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徐々に反戦を意思表示する芸能人たち……戦後70周年の日に考える、流されないということ

霜田 明寛

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霜田 明寛

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終戦40周年の年に生まれた僕たちは

戦後40周年の年に、僕は生まれました。
1985年の夏、メディアは御巣鷹山の日航ジャンボ機墜落事故と夏目雅子の死去のニュース一色……だったそうです。

戦後50周年の年は、記憶があります。
1月に阪神淡路大震災、3月に地下鉄サリン事件、そのニュースが年間を通して世間を賑わせていた印象です。10歳の僕たちはテレビに映る麻原彰晃の顔を笑い飛ばしたり、急に恐怖を感じたり。
小沢健二が活躍していた年……というのは後からの認識で、街ではひたすら小室サウンドと、Mr.Childrenの曲が流れていました。

戦後60周年の年は、逆にテレビの記憶が薄くなってきます。「YouTube」ができたのがこの年だからでしょうか。
関西のテレビ局に入社したばかりの大学の先輩が、JR福知山線脱線事故の現場で、必死に三脚を支えているのが映り込んでいた画面だけ、強く記憶に残っています。
10年前にシーソーゲームになぞらえて恋を歌っていたミスチルは、だんだんと社会派の曲を歌うようになり、この年に開催された愛知万博のパビリオンでは、「被害者・加害者」という言葉がサビにくる、彼らの「タガタメ」が流れていました。

流されることの危険性に、みんなが気づき始めたこの年に

さて、戦後70周年を迎えます。

“大手メディアに振り回されるな”という風潮が数年前から出てきている中で、今年は、“大手メディアを振り回そうとする政府に振り回されるな”という風潮が出てきています。

大学生のみならず、高校生までもがデモをして、振り回されまい、流されまいとしています。
SMAPの中居くんや、笑福亭鶴瓶さんや樹木希林さんといったメディアの中心にいるようにも感じられる芸能人たちが、しっかりと違和感を発信するようになりました。(※)

ともに、生放送ではありませんから、そこをカットせずに放送した側の覚悟、も感じられます。

“大衆を流す側”の人たちでさえも、“流されまい”と抵抗しなくてはいけない時代です。
でも、流されないことは、かっこいい。

メディアというのは媒体・媒介といった意味ですが、真の意味での媒介、などありえなくて、単に流れの中継地点になるだけだったら、存在する意義はないのではないかと思っています。

流されることの危険性に、みんなが気づき始めたこの年に、必死に流されないことを、していきたいと思います。

そういえば、2010年に発売された『We are SMAP!』収録の「Love & Peace Inside?」で中居くんも歌ってました。

“どんな時でも愛と平和は気分で脱いだり着たりしちゃだめなんだ”

(文:霜田明寛)

(※ 東海テレビにて8月8日に放送された『樹木希林 ドキュメンタリーの旅』に出演し、笑福亭鶴瓶さんが憲法解釈の変更に関し「絶対したらあかんと思っている」と発言。
樹木希林さんも「この歳になって、国というのは嘘つくんだなと実感してくる」と呼応した。

また、フジテレビ系列で8月9日に放送された『ワイドナショー』では、中居正広が安保法案に反対する高校生のデモに関して「動かなければ、これ通ってしまうぞっていうような意識をもっていることは、すごくいいことだなって思います」と発言した。)

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