ー3カ月前、童貞を捨てた。思ったほど、世界は変わらなかったー
チェリーについて

ミスiDと吉祥寺文化系デート【TOKYO1万円以下お持ち帰りデート】

美女と仲良くしたい。だが金はない。なぜなら映画と本に費やしてしまっているからだ!そんな文化系オトナ童貞たちのために、“プレゼント込・1万円以下のデート”を考案する新企画。『TOKYO1万円以下お持ち帰りデート』。チェリーのオトナ童貞なライターたちが、毎回美女とデートをし、美女にプレゼントをお持ち帰りしてもらいます。

あわよくばこちらは美女をお持ち帰りすることを目指して……。

最後にそのデートでOKかどうかを◯・✕の札で判定してもらうガチ企画です!
第3回目はチェリーのライター小峰克彦がトライ!

第1回目はこちら(編集長霜田VSミス國學院)
第2回目はこちら(イラストレーター・ヨシムラヒロムVS.ミス横浜市立大学)


会社員は卒業しましたが、オトナ童貞は卒業できないライターの小峰です。最近、好きな子に「通り魔になりそうな顔」と言われました。

7月某日午前11時。僕は吉祥寺駅の駅ビル・アトレ内にある「はなびの広場」で具合が悪くなっています。

今年、住みたい街No.1に返り咲いたオシャレタウン・吉祥寺は、成蹊高校&大学出身の自分にとって暗黒青春時代を過ごした場所。
そして 「はなびの広場」は、地元民にとって、待ち合わせ場所としてメジャーなスペースなのです。

ああ……「今まで遅刻したことない」が口癖の女の子とデートの待ち合わせをしたら3時間遅刻された高校時代や、
「見た目はアジカンのヴォーカルがタイプ」と言ってた好きな子が小栗旬似の先輩とデートしてる瞬間を目撃してしまった大学時代が蘇る……。
そんなデートに無縁な青春を送ってきたものの、リア充への憧れから、人一倍ポパイや吉祥寺本を読み込み“吉祥寺オシャレデート”の妄想は日々おこなってきた!
無駄にシュミレーションしていたあの時間は、きっとこの日のためなんだ!
しかし「お昼ご飯の後に井の頭公園に行く」プランを考えたのに外は雨が降って来てる……今日も失敗する気がする……途中で帰られたらどうしよう……。

原因不明の手の痺れと腹痛を覚え、いよいよ帰ろうとしていたその瞬間!

「あ、小峰さん!……誰と話してるんですか!?」

やばい! 心の声が外に漏れてた……!
顔を上げると本日のデート企画に乗ってくれた女優の洪潤梨(ホン・ユニ)さんが!
彼女はドラマ『監獄学園-プリズンスクール-』などを手がける井口昇監督の『キネマ純情』で主演し、ミスiD2017では東佳苗賞を受賞した業界注目の映画女優なのだ。

普段、僕は映画監督の方や役者さんへのインタビューをしたり、映画の現場でメイキング撮影をしたりする関係で、映画業界の飲み会に参加する。
そこでユンさんと知り合いになったのだ。
大人数で会うときはどうにか話せるけれど、一人でこの可愛さを受け止めることができるのか……!

地蔵になった小峰をみて爆笑するユンさん。
「あ、よ、よろしくお願いします! 今日も白くて素敵ですね」とガチガチで意味不明な挨拶をしてしまう。
すると「あ! 小峰さんも、andymoriのTシャツかわいいですね!」と優しく返してくれる。
そうだ! ユンさんはくるりをはじめ、邦楽バンドが好きだった(Twitter調べ)。

共通の趣味とユンさんの優しさに、少しずつ言語を取り戻してきた。
とりあえず、予約をしていたタイ料理屋さん「ランサーン」へ向かう。


ランサーン
JR中央線吉祥寺駅北口から5分
[月~金] 11:30~14:00 17:00~23:00 [土] 17:00~23:00
ランチ営業、夜10時以降入店可、日曜営業

