8月3日、元チェッカーズ・高杢禎彦(51)が『クイズ30~団結せよ!~』(日曜20時〜、フジテレビ系)で久々のテレビ出演を果たした。
この日は『福岡芸能人が…よーも30人集まったばいスペシャル』という括りで、博多華丸大吉を中心に、蛭子能収やHKT48の多田愛佳、穴井千尋など福岡に関係のある有名人がスタジオに集結。そのなかの一人として、高杢に声が掛かったのだ。番組開始直後、司会の田村淳が高杢に触れると、チェッカーズの大ヒット曲『涙のリクエスト』が流れ、同じく司会を務めるローラは高杢を見て、「世界のナベアツかと思った!」と話した。
90年3月30日生まれ(※誕生日は元チェッカーズ・鶴久政治の1日前)のローラは、80年代のスーパーグループで、92年限りで解散したチェッカーズの高杢をよく知らないため、この発言をしたのかもしれない。
だが、超売れっ子であるローラは計算尽くで、優しいパスを送ったはずだ。高杢にとって『世界のナベアツかと思った!』というフリは、『点を取ってください』と言わんばかりの絶妙なスルーパス。
『1、2、3』とナベアツの持ちギャグである“3の倍数で変顔になる”をすれば、確実に笑いが取れるからだ。
しかし、高杢はナベアツのモノマネをせず、このチャンスを生かしきれなかった。1時間番組のなかで高杢にスポットが当たったのは、このときだけ。以降は画面に辛うじて映り込む程度で、話す場面は訪れなかった。
ここで高杢がボケていれば、淳も『また高杢さんに振ってみよう』という気持ちが湧いてくる。しかも、淳は73年生まれで、ドンピシャのチェッカーズ世代のため、高杢に親近感を覚えていたはずだ。最初のチャンスをモノしていれば、高杢を中心に番組が回った可能性すらある。
大人数が出る番組における最初の自己紹介は、絶好のチャンスであり、その番組における立ち位置を決める。高杢が『1、2、3』と変顔をしていれば、“ナベアツのものまね芸人として使える”と認識され、ほかのクイズ番組からオファーがくる確率までも高まる。
3択問題で、高杢に『3』と変顔をさせれば、それだけで笑いが取れるからだ。
「3の倍数を言ったらアウト」というゲームで、高杢が入れば、視聴者の興味は高杢に移る。『1971』で、高杢が『HONMOKU1971』と変顔をすれば、「そんな計算しづらい数字出すな! だいたい、なんで今さら自分のソロアルバム宣伝してるんだよ! ブックオフにすら置いてないわ!」と芸人はイジりまくるに違いない。
「今どき、そんなクイズをするわけないだろ!」という声も聞こえてくるが、高杢がいれば成立する。あくまで高杢ありきのクイズなのだ。
落語家に転身したナベアツは、テレビ出演を控えている。“そっくりさん芸人”とは不思議なもので、本人露出の少ない時のほうが、需要が増すという。
となれば、“ポストナベアツ”として高杢にオファーが殺到してもおかしくはない。
久々のテレビ出演だったため、高杢自身も乗り切れていない部分があっただろうし、感も鈍っていたかもしれない。次の出演機会があれば、『世界のナベアツ』のフリと同時に、『1、2、3』と変顔をしてほしいものである。