男子学生の遊び場といえば、ビリヤードやカラオケ、ダーツ、麻雀など、“相手と競い合う場”という印象であった。男子が「動物ってかわいくない?」というと「またまた~、お前、それってもしかして動物好きアピールか?(笑)」といじられてしまうほど。それゆえ、動物界に侵入してくる男子は少なかった。
しかし、最近その傾向に変化が起きている。
なんと、“可愛いものが大好き!”なフワフワ系女子が好むであろう動物と触れ合えるカフェに、最近男子が増えているのだ。
ネコと触れ合うことのできるネコカフェ経験者とフクロウを間近で見て楽しむことのできるフクロウカフェ経験者の二人に話を聞いてみた。
猫カフェ編
まず、なぜ行こうと思ったのか。会社員男性にその動機を聞いてみた。
「社会人一年目の夏、念願の有給を手に入れたけど仕事が忙しい時期だったこともあり、プランニングをする余裕もなくフラっと行ってみたんです」
どうやらもともと行きたいという強い野望があったわけではなかったよう。猫は飼っていなかったが大好きで、ネコカフェに行くとたくさん触れ合えることに魅力を感じていたそう。話によるともう1回訪れたという。果たして依存性はあるのだろうか。
「今はネコカフェを訪れる時間的余裕がなくなって2回目以降行けてないけど、もし依存性があれば、猫を飼ってしまうのではないかと思いますね」
ネコカフェは今や吉祥寺、高田馬場、下北沢など至るところに存在している。
「お店によって猫の数がバラバラで、経験上、猫の数が多ければ多いほどコミュニケーションがたくさんでき、癒やされ度が増す」
他にも漫画を読みながらリラックスすることのできるネコカフェや、まるでジブリの話の中に迷い込んでしまったかのような雰囲気をコンセプトにしているネコカフェが存在する。
このようにネコカフェと言えど、それぞれのお店には異なるコンセプトがある。同じネコカフェに通うのではなく、それぞれの特徴を比べて自分好みのネコカフェを探してみるのもおもしろいかもしれない。
フクロウカフェ編
続いて、フクロウカフェに行ったことがあると言う男子学生に話を聞いてみた。
客層は、男同士や家族連れが目立っていたが、おしゃれで癒やされるミュージックの流れる店内は、今後カップルのデートスポットにも人気が出そうな雰囲気が漂っている。
彼が行ったフクロウカフェは想像していたようなカフェ(コーヒーやカフェオレがメニューにある)とは違う。お客さんは、メニューにある10種類ほどのお水から好みのお水を選ぶ。その10種類の中には、普段飲む機会のない外国のお水も含まれており、フクロウと触れ合えるとともに、未知のお水との出会いはこのカフェならではの醍醐味だと感じる。
※触れ合える時間は1時間、完全予約制。
「行くと癒やされるんだよね」
「気づいたら1時間が経っていた」
共通していることは、どちらも“疲れを癒やしてくれる場”であるということだ。SNSの普及によりとにかく情報が多すぎて疲れてしまったり、ツイッターやインスタグラムを通して他者から1日中監視されているような気分になったりといったストレス社会が、男性の“競い合う”刺激的な遊びがしたいという欲望よりも、癒やされたいという今までになかった新たな欲望が生じ、このような変化が起こったのではないか。
動物カフェに行くことで普段の生活で欠けている安らぎの時間を過ごすことができる。
近年、小鳥カフェやウサギカフェなど、「え、そんなカフェも存在するの!?」と驚くような動物カフェが増加している。自分の好きな動物と触れ合うことのできるカフェを探し、新たなストレス解消法として今後もっと普及していくだろう。
(文:石川佳奈)