今日のデート行きたくないな
女子なら誰しも1度は経験があるのではないでしょうか?
雨だから。肌の調子がよくないから。などその理由はさまざま考えられます。
しかしその理由が「おごられたくないから」だったらどうでしょう? 一見不自然に思えるこの思考は若者を中心に増えている「無価値感」と関係があるらしいのです。
無価値感とは自分の価値を過剰に卑下することを言います。
「自分は無価値だ」と思い込み、苦しむ事例が特に若い女性に多いと心理学の部門で注目されているのです。
冒頭の例でいうと
「今日のデートはきっと相手のおごりだろうな」→「私はそこまでしてもらっていいほどの人間じゃないのに……」→「相手に申し訳ない」→「デートに行きたくない」
というような思考回路によって自分から断ってしまうといいます。たとえデートの相手が想いを寄せる人であったとしても……。
無価値感は女子に多い?
自分に価値がないと思い込み、愛されるためにはなにかしなくてはならない。と焦りを常に感じるのは主に若い女性に多いと言われています。
名付けて「無価値感女子」は、人を巻き込んで自己肯定したがるメンヘラ女とは少し違います。
無価値感女子の特徴は
・自己肯定感が低い
・「ありがとう」よりも「申し訳ない」と思ってしまう
・優しくされることに抵抗がある
が挙げられます。一般的な目線から見ると「ただのめんどくさい女じゃん!!」と思えて共感できない人も多いかもしれません。
そこで実際に無価値感に悩む女子達の声をご紹介します。
こういう子、あなたの周りにいませんか? いや実は、あなた自身にも身に覚えがあるかも……。
バーゲンセールの女、プレゼント拒否女
「ずっと憧れだったイケメンの先輩から告白されたのに、断って1日中パチンコに入り浸るヒモ男と付き合ってしまったことがあります。先輩の想いはとても嬉しかったけど、私は先輩に釣り合わないとわかっていたので……」
心理学の世界では「バーゲンセールの女」とも言われる行動の典型です。自分を安売りして、本当の気持ちとは違った方向に堕ちてしまう傾向があるようです。
好きでもない人と寝てしまう、頼ってくるろくでもない男とばかり付き合ってしまう女子は、無価値観女子の可能性があります。
「付き合って2年になる彼氏がいます。クリスマスに時計を買ってくれることになり2人で出掛けました。気に入った物を見つけて、いざ会計という時に急に不安になって『やっぱりやめます!!』と言って店を飛び出し渋谷の西武で泣きました。社会人1年目の彼の頑張って稼いだお金が、私のせいでなくなってしまうのが耐えられなかったんです」
せっかくのクリスマスなんだから買ってもらえばいいじゃん!と言いたくなりますが、無価値感女子の中ではあくまで「自分=無価値」。高価な時計を身に付けるほどの人間ではないと決めつけてしまうのです。
恋人の笑顔と「ありがとう」こそ、彼にとって出費以上に価値があるものなんですがねぇ。
「高校時代を最後に、恋をしたことがありません。私のことを好きになる男の人なんて変な人に決まっているからです。だから私の理想のタイプは「私のことを好きじゃない人」です(苦笑い)。もし彼氏ができても、プレゼントとかもされたくないです。お返しができないので」
無価値感女子の思考としてもう1つ挙げられるのは「愛を返済しようとすること」です。
優しくされ慣れていないので、代わりのなにかを相手に捧げなくてはフェアじゃないと思ってしまいます。愛が大きいほど「どうしよう」と心配になるのです。
ここまで見てきましたが、彼女達にとってこの世界はなんだかとても生きにくそう。
理解できないを通り越して、無価値感女子の生態をもっと知りたくなってきました。
そもそもなぜ、そこまで悩むほど自分を低く考えてしまうのでしょうか。
原因は幼少時代の親の影響?男子はどう接したらいいのか
無価値感に悩まされる人には、幼少期親の愛を受けられなかったというデータがあると言われていますが。今回意見を寄せてくれたのはみな「親からの愛を一身に受けて生きてきた」という女子ばかり……。
無価値感の原因はなかなか1つには絞れないのかもしれません。
しかし周りから寄せられる過度な期待は、同時に大きなプレッシャーにもなります。
期待に応えられないかもしれない不安や、たった1回の失敗が「自分は愛される価値のない人間」という膜を張ってしまうきっかけになりうるのかもしれません。
ではそんな繊細でめんどくさい無価値感女子に、世の男性達はどのように接したらいいのでしょうか?
シンプルで効果的なのは「相手を安心させてあげること」です。
ごはんをおごってあげて相手が申し訳なさそうにしていたら「僕がおごってあげたいからいいんだよ」と声をかけましょう。状況説明は重要です。「じゃあ次はおごってね」とか言って笑ってくれると女子は気が楽になるでしょう。
みんながみんなドリカムの「うれしい!たのしい!大好き!」のように単純でポジティブではありません。謙虚とも、自信がないとも違う歯がゆさに悩む女子は一定多数存在すると言えます。
そんな女子に出会った時には、KAT-TUNの名曲「Love yourself」のように「♪君が嫌いな君が好き」と言ってあげましょう。短所を褒めることができる男はイケメンです。
無価値感女子達が、自分の幸せのために物事を決断し、愛してくれるパートナーに出会い、自分のことも愛せるようになってほしい、と思います。
というわけで、とりあえず筆者は「飲み会? 奢りなら行くけど?」という口癖を直すことをここに宣言いたします!
(文:大久保彩乃)