都内でも比較的タイ料理店が多い街・吉祥寺。

その中でもラオス出身の店主が経営しているランサーンは味にうるさい地元民もよく通う名店なのだ。
ランチ時のメニューも豊富な上に、日本語メニューとタイ語メニューの2種類表記が親切。
学生が少なくゆったりとした時間が流れている。

小峰はグリーンカレー、ユンさんはランサーンランチ(日替わりランチ)を注文。

サラダやアイスコーヒーなどの飲み物はバイキング式だ。
早速サラダを選んでいると、ユンさんが「ナンプラーって美味しいけど、犬の餌の匂いがしますよね(笑)」とセンス抜群の発言。

主食を終え、デザートのタピオカを食べていると……。

「文化祭でタピオカミルクティーを出した時に、乾いたタピオカを水で戻す係になったんです。『タピオカって可愛い!』と軽い気持ちで引き受けたのに、カエルの卵が大量発生みたくなってしまって……」

食事中にこんな話をするなんて……可愛いのに変な人だ!
なんだか嬉しくなる。こちらもついついこじらせトークにはしってしまう。

小峰「ここのお店の味が大好きなのに、ラブホが多すぎて近寄れないんですよね。同級生のリア充たちが何度も中に入って行くのを見たので……」

こちらのランサーンはヨドバシカメラ裏のラブホテルが多い地域に区分されている。
犬童一心監督の『グーグーだって猫である』で上野樹里演じるナオミの彼氏・マモル(林直次郎) の浮気が発覚するラブホテルもこのお店の近くだ。

ユンさん「私も青春時代は恥ずかしい思い出ばかりです。昔は自分は人と違う!と思って高一くらいまで蛍光グリーンの靴下履いてて、パッツンロングで……漫画の女キャラみたいな見た目でした」

おおー! この人、思春期を過ぎてからデビューしたタイプの美人だ!

ユンさん「小峰さんはどんな服を着てましたか?」
小峰「大学時代は民族雑貨にハマっており、色んな国の服を着ていました。そのせいでキャンパス内で自分が知らない学生からも『カラフルなホームレス』と呼ばれていました」

ユンさん「それはやばいですね!(笑) 言葉と同じで、服はナシだった人がアリになったりしますからね……。そうだ!小峰さん、この後、服を見にいきましょうよ!」

服ってそんなに重要なのか……!
今日のコーディネートもヤバかったのかな……と思いつつ、次に向かったのは古着屋さん「FLAMINGO」。

FLAMINGO 吉祥寺店
平日12:00~21:00 土日祝11:00~21:00

FLAMINGOは原宿、下北沢にもある人気店だ。無論、女子と行くのは初めてである。

タイ料理屋でユンさんが黒歴史を話してくれたおかげで、少し精神的余裕が出てきたので、調子にのって「今からお互いに似合いそうな服を6000円以内で選びませんか?」と提案してみた。
ちなみに6000円というのは、このあとのデートプランにかかるお金を必死に計算し、1万円からひいて算出した。


(積極的な提案をしているが、目は合わせられない)

「え、それ楽しそう!デートっぽい!」と乗ってくれた!
早速メンズ服を探し始めるユンさん。

見てください! 明らかに彼氏のために服を選んでいる雰囲気!
店員さんもこんな美女がブサイクのために服を選んでるとは思わないはずだ。

一方は完全に変質者である。

平日の昼下がりから、女性用のワンピースを物色する男……。
FLAMINGOへ来るお客さん、普段はこんな男のいない安全なお店なので、ご安心ください。

「ユンさんが宮崎あおいさんが好き」という事前情報を得ていた(Twitter調べ)自分は「宮崎あおいが着そうだけど、ユンさんが普段着なそうな服」というハードルの高い課題を自分に課し、ドツボにハマっていた……。

挙句の果てに女性服の構造が全く分からず店員さんに尋ねる始末。

そして、ついにお披露目の時……!

