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「GRWM」「MLBB」って知ってる?韓国コスメのトレンドを紐解く3つのキーワード

奥村千尋

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奥村千尋

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近年、日本に大きく市場を広げている韓国コスメ。その勢いはすさまじく、いまや「K-Beauty」という一大ジャンルを築き、世界中へ進出しています。

このように、世界の美容トレンド発信地となった韓国。
では本場、韓国でどのようにしてヒット商品やトレンドが生まれているかご存知でしょうか?

この記事では、韓国コスメがどのように流行していくかを紐解く3つのキーワード「GRWM」、「MLBB」、「인생아이템(人生アイテム)」について解説します。

韓国コスメの”イマ”を表すキーワード3つ

[1]「GRWM」

まずはじめにご紹介するのが、YouTubeでメイクのHow To動画タイトルによく使われている「GRWM」という言葉。

「Get Ready With Me(私と一緒にお出かけの準備をしよう)」の頭文字をとった略語で、メイクだけでなく、ヘアアレンジ、服やアクセサリー選びといった、お出かけまでのおしゃれの過程を楽しむコンテンツとして、韓国に限らず欧米などの女子からも人気を集めています。

「バレンタインデーのGRWM」、「土曜日の夜お出かけする時のGRWM」など……季節やその日の予定に合わせたテーマ性のある内容が多く、まるでその人の生活をのぞき見しているかのような感覚になれるのが醍醐味です。

▲夏に買い物に行くときのGRWM

▲プラハ旅の朝のGRWM

インフルエンサーのクリエイティビティで消費が動く

また、近年韓国の美容系YouTuberにおいては、ハイセンスなクリエイター要素の強いが人が増えており、GRWM動画は彼女たちのクリエイティビティが発揮されるコンテンツとなっています。
日本で美容系YouTuberというと、最新コスメを紹介したり、使い方などの手順を紹介したりするイメージが強いですが、韓国では彼女たちの部屋のインテリアから動画内で流れるBGMの選曲まで、その人のトータルセンスが視聴者の注目を集めているのが大きな違いです。
彼女たちが商品を紹介するとたちまち話題に。

最近では、広告塔としてYouTuberを起用するコスメブランドも急増中。その範囲は単なる動画タイアップにとどまらず、ブランドの顔として公式モデルに起用されるなど、活躍の幅を広げています。

▲韓国コスメブランド「CLIO」は人気YouTuberのleeanを起用。ブランドの公式Instagramでは彼女のオススメするリップカラーを紹介している。

まさに今、韓国コスメヒットのカギを握っているのはYouTubeインフルエンサーといっても過言ではありません。

[2]「MLBB」

韓国女子のメイクというと、何よりも先にパキッとした発色の良い赤リップが思い浮かぶ!という方が多いのでは?

実は日本でのイメージとは反対に、ここ数年、韓国では肌色に限りなく近いナチュラルなカラー、通称「MLBBリップ」が一大ブームを巻き起こしているんです。

「MLBB」とは、「My Lips But Better(自分の唇の色と大きく変わらないけど、よりきれいな色)」の略で、ベージュやコーラルなど素の唇に近い、自然な血色感を与えてくれるようなリップの色のこと。

絶妙な色の違いを楽しめるリップカラーとしてコスメ好きたちの心をつかんでおり、韓国の各ブランドがこぞって「MLBBリップ」を発売しています。(筆者も何色もコレクションしています)

▲筆者のコレクションの一部


韓国を代表するアパレルブランド「STYLENANDA」が展開するコスメブランド「3CE」から1月末に販売されたミニリップのセットは、5種類の絶妙なMLBBカラーを展開。

また、渋谷や表参道にも店舗を構えている「innisfree」が販売しているリップティントは、なかなか無いくすみカラーが話題を呼び、日本でも一時期入手困難に。使用するだけで一気にトレンド顔になれるアイテムとして支持されています。

コレクター心をくすぐれるかがカギ

この「MLBBリップ」が流行した背景として、ついつい他の色も試したくなるような、ニュアンスの違いを楽しめる豊富な色展開が、コスメ好きたちのコレクター心に火をつけたことが考えられます。

渋谷109にも店舗を構えるなど、日本でも人気のコスメブランド「ETUDE HOUSE」が販売している単色アイシャドウシリーズは、まさにコレクターたちを夢中にさせているアイテム。

肌なじみのよい使用感と透明感のあるラメが特徴の「ルックアット マイアイズ」、THE韓国コスメといったゴージャスなラメがたくさん入った「ルックアット マイアイジュエル」、繊細なカラーで目元に深みを与える「ルックアット マイアイカフェ」など……豊富なラインナップが展開されています。
同系色のシャドウでも、光り方が違なるラメが入っているなど、コスメ好きたちを刺激するような仕掛けがあり、何色も揃えている人が多い超人気の商品です。
このように韓国では、コスメコレクターの心をくすぐる商品であるかどうかがヒットする要因の一つとなっているようです。

[3]「인생아이템(人生アイテム)」

韓国で「コレがないとダメ!」「私にとっての必須アイテム」といった表現をする際に使われる言葉が「인생아이템(人生アイテム)」

トレンドの移り変わりが早い韓国コスメですが、多くの韓国女子たちにとっての「人生アイテム」として認定されると、一気に定番商品化していきます。

例えば、「innisfree」の「ノーセバムミネラルパウダー」は、多くの韓国女子の人生アイテムとして認められており、一人ひとつは必ず所持しているともいわれています。

また、近年ではカバー力抜群の「the SAEM」が販売するコンシーラーや、韓国女子の小顔メイクに欠かせない「too cool for school」のシェーディングパウダーなどが、人生アイテムとして有名。今では日本でもバラエティショップなどで手に入るようになっています。

進化し続ける商品開発力

これらのアイテムに共通して言えるのは「手に取りやすい値段」、「肌質・肌のトーンに関係なく誰でも使える」、「機能性が抜群に高い」ということ。
競争が激しい韓国コスメ市場で国民的ヒット商品を生むために、各コスメブランドは商品開発に余念がなく、年々そのクオリティが上がってきているというワケです。

流行を構成する3つの要素

「GRWM」、「MLBB」、「인생아이템(人生アイテム)」という3つのワードを紹介しましたが、そこから見えた韓国コスメトレンドが生まれてくるポイントはこの3つ。

・クリエイティブなインフルエンサーの活用
・コレクター心をくすぐるラインナップ
・圧倒的な商品開発力

これらが、今の韓国コスメのトレンドを語るうえで欠かすことのできない要素となっているといえそうです。
また、これから春に向けて続々と新作が展開されていきます。次はどんなヒット商品が生まれていくのか、この3つの視点から予測してみると面白いかもしれませんよ。
                             
(文:奥村千尋)

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