渋谷と表参道の間に位置する青山学院大学の青山キャンパス。
通学路にはヒカリエやマックスマーラなど第一線のファッションショップが建ち並ぶ。
そんなファッションの聖地・青山の立地がオシャレさを育ませるのか、滝川クリステルや田中みな実といったおしゃれな有名人を輩出し続ける青山学院大学。青学生は、いつの時代も大学生ファッションの“中心”としてその地位を守り続けている、といってもいいのではないだろうか。
そんな青学生のファッションと言えば、これまでは季節に応じた色合いと基本的にフワフワした印象のスカートまたはワンピースというのが主流だった。
しかし、最近その青学生のファッションに変化が起きているのだ!
その変化は「フワフワ系」から「カジュアルスタイル」への変化、ということができる。
1. 俗にいうおしゃれとは違ったパーカーカジュアル、【青学パーカー】が流行っている!?
青学パーカーとは、胸元全面にデカデカと青学の校章とTOKYO AOYAMA GAKUINと印字されているパーカーのことである。
購買部には専用の棚が用意されているほどで、そこにパーカーがびっしり並んでいる。
はじめはグレーや紺など選べる色が限られていたが、名が知れ渡るとたちまち売れていき、今では白、ピンク、青、緑など自分の好みの色をチョイスすることができる。
また、冬だけでなく春や涼しいなと感じる日にも着ることができるように、季節に応じて生地の薄さにも工夫が施されている。
そんな工夫により、パーカーは少し暑いのでは!?という初夏になっても、売上は落ちていないという。
ちなみに学内の販売コーナーではこんな掲示も。
「渋谷と表参道にある大学ですが、たまには楽しておしゃれをしませんか?」
青学パーカーが流行っている理由2つ
(1)着るだけで仲間との一体感が得られる
合宿にてみんなで着て写真を撮ったり、青学パーカーを着て仲良しグループでディズニーに行ったりする。
これはオソロコーデや、制服ディズニーの延長線で楽しんでいるものといえる。また、青学といえば今年の駅伝で初優勝したということもあり、学生たちの愛校心が芽生え、一体感を得たいという気持ちが増したと考えられる。
(2)とりあえず流行に乗る
流行にはいち早く反応してしまう青学生。「購買で“青学パーカー売れています”と表示してあると、『これ最近売れているらしい』と思って買う人が連続しているだけ」だと経営学部4年生のある学生は分析する。
実は、かわいいから欲しくなったという気持ちや愛校心があって購買意欲が湧いたというよりもただただ流行に乗りたいという考えが先立っているようだ。
2. 主にデニム素材を取り入れた青色カジュアル、「青い服」が流行っている!?
そして、青学パーカーに加えてもうひとつの流行は“青”。昨年、ワンポイントに黄色を取り入れるファッションが流行ったのは記憶に新しい。
しかし、今年は王道の“青”をファッションのワンポイントにしている青学生が目立つのだ。ショーウィンドーを覗いてみても、青い服を着ているマネキンがこっちを向いている。
ではなぜ今年は青い服がトレンドなのだろうか。
主な理由は、青という原色そのものが鮮やかで、爽やかな感じがかわいくみえるからだ。
また、涼しい印象を与えられるし、かつ合わせやすい色だから店頭に並んでいるとつい手に取ってしまうからなのではないだろうか。
大学はほとんど縛りがなく、自由だからこそ愛校心が薄れがちになってしまったり、バイトやインカレサークルなどの普及に伴い、自分の大学の友達との関係が自然と薄くなってしまったりする人が少なくない。
青学もそのような大学のひとつであったはずだが、実は最近急激な変化が起きている。
2015年の正月の箱根駅伝で青山学院大学が初優勝。そこから急に青学生の愛校心が高まっているのである。
大学の生協内ではAERA特別編集の青学ムック本や、箱根駅伝関連書籍がならんでいる。大学名も刻まれている“青”の服を着る青学生が増加しているのは、その愛校心のあらわれなのかもしれない。
(文:石川佳奈)