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徳光和夫はAKB48総選挙に必要か

霜田 明寛

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霜田 明寛

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今年も無事AKB48総選挙が幕を閉じた。“無事”と書いたのは、直前に起きた握手会での事件の後で、まずは大きな事故なく終わってくれることを、多くの人が願っていたはずだからだ。

しかし、設定上、大きな事故があったように思う。それは徳光和夫の司会への起用である。毎年、徳光和夫がAKB48総選挙の司会として適任なのか疑問に感じてはいたが、今年は特にその違和感を強く感じた。本記事ではその理由を、具体的なやりとりをもとに検証したい。

まず毎年のことではあるが、気になるのが、ちょっと空気の読めていないコメントや、何かを引き出せるわけではない、雑な話の振り方。特に今年は、メンバーのスピーチがきちんといい形で完結しているにも関わらず「もう一声!」と無茶ぶりをしたりと、場を無駄に引き伸ばす姿が目立った。メンバーのスピーチ力はとても高い。そこに下手な質問が飛んでくるのは邪魔にしかならないのである。

そして川柳。メンバーのスピーチで感動の渦に包まれている時に、“メンバーのため”を装った自己満足によって挿しいれられるそれは、ヒートアップした感情に冷水をかけるように、すっと観衆の感情を冷めさせる効果を持つ。毎年の慣例になってしまっているゆえ、慣れた感もあるこの川柳。これはもはや、1周回って『スベリ芸』だと捉えれば、百歩譲って許せる範囲ではある。

だが今年、特に司会としての不適格性を感じざるをえなかったのは、入山杏奈と川栄李奈への対応である。今回の総選挙で、順位と共に最大の関心事であり、最も気遣わなければいけなかったポイントだったはずである、この2人の登場場面。

まずは電話での登場となった入山に、徳光の第一声は「元気?」だった。さらに、入山のコメントを受け、あろうことか「心の傷もずいぶん癒えているようなので安心しました」と発言。

続く川栄李奈の「私のピンチをみなさんがチャンスに変えてくれました」という今年度最大と言ってもいい名言が出た後に、徳光が発した言葉は「立ち直ったか、気持ちの上でも」だった。

いいだろうか。あんな事件を受けて、元気なはずもないし、心の傷は癒えないし、立ち直れるはずもないのだ。

もちろん、事件の起きた当日よりは、日が経つにつれ、心の動揺は少なくなっていくかもしれない。だが、彼女たちの中で、あの事件が起きたという事実は一生消えることはない。心の傷なんて完全に癒えるはずもない。傷を背負った上で、今回、観衆の前に声と姿を現し、それでも前を向こうとしているのである。そんな勇気ある決断をした少女たちに投げかける言葉としては、いささか軽薄すぎやしないだろうか。

そして、もちろん、勇気を持ってステージに立っているのは、2人だけではない。基本的にAKB48総選挙は、女子たちが全国民の前で格付けをされるという一種の“残酷ショー”である。若き少女たちが、1位のメンバーを除き、“他の女子より下の地位である”ことを全国に晒されるのである。

『DOCUMENTARY of AKB48』シリーズのような映画を見れば、ステージ上ではなんとか涙をこらえたメンバーも、舞台裏では号泣していたりと、総選挙は彼女たちに大きな精神的プレッシャーを与えるものであることがわかる。

そんな試練に真っ向からのぞむ少女たち。AKB48総選挙の司会とは、進行役であるとともに、現実を突きつけられた直後の少女たちに、初めての言葉を投げかける“大人”の役割でもある。

『DOCUMENTARY of AKB48』のサブタイトルにもあるように、少女たちは、傷つきながら夢を見る。傷を負いながら、それでも夢を見る少女たちの横に立つ大人として、彼が適任だったとはどうしても思えないのである。

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