Twitterを見ていたら、フォローしていない芸能人のつぶやきをタイムラインで見かけること、ありませんか? または、Facebookで友達が“ちょっとイイ話”に“イイネ”していること、ありますよね。これ、どういう仕組みなんだろうって思いません?
SNSで、広告・スパム・プロモーションなど「正直ウザいもの」を目にする機会が少なくありません。今日はTwitterとFacebookの実例を元に、そんな「ちょっぴりウザい投稿」のおさらいをしたいと思います。
今時SNSの2つや3つやっていて当たり前、何のアカウントも持っていない人の方が希少な世の中だからこそ、身近なSNSで間違ってスパム被害にあったり、反対にスパムに加担して“イタい人”になってしまわないように、その仕掛けを理解しましょう!
Twitterのプロモーションって何?!
Twitterではときどき、自分のタイムラインに、自分がフォローしていないアカウントのツイートが流れてきます。これがいわゆる“プロモーション”、俗に言う“プロモツイート”です。
Twitterのプロモーションは3種類、おすすめユーザーに載る“プロモユーザー”と、特定のつぶやきが多くの人に表示される“プロモツイート”、そしてトレンドページに広告が載る“プロモトレンド”があります。
たまに芸能人のつぶやきが急に現れるのようになったのは、Twitter社が提供する“特定のつぶやきを広告塔として拡散するサービス”を企業が申し込んでいるという仕組み。例えばトークアプリ『755』は、映画『海月姫』に主演した女優・能年玲奈さんのひとつのつぶやきをプロモツイートとして配信しています。わたしたちのTLに突然能年さんが現れるのは、そういうわけだったのですね。
そういうつぶやきに「うるせぇよ」「大丈夫なの?」などの“アンチ”リプライが成されているのを見かけますが、つまりそのリプライは、わかっている人から見ると、「仕組みを知らないんだな〜」と感じられて大変イタいのです。だから、プロモツイートは読み流すのが正解。
Twitterで広告を非表示にする方法は2つ!
では見ないようにはできないのでしょうか? いえいえ、実は2つの方法があります。
ひとつは、非公式Twitterクライアントを使うこと。携帯でTwitterを見るとき、何のアプリで見ていますか? 水色の背景に白い小鳥が羽ばたいているあのアイコン以外のアプリに変えることで、プロモツイートは表示されなくなります。
もうひとつは、プロモツイートを見かけたらひたすらブロックしまくる。なんと、1000件ブロックすれば、非表示になったという記録があるのです! 根気強い方は試してみてはいかが?
儲け話やエロい写真をリツイートしていない?!
それから最近Twitter増えたなと感じるのは、「ここでめっちゃ儲かった」「怖いくらい痩せた!」などの文言とともにリンクが載っているリツイート。これは大概、リツイートしたアカウントの持ち主の意図せぬところでリツイートされています。
友達から回ってきた○○診断や、登録したら話の続きが読めるよ!などといったサイトでTwitterのパスワードを入力した覚えはありませんか? 診断やおもしろ話の目的はパスワードの抜き取りです。それにまんまと乗せられてアカウントを操作されているようでは現代人として恥ずかしい…!!
もし心当たりがある方は、一度パソコンでTwitterにログインしてみてください。設定のページのアプリ連携をチェック。自分が普段Twitterを閲覧しているアプリ以外のものがあったら、連携解除すべし!
Facebookの“ちょっとイイ話”の正体
最近Facebookでは、“ちょっとイイ話”をよく見かけます。シェアしたことがある方も少なくないのではないでしょうか。
先ほどのTwitterのプロモのように、Facebook上でも「誰さんがいいね!しました」をその友達のタイムラインに1回いくらで載せるという広告のサービスが提供されています。これを悪用して、ちょっとイイ話でシェアやいいね!をさせておいて、あとから自社商品の宣伝に投稿を編集してしまうケースもあるそうです。
つまり、回ってきた話を安易にシェアしたりいいね!すると、自分もスパムに加担してしまう可能性があるということです。
例えば我らがソーシャルトレンドニュースも、誰かのシェアが別の誰かに届いて新しい読者を開拓することがあります。しかしこれは極めて健全な形で行っているもの。“違法スレスレスパム”が“健全メディア”の手法をうまく真似していて、これは健全メディアにとってとても迷惑です。
また、知らず知らずのうちにうっかりスパムアプリの連携を許可してしてFacebookのパスワードを抜き取られ、勝手に広告を投稿、さらには画像にまったく関係のない友達をタグ付けされるという被害も最近広まっています。
ではこのような事態をどうやって防いだらよいのでしょうか?
被害者にも加害者にもならないために
現在危ないと言われているのは、「感動話・パズルや計算式・診断」の類です。
感動話の場合は、まずイイ話でいいね!させておいて、後からその投稿の本文だけ自社宣伝に変えてしまうスパムの可能性があります。パズルや診断の場合は、自分が難しい問題を解けたり、診断の結果がおもしろいとついシェアしてしまいますが、シェアすることで自分が広告塔になってしまうのです。
また診断の場合アプリ連携を求められます。ここで連携を許可することで、自分がFacebookに登録している情報(=メールアドレスやパスワードなど)を提供することを認めてしまうことになってしまう場合があります(自分のもののみならず、友達の情報もバレてしまいます!)。
連携を求められたら、まず提供される情報が何か確認し、もし何だかわからない場合には連携を許可しないのがベターです。
(赤線のあたり、ちょっとにおいますね……)
判断材料としては、その情報を発信しているFacebookページの詳細を調べることも役立ちます。どこかの会社が運営しているものなら、間違いなくWebサイトのURLが出ているはず。スパムアカウントの中には元サイトが存在しないものも多いです。また、URLが載っていても、サイトを見てみたら“いいにおいはしない”こともあります。そういうアカウントの投稿は“触らぬ神に祟りなし”ではないでしょうか。
スパムは究極のかまってちゃん?!
スパムと呼ばれる投稿がここまで広まってしまったのには、われわれユーザーが乗ってしまったから、と言わざるを得ません。スパム業者側もどんどん進化していますから、わたしたちは自ら彼らの感染力に加担してしまったわけです。つまり、わたしたちが“シカト”すれば、スパムは広まる手段を失います。
例えば用事があって街を歩いている時に居酒屋のキャッチに捕まったら、「今行かないし」と思ってみなさんスルーすると思うんです。なのに、なぜ用事も義理もない“スパムのキャッチ”には引っかかってしまうのでしょう? それは“それがキャッチだと気づいていない”から。こういうものを知っている、または見分けをつけられる人を“メディアリテラシーがある”といいます。
Instagramの人気が高まった背景には、こうしたスパムアカウントが少ないという魅力もひとつあるとか。TwitterやFacebookにはこれまで大変楽しませてきてもらったのに、スパムなんぞで駆逐されてしまったら悲しいことです。ここはひとつ、わたしたちの“メディアリテラシー”をより向上させて、日頃お世話になっているTwitterとFacebookに恩返ししたいな、と思ってしまいました。
(文・原田真帆)