10月3日(土)に公開となった、佐藤健・神木隆之介主演映画『バクマン。』が、公開25日目にして興行収入13億円を突破し、動員100万人を超えた。土日前週比は80%以上の推移を保ちながら、依然大ヒット公開中だ。
大根作品はまだまだ“しつこい”らしい
監督を務めた大根仁氏も、自身のTwitterで「オレの映画はここからがしつこい」とつぶやいており、まだまだ長期的なヒットを見込んでいるよう。
映画「バクマン。」公開4週目は4位。公開以来順調に?1〜2〜3〜4位。でもほんとここからがしつこいだ、オレの映画は。席が取りやすい平日もぜひ映画「バクマン。」を!あと興収12億超えたみたい。20億いきたいなー。 pic.twitter.com/f803Y0JAoK
— 大根仁 (@hitoshione) 2015, 10月 26
原作・大場つぐみ×漫画・小畑健の『DEATH NOTE』コンビが手がけ、全20巻で累計1500万部を超える大ヒットを記録した漫画の実写化である本作。
映画公開前にはずいぶんと「逆では?」とネット上で評された佐藤健と神木隆之介の役柄は、実際作品を見れば納得のキャスティングであった。
“サイコー”の抱える闇深さと執念深さ、“シュージン”の清潔感や明るさは、見事にハマっていた。ただ、“シュージン”に秀才設定がないことや、小松菜奈演じる“亜豆美保”が意外とよく喋るなど、いくつか原作と違っている部分もあった。しかし2時間弱という時間に収めなければならない映画作品としては必要な取捨選択であったかと思う。原作とはまた違う作品として見れば、充分楽しめる映画だ。
最大の見せ場はまさかの“エンドロール”
漫画の原稿を背景にペンを持って染谷将太演じる“新妻エイジ”と戦うシーンなど、見せ場は数多くあるものの、最大の見せ場は、エンドロールだった。
映画作品中で一番よかったのがエンドロールというのも変な話だが、「これを観られただけでも劇場に来た甲斐があった」と思うほどのクオリティだったのだ。思わず泣きそうになってしまったくらい。
それは漫画への愛、リスペクトが籠っていた映像だったからだと思う。「わたしたちはこんなに素敵な漫画作品に囲まれて生きてるんだなあ……」なんて実感して、「日本に生まれてよかった」とすら思ってしまった。
そしてそんな漫画愛のあるスタッフで作られた映画なんだと思うと、“感謝”に近い感情が生まれ、作品への見方もまた少し変わる。
サカナクションの主題歌も、エンドロールの素晴らしさに大きく影響している。何度も繰り返される「丁寧、丁寧、丁寧に描くよ」という歌詞は、映画を観終わった後も、無意識のうちに何度も反芻してしまう、美しいフレーズだ。
大根監督も、Twitterで「DVDやテレビ放送で観るのと、映画館で観るのとはまったく別物だ」と発言しているが、そう思う。この感覚は、おそらく劇場でないと味わえなかった。
こういうことはあまり言いたくないんだけど、映画「バクマン。」は、まだ観ていない人にナメられているような気がする。もちろんDVDorBlu-ray、配信、テレビ放送まで意識して作ったけど、それは映画館で観る「バクマン。」とはまったく別物だということは言っておく。
— 大根仁 (@hitoshione) 2015, 10月 21
「DVDでいいかな」と思っていた人は、ぜひエンドロールを観るためだけにでも劇場に足を運んでみて欲しい。
映画『バクマン。』は、全国東宝系にて大ヒット上映中。
(文:ソーシャルトレンドニュース編集部)
■映画『バクマン。』
監督:大根仁 主演:佐藤健、神木隆之介
10月3日(土)全国東宝系ロードショー
映画「バクマン。」公式サイト http://bakuman-movie.com/
(C)2015映画「バクマン。」製作委員会 (C)大場つぐみ・小畑健/集英社