ー3カ月前、童貞を捨てた。思ったほど、世界は変わらなかったー
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それでも私がミス東大に出る理由「“かわいくならない自由”も必要」

2020年頃から、批判する声も多くなり、開催を取り止める大学も見られようになっているミスキャンパスコンテスト。だが、その流れの後に大学に入学し、コンテストに出場する彼女たちは、そのような価値観も踏まえた上で、それでも出場する覚悟を持っているはず――。
ということで、文化系WEBマガジン・チェリーでは今年、ミスキャンパスコンテストに出場する女子大生にインタビューをすることに。
登場してもらったのはミス東大コンテスト2024のファイナリストで、11月の本選に向けて奮闘中の石垣心さん(21歳・工学部3年生)だ。8月から9月にかけて行われた動画配信アプリ・ミクチャの配信では今年のミス東大ファイナリストの中で1位になるなど、ファンも急増中だ。
思春期からアイドルに憧れる一方、浜崎あゆみの歌詞に自身の心を投影してきたという石垣さん。ミス東大に出場した理由を聞くと、将来から逆算したような、とても論理的な理由を語ってくれた――。

“かわいくしていないとナメられる”世界の中で証明が必要

ルッキズムとか外見主義とか言われている昨今ですけど、私の実感でいうと“かわいくしてないとナメられる”世の中だなと思うんです。もっと言うと、“かわいくしてないと批判される”世の中のような気がして、ちょっと怖いんですよね。
そのナメてくる感じは、異性からではなく、同性から特に感じます。だから私は、寝坊しても大学にすっぴんでは行けないんです。たまたま周りの人が容姿について言及するのを目の当たりにすることが多く、それが生きづらいと強く感じていました。でも、自分がかわいくできるんだということを、1回でも証明できれば、後がラクになるんじゃないかと思ったんです。
たとえば将来、私が大人になって、オフィスで普通に眼鏡で髪の毛を縛って「美に興味ないです」みたいな雰囲気で働いているとするじゃないですか。そうすると、巻き髪でかわいくしている女性に批判されたりするかもしれない。でも、そんなときに私の名前を誰かが検索して「あ、あの子ミス東大だったんだ。かわいくしてた時期もあったんだ」って思ってもらえたら、多少は息苦しさもなくなるかなと思って。というか、そもそもそういう風潮がある現状をなくしていきたいです。

「かわいくありたい」も「かわいさに興味ナシ」も認められるべき

ミスキャンパスコンテスト自体に関しては、私自身、かわいい女の子が好きて、ずっとコンテストも見てきたので、かわいい子を選出して見せてくれてありがたいなと思っています。だから、私は“アイドルオタクの女の子がアイドルのオーディションに応募する”みたいな感じでミスキャンパスコンテストに出ています。
例えば物理オリンピックってありますよね。物理が好きな人が物理の大会に出るのは当たり前じゃないですか。別に物理が好きじゃない人は出なきゃいいし、出ても出なくても批判はされません。ただ、かわいくありたいと思う人がミスキャンパスコンテストに出ると批判される。逆に、かわいくなることに興味がない人が、そのことで批判されたり、ナメられたりするのもおかしな話だなと思います。
もちろん、私自身にもかわいくなって認めてもらいたという思いはあります。実は私は成長が早くて、今の身長・体重は小4・5の頃からほとんど変わっていないんです。その頃はデカい、とかニキビがどうとか容姿に関して色々と言われてきたので、周りからの容姿の評価をより気にするようになったのかもしれません。

夢を夢のままで終わらせないためにミスコンに出る

私、効率厨すぎて……。色々な面で効率をとても重視してしまうんですが、芸能の道は、生半可な気持ちではやっていけないし、効率とか言ってられない世界だと思うんですよね。でも、アイドルは好きだし、アイドルに憧れる思いももちろんあります。ただ将来、このまま大学を卒業して、普通に働いたとしたら、頭ではわかっていても、オフィスでふと「アイドルになりたかったなぁ……」と思う日が来てしまうような気がするんです。そんなときに、今のミスコン経験を思い出して「人前に出るのも大変だったよな」と思えるかもしれない。だから、人生のこの地点でまずは夢を夢のままで終わらせない・未練をなくしておくという思いが、出場の動機として強いです。人前に立つとはどういうことなのか。何事も1回やってみないとわからないですし。
今はミスコンを本気で頑張る時期。勉強を本気で頑張る時期もあるし、これから仕事を本気で頑張る時期もあると思います。でも全部、やるからにはきちんと成果を残したいです。

(取材・構成:霜田明寛)

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