「わーピンクの服! かわいいけど自分じゃ気恥ずかしくて買えない! 男受けよさそうですね!(笑)」と喜びの反応。

そして……ユンさんが小峰に選んでくれたのは、こちらの水色のシャツ。
このシャツを着れば、普段の犯罪者予備軍ファッションから、高円寺の水タバコ屋さんくらいまでレベルアップしそう! かなり嬉しい!

買った洋服はユンさんにプレゼント!
せっかくなので……。

着替えてデートを続行することに!

似合いすぎる……!
お店を出て、素敵なFLAMINGOの袋を掲げて、記念撮影!

次は予定通り、井の頭公園へ。
いつの間にか雨止んでいる!

大学時代の思い出を語りつつ、橋を渡る。
「あのボートに男女二人で乗ると女の子と別れるらしいですよ! 僕は一度も乗ったことないのに公園デートした彼女とは別れました!」

「女の子に告白しようとした瞬間に、足元にゴキブリが大量発生してそれどころじゃなくなった話」を実際の現場となったベンチで語る。悲しい思い出しかない……。でも、ユンさんが爆笑してくれる……ありがとう暗黒の青春時代!それにしてもすでに20分ほど歩いている……!

吉祥寺はサンロードから井の頭公園までデートスポットが広域のため、自ずとお散歩デートになってしまうのだ。

会話は盛り上がっているものの、さすがに申し訳なくなり「歩き疲れてませんか……?」と聞くと、
「お散歩デート大好きなんです!」との天使の返しが。
そうだ……井の頭公園は『ノルウェイの森』『ピース オブ ケイク』のロケ地として使われた恋愛映画の聖地だった……!とユンさんのヒロインスマイルを見ていたら思い出す。

安心して散歩を続行すると……公園のちょうど中央に可愛らしい建物がみえてきた。

カフェ・ドゥ・リエーヴルうさぎ館

[平日] 10:00~19:00(L.O.18:00) [土・日・祝日] 8:30~20:00(L.O.19:00)
朝食営業、ランチ営業、日曜営業
定休日:無休(年末年始除く)

こちらのカフェの存在は知っていたが、オシャレすぎてずっと入れなかった場所だ。
でも、ユンさんという美女を連れた今日なら、堂々と入店できるはず!

ガラス張りの店内に、どこか学校を彷彿とさせる可愛らしい家具。

店内の小物や配色にユンさんもテンションが上がっている。


(それにしても、絵本の世界のような店内がめちゃくちゃ似合うな……)

クレープと豆乳ラテが名物と聞いて、早速頼んでみることに。

運ばれてきたクレープも、おとぎの国のお菓子みたい!

もはやユンさんの為に用意されたセットなのではないかと思ってしまう。

素晴らしい店内のお陰でかなりデートらしくなってきた!
会話はそのまま恋愛トークに……。

ユンさん「あたし、好きな人に勇気を出して『デートしてください!』って誘っても本気にしてもらえないんです……」と悩みを吐露。
明るい女の子特有の悩み……。愛想がいいこともアダとなることがあるのか……。経験値不足のため聞き役に徹する。

食休みもじっくりした後、駅の方まで戻ることに。
と、その前に吉祥寺まめ知識を!
このカフェの前の道路、吉祥寺駅がある武蔵野市と三鷹市の境目となっている。

吉祥寺駅から、井の頭公園、三鷹の森ジブリ美術館と歩いていくと市の境目を越えることとなるのだ。
井の頭公園の草木、花には名札がついており、ただ歩くだけでも、話題が生まれやすい素敵なコースとなっている。

「ここが境界線!」とポーズを決めるユンさんと可愛すぎて直視できない小峰。

ユンさんが先ほどのクレープにテンションを上げていたので……学生時代リア充女子たちの会話によく出てきたフローズンヨーグルトのお店に行くことに。

その前に小峰が女の子と入ったものの、何もできなかったホテルの前で記念撮影。
(女優さんとこんなことして大丈夫なのか……)

吉祥寺駅近辺まで戻ってきた!

フローズンヨーグルトのお店はこちら!
こちらのお店は何種類もあるフレーバーの中からお気に入りを選ぶアイスクリーム屋さんのような注文システムとなっている。

ウッドベリーズ吉祥寺本店

JR線/京王井の頭線吉祥寺駅公園口 徒歩2分
平日 12:00~22:00土日祝 11:00~22:00年末年始

ユンさんはジンジャーシナモン。僕はもちろん、チェリーを注文。
チェリー味はしっかりと果実の味がしてかなり美味しい。
リア充のスポットだろー?と学生時代全く行かなかったことを後悔した。
そんな思いを巡らしていると……

ユンさんが「あーん」とジンジャーシナモン味のおすそ分け。
完全に暗黒時代が塗り変わった! 吉祥寺って本当にいいところですね!

ユンさん曰く「『あーん』ってしてあげる側もされる側もハッピーになれるから大好きなんです」
とのこと。

中身まで美人だ……。僕も自分の不幸に捉われず、人を幸せにしたい……と思いはじめていた。

そして、いよいよジャッジへ。
途中から完全に仕事ということを忘れ、デートに没頭してしまった。

ここまで来たら「お持ち帰り」の札もオーケー出ないだろうか……!
こんな自分とデートしてくれたお礼(&審査前の賄賂)としてチョコレートを進呈。

くるり好きのユンさんのために邦楽ロックバンドの曲名ぽいお菓子をチョイス。
吉祥寺駅アトレの中にあるSatie(サティー)というお店の「恋のてっぽうだま」という商品だ。

「わー!チョコだ!大好きなんです!」とテンションが上がるユンさん。

やった!これはイケるかもしれない……!
そして、いよいよ恐怖の審判へ

まず一問目。
「本日のデートはアリ?ナシ?」

「アリ!」

(間髪入れずにアリがきたー!)

ユンさん「お互いでお洋服を選び合いっこするのがすごい楽しかったです! 自ずと相手のこと考えちゃうし…あたしのお気に入りの行動が増えました! また絶対やりたいです」

では、第二問。
「小峰ともう一度デートできますか……?」

「うーん……アリ!」
わざわざ溜めてくれた! でももう一回デートしたら絶対好きになってしまう……。

最後に連載のテーマである「お持ち帰りされてもいいか?」という質問。
うーん!と溜めてくれるユンさん。

「ナシ」
(ですよね……!)

「うーん、楽しかったんですけど……ドキドキ感が足りなかったです」
そっか、デートって女子をドキドキさせるためのものだった……自分のトラウマと戦う場所ではない。自分の過去ではなく、目の前の女の子を見なければならないのだ!
恵まれない青春時代を過ごしてきた男子が陥る落とし穴に見事ハマってしまった。女の子は今の自分しか知らないのだ……。
ユンさんとのデートのおかげで「お持ち帰り」などという高度なゴールの前にオトナ童貞としていくつも試練があることが知れた。

最後、解散まで時間があったので、映画女優のユンさんとある場所に向かう。
江口寿史ジャックのサンロードを通り……。

吉祥寺にかつてあった名映画館・吉祥寺バウスシアター。
なき跡に一礼して帰りました。


POINT デートでは自分の過去ではなく、目の前の女の子を見る。

(文:小峰克彦)

【相手】洪潤梨(ホン・ユニ)ちゃん(23歳)
【結果】
デート  ◯
再デート ◯
お持ち帰り✕
【金額(女性ひとりあたり)】
ランチ 1004円
豆乳カフェオレ 570円
クレープ・キャラメルバター 570円
服代 5700円
チョコレート代 1188円
フローズンヨーグルト 420円
合計 9452円

ー3カ月前、童貞を捨てた。思ったほど、世界は変わらなかったー
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