ー3カ月前、童貞を捨てた。思ったほど、世界は変わらなかったー
チェリーについて

第3回「元カノに連絡を取っちゃダメですか?」

チェリー誕生から5年。編集部平均年齢26歳で始めたこのサイトも、気づけばアラサーたちが運営するものに……。
「童貞をひきずっている」というコンセプトで始め、その志は変わらないし、相変わらずひきずり続けてはいるものの、編集長の霜田に至っては34歳。このままアラフォーを迎えてはマズいのでは。「オトナ童貞」が「大人」になるための儀式、それはもしかして今まで考えることすら避け続けてきた「結婚」なのでは……!?

そう考えた霜田と創設メンバーの小峰は、チェリー編集部内唯一の女性であり既婚者、2人の子供の母でもある菱山に教えを請うことにした。

前回、女性と男性の恋愛観・セックス観の違いを学んだが、今回は過去の恋愛との向き合い方について。男女間で賛否両論起こりがちな定番の質問を菱山にぶつけた!
(※この企画は「恋愛事情」に同時掲載しています)

■元カノグッズと共に生きる、霜田

菱山「霜田さん、『金ソロ(※)』見ましたよ。霜田さんの部屋、元カノとの思い出まみれじゃないですか」

(※定点カメラでひとり暮らしの部屋に密着するテレビ番組、NHKの『金曜日のソロたちへ』。この連載の鼎談前日に霜田出演の回が放送され、部屋に元カノからの手紙や思い出の品が多く残っていることが判明)

霜田「そうなんですよ。番組で特に物議を醸したのが、僕が部屋の掃除をしていた時に、元カノに対して『この雑貨、君のだっけ?』って連絡取るシーンで。スタジオのNONSTYLE井上さん達から『連絡すんの!?』と総ツッコミ。番組を見てくれた友達もあのシーンで引いたって言われることも多くて……。で、菱山さんに聞きたいんですけど、元カノに連絡するってそんなにダメなことなんですか?

小峰「え、基本的に僕も連絡取る派なんで、ダメなことだとは思っていませんでした……!」

菱山「まあ申し訳ないですけど『下心あるんじゃない?』って疑っちゃいますよね」

霜田「下心ではないんですよ! 元カノって、長く一緒の時間を過ごしたから、僕の情報をたくさん知っていて、『僕の取扱説明書』も持っている存在なんです。だから的確なアドバイスをもらえるし、浅い関係の方よりも話していて楽なんですよね」

■元カノ=「自分の取説」を持つ存在?

菱山「『僕の取説』を持っている元カノと連絡取って、何を話すんですか?」

霜田「人生相談とか恋愛相談もします。僕くらいの30代中盤になってくると、フラットな目線でアドバイスをくれる人が周りから減っていくんですよ。特に僕の場合、元カノは自分より若い方が多かったので、20代の感覚を持ちつつ、僕の良いところも悪いところも適格に指摘してくれることがとても貴重で……」

小峰「わかります、メンター的な役割ですよね。これなら菱山さんも納得してくれますよね!?」

菱山「もし自分の恋人がその理由で元カノと連絡を取っているなら、なおのこと嫌ですね(笑)。霜田さんが元カノと作り上げてきた『僕の取説』って、新しい恋人と0からまた作っていくべきものだと思うんですよ。恋人同士ってその過程があるからこそ深い関係になるじゃないですか。最初からその過程を放棄されているようで寂しいですね」

霜田「僕的には『次の恋愛の相手こそ幸せにしたい』という気持ちから藁をもすがる思いで、元カノに『僕の取説』を聞きに行っているんですよ! しかも元カノごとに違う取説があって、1人目、2人目、3人目って取説のバックナンバーがある。それぞれ違う気付きがあるから、それぞれから聞くことで自分の恋愛の傾向も見えてくる」

菱山「元カノ1、2、3でみんな違う取説だったってことは、今カノとはまた違う『僕の取説』が必要ってことじゃないですか。やっぱりゼロから作らなきゃ意味がない証拠ですよ!」

霜田「うわ、たしかに~~~~~~!!!!」

菱山「むしろ『俺はこういう人間だ』って取説を気にしすぎるから上手くいかないこともあるんじゃないですか? 恋愛の正解は目の前の相手しか持っていないんです」

■元カノと連絡を取ることで、キレイな思い出も腐る

菱山「そもそも連絡取るくらいならなんで別れたの? って思っちゃいます」

小峰「逆に女性から元カレに連絡取る時ってどんな目的があるんですか?」

菱山「うーん……。私だったら、未練があってまだ自分の中でその人との恋愛が終わってない時ですかね。一つの恋愛を終える時には、昔の自分も一緒に終えたいんですよ。新しい自分になるために切り替える。だから過去の自分の象徴でもある元カレとは連絡取りたくないですね」

