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木村拓哉「HERO」で古館伊知郎「報道ステーション」大打撃か

シエ藤

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SMAP木村拓哉主演のドラマ『HERO』(フジテレビ系、毎週月曜21時~)の最終話(9月22日放送)の視聴率は22.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)。全11回の平均視聴率は21.3%で、2014年の民放連続ドラマでトップに躍り出ました。
放送開始前の7月11日、フジテレビの亀山千広社長は定例会見で、「今の20%は3~4年前の20%とは全然違う。現在の基準でいえば、15%を常時取ってくれることが、あのとき(01年の第1作放送時)の30%に匹敵する」と話していました。もちろん、予防線を張った感も否めませんが、終わってみれば、全11回のうち20%超えが8回。全体的に視聴率が下がっているテレビ界において、快挙と言っていいでしょう。

1つのドラマの成功は、テレビ界にいくつかの影響を及ぼします。後番組『SMAP×SMAP』の視聴率上昇は、その代表的な例と言えます。
今回は、11回中5回あった時間拡大バージョンについて考えてみます。
21時開始の『HERO』は、初回と最終回を30分拡大、2話、3話、10話を15分拡大バージョンで放送しました。
ご承知の通り、時間延長は、他局22時台の視聴率のパイを奪おうとする作戦です。この時間帯に始まる高視聴率番組といえば、毎回ほぼ2ケタを獲得する『報道ステーション』があります。
当然ながら、20%超えのドラマが延長すれば、他局に影響を及ぼすと考えられがちです。ドラマのクライマックスに途中でチャンネルを替える人は少ないと思われるからです。
しかし、分析すると、一概にそうとも言えない結果が出ました。
『HERO』30分拡大の初回と最終回は、『報ステ』の視聴率を1ケタに落としました。初回の日は9.3%、最終回の日は7.2%です。時折15%超えの日もある『報ステ』にとって、かなり低い数字です。フジの作戦が狙い通りにハマったと言えます。
ただし、『HERO』15分拡大の2話、3話、10話の日、『報ステ』の視聴率は10.9%、11.8%、11%と普段と比べ、あまり変わっていないのです。『HERO』開始前の6月を例に取ると、『報ステ』の月曜日は10%、11.3%、11.8%、10.4%、10%となっています。

要するに、15分の遅れであれば、視聴者はニュース番組を途中から見るようです。しかし、30分も遅れてしまうと、チャンネルを替える人口が減ると言えるでしょう。

言い換えれば、他局の番組を打倒したいならば、ドラマの拡大時間は15分ではなく、30分取る必要があると言えそうです。少なくとも、月9ドラマの場合には、30分拡大の法則が当てはまるでしょう。大前提として、ドラマがヒットしないと、この作戦は使えません。フジにとって、『HERO』の高視聴率は、他局との争いにおいて重要な役割を果たしてくれました。

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