くなっているんですよ。『そういう経験もできちゃう、みんなとは違う自分』でいることにイってる」
霜田「でも『理解ある』分、一回セックスしたら後腐れなく別れられそうですね!」
菱山「そんなことないですよ! 承認欲求出発の性欲なので、『フラれた』事実をなんとしてでも作りたくない。意外と必死にすがります! 結局相手のパートナーと比べて愛されたい、相対評価でしか自分を測れない人なんですよ」
■「既婚者クラッシャー」を、オトナ童貞が救えば世界平和
霜田「一般的ないわゆる『メンヘラ』と呼ばれる方とも少し毛色が違いますね」
小峰「そういう自他ともに破滅型の女性こそ、オトナ童貞が救えないものですかね?」
菱山「そこは前回話題に上がった、アルコ&ピース平子さん提唱の『この人はどっかいっちゃう、他の女がいるかもと思わせる』男になって、追わせてあげればいいと思います! そうすれば手に入らなそうな男を手に入れた優越感を彼女たちに与えられる」
小峰「でも、映画『モテキ』では、森山未来が“麻生久美子とヤッったこと”を本命の長澤まさみに報告したら、めっちゃ怒られたじゃないですか。それって、「どっか行っちゃいそうな男」を演出して失敗してません?」
(※自分の気持ちを翻弄する長澤まさみの行動にカッとなった森山未來は「俺、るみ子(麻生久美子)とやったよ」と告げる。すると長澤まさみがその場を去ってしまうシーンがある。)
菱山「どっか行っちゃいそうと、実際に行っちゃうのは別ですから!」
小峰「かといって『やりそうだったぜ!』アピールはダサい……。塩梅が難しいな」
菱山「そもそも、他の女の影を懇切丁寧に報告してくる時点で、どこにも行かなそうですよね(笑)」
霜田「じゃあ『男の色気』を演出する正解はなんなんだ……?」
菱山「周りの友だちから『麻生久美子って森山未來のこと好きらしいよ~』って噂が聞こえるくらいがちょうどいいんじゃないですか? 『モテキ』の作品としての背景や意図はガン無視ですが!」
霜田「そこは既婚者側が噂を流す役回りをしましょう! 『小峰って○○のこと好きらしい』という噂を流し、女性側をたきつけ、小峰君を獲物としてもらう。結果的に小峰君とその女性が結ばれれば、既婚者クラッシャーの承認欲求も満たしつつ、オトナ童貞もセックスで人を救い、自己肯定される。既婚者は余計なトラブルにも巻き込まれない……世界平和の第一歩かもしれません!」
ROAD⑤ 「私は理解ある」風を装い、実は承認欲求を満たそうとする“既婚者クラッシャー”に気をつけよう。
(構成:菱山恵巳子)