霜田「僕らは完全に過去の自分を捨て去るというよりは、元々ある『自分』という要素に、恋人という新しい要素がどんどん加わっていくイメージなんですよね。ダルマ落としの新しい段が増えてきて高く積みあがる感覚です。元カノも自分を作っている要素だから、そこだけ切り離すわけにもいかない」

小峰「わかります。自分の中にその『元カノの段』があることによって、味わい深くなるお店とか映画もあるし。1段なくなるとダルマごと倒れちゃうかもしれない」

菱山「大切な思い出を自分の中に保存しておくのは素晴らしいことだと思うんですけど、自分の中に保存しておくことと、連絡を取り続けて関係を繋ぎ続けていることは違う気がします。連絡を取ってまだ二人の物語を続けていることで、キレイだった思い出もいつか汚い思い出に変わってしまいそうで

小峰「……」

菱山「例えば私が元カレとなんの下心も無く連絡を取っていても、元カレの今カノが絶対嫌だろうし、どちらかがふとした隙に下心を抱いてしまうかもしれない。そうなったら私が連絡を取り続けることで、周りに迷惑をかけてしまって、キレイだった思い出も腐りますよね」

小峰「たしかに、連絡を取っていた元カノから『あの時の旅行最悪だったよね~』って言われて、自分の中でキレイだった思い出が腐ったこともありました。逆に全く連絡とっていなかった元カノと、偶然大学の同窓会で会った時に、『やっぱりいい恋愛だったな』って思えたこともあった」

菱山「元カノとの思い出は冷凍保存しておくべきですよね。連絡を取っていたらずっとナマモノとして扱わなければいけないからいつかは腐る。偶然冷凍庫を開けて『あ、キレイに仕上がってるな』って思うくらいでちょうどいいんですよ」

■過去の恋愛の上手な冷凍保存の仕方とは

霜田「腐らないための上手な冷凍保存の仕方ってあるんですか?」

菱山「引きずらないことですよね。私の場合、新しい恋愛すると未練はなくなります。次の人と良い恋愛ができたときに、元カレとの経験や失敗が活きてきて、『元カレのおかげだったな』って綺麗な保存ができますかね」

霜田「完全に捨てるわけではない?」

菱山「捨てられない人がいるのはいい恋愛してきている証拠だし。引きずっていると捨てられないって全然違いますよね

霜田「あ、だったら僕引きずってないです! 捨てられないのかも」

菱山「捨てられないっていうことは終わったってことだから、全然いいと思うんですけど、やっぱり連絡を取り続けると、自分か相手が引きずる方に引っ張られる気がするんですよね。繋がり続けていると捨てようがないじゃないですか。『捨てられないな』って感じることもできない」

霜田「自分だけじゃなくて向こうが下心を持つきっかけも与えてしまっているのか……」

■元カノとSNSで繋がることはアリか

霜田「ちなみにSNSのフォローはありですか? 『元カノとの繋がりを絶つ』という意味で、やっぱりここも外さなきゃダメ?」

菱山「SNSは別にいいんじゃないですか? 今の恋人が嫌がるなら外せばいいけど……。フォローしていて何か今の自分が影響受けることってあります?」

霜田「『うわ、こんな感じになっちゃたんだ、俺と付き合っていればもっといい感じの人になってたかもしれないのに!』って、ショックを受けることはあります」

菱山「えー!『所詮こんなヤバイ奴だった!別れて正解!』とは思わないんですね!」

霜田「元々ヤバかったのではなく、僕と別れた後の選択が間違っていたからヤバくなってしまったという感覚です」

菱山「まあでも二人の何かが合わなくて別れる選択をしたわけですからね……」

小峰「それにしても『俺と別れたなんてセンスねえなやっぱり』とは思いますよね」

霜田「わかる~。そういう性格悪い気持ちもあるよね」

菱山「センスない元カノのSNS見ている時間、一番センスなくないですか?

霜田&小峰「正論過ぎる……!(笑)」

霜田「いますぐフォロー外したくなりました……」

ROAD③ 「引きずっている」と「捨てられない」は全くの別モノ。元恋人との思い出は腐る前に冷凍保存すべし。

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