*こちらの記事は、商業界ONLINEからの転載記事です。管理栄養士・抗加齢医学会認定指導士 松田 真紀さんによるファミマ試食レポート記事をご紹介します。
最近は「ライザップ」コラボの低糖質商品や「バターコーヒー」など、話題のダイエット商品を次々と打ち出していますね。が、