トレンドの「腸活」に、新たなワード
皮膚や髪の毛は年齢とともに老化していきますが、腸にも腸内細菌の構成の変化、つまり腸内フローラによる年齢があるというのをご存じでしょうか?
様々なメディアで「腸活」がここ数年注目されていますが、それにともない、耳にするようになってきたのが、「腸年齢」というワードです。
腸内フローラと腸年齢や、腸内環境の変化について専門家のご意見を伺いながら、私たちの生活で何が必要なのかを考えてみたいと思います。
加齢で腸内環境はどう変わる?専門家に聞いてみた
今回は、ビフィズス菌や腸内細菌について研究されている、岡山大学大学院環境生命科学研究科教授の森田英利先生にお話を聞いてみました。
日本においてビフィズス菌は、腸内環境を整えて体にいい働きをする細菌として知られています。抗メタボ効果があるともいわれていますが、年齢によってどのような影響があるのでしょうか?
「人間は基本的に、乳児時はビフィズス菌が多いのですが、離乳食が始まり、さらに加齢にともなってゆるやかにその割合は減っていきます。腸内環境の乱れやお通じに悩まないためには、ビフィズス菌を増やし、腸内環境を整えることが大切と言われています」
腸内環境を整えるためには?
「一番影響が大きいのは、食生活です。偏食や食事制限は腸内環境によくありません。バランスのいい食事で、食物繊維やビタミンなど適切に摂るようにしましょう。また、安眠やストレスがないことも重要です。そう考えると全ては連動していて、心身ともに健康だからこそ、きちんとした食事がとれる。そして腸内環境もよくなる、ということですね」
ヨーグルトは腸内にどんな効果が?
「ヨーグルトなどを食べることで腸内環境をよくする、つまり若々しい腸年齢を目指すことは可能です。ヨーグルトから摂ったビフィズス菌がおなかにいる間は、それ自体がいい働きをします。いずれは便として排出されてしまいますが、もう1つの効果として、ヨーグルトの成分がおなかの中のビフィズス菌を増やしてくれることも知られています。この2つの効果によって、ヨーグルトは腸内環境にいい影響を及ぼします」
「だからといって、毎日食べ続けなければいけないと気負う必要はありません。サプリメントのようなもので、食べた日はその分だけ恩恵が受けられる、と考えてください」
腸年齢は改善できるの?
「実年齢は一方向ですが、腸年齢は可変的で、可逆的です。食事を含む生活習慣の見直しで変化します。過去に、実年齢は30代後半でしたが、見た目は20代にも見えるような若々しさを持った女性もいました。その方はビフィズス菌量が平均よりもとても多かったのですが、やはりきちんとした生活への意識が非常に高い方でしたね」
今後、腸年齢の注目は高まっていくのか?
「私共が今取り組んでいるのは、100歳以上の方の腸内フローラについての研究。まだ研究中ですが、少なくとも60~80代で調べられているビフィズス菌より多いということがわかってきました。こういった腸内環境だから長生きできているのか、あるいは長生きしているからできた腸内環境なのか。この相関関係がわかったら面白いと思い、精力的に研究を進めているところです」
腸年齢に関する調査結果も!
森田先生のお話を聞き、今後ますます、腸年齢という考え方が健康ライフにおける新たな注目キーワードのひとつとなっていきそうな予感。
例えば『江崎グリコ株式会社』は、腸内フローラ検査サービスなどの提供をおこなう『ウンログ株式会社』と共同で、腸年齢に関する調査を発表しています。
20~30代女性52名を対象としたこちらの調査によると、「ビフィズス菌BifiX(ビフィックス)」の摂取で腸年齢に変化があったとのこと。
あくまでもウンログ社独自の腸年齢の算出方法ではありますが、摂取前は調査対象の実年齢と腸年齢の差がプラス1.7歳あったところ、摂取後はマイナス4.5歳まで低く算出されたそうです!
※結果には個人差があります。
もちろんこの結果はテスト的に行った一例ではありますが、腸年齢への注目が高まっていくと、この調査結果にも自然とスポットが当たるかもしれません。
※ここでいう「腸年齢」とは、ウンログ株式会社の腸内フローラ検査を受けた方の検査結果を元に独自に算出した『腸内フローラ年齢』のことです。健康状態や体質を診断するものではありません。
[調査概要]
江崎グリコ「肉が好きな女性を対象とした意識調査および腸内環境調査」
・調査期間:2017年7月5日(水)~7月28日(金)
・調査対象:20~30代 女性54名(意識調査事前は54名/事後は52名が回答、腸内環境調査事前は53名/事後は52名の結果)
※事前調査で「肉をよく食べる」と答えた方
※普段、ヨーグルト・食物繊維・オリゴ糖を意識的に摂取している方、およびお通じの状況が特殊な方を除く
・調査方法:インターネット/ホームユーステスト
ビフィズス菌BifiX(ビフィックス)って?
ちなみに上記の調査で使用されていた「ビフィズス菌BifiX(ビフィックス)」が何かというと、これはグリコだけのビフィズス菌で、自社が保有するおよそ1万種類の菌株の中から見つけ出したのだとか。
おなかに生息する善玉菌の多くがビフィズス菌と考えられていますが、「ビフィズス菌BifiX(ビフィックス)」は、おなかで増えてお通じ改善に役立つというのが、最大の特徴といわれています。
今後、腸年齢、いわゆる腸内細菌のバランスを指標に健康を考えていくうえで、心強いサポーターになってくれることを期待したいですね。
腸の年齢も考えた健康ライフを!
「腸年齢」という新しい健康への考え方。目に見えない体の中の状態は、なかなか自覚しにくいものです。でもだからこそ、意識的に対策をとっていく必要がありそう。
誰だって、可能であればいつまでも健康な体でありたいもの。これからは実年齢や見た目年齢に加えて、腸年齢も考えてみてはいかがでしょうか。
(文:ソーシャルトレンドニュース編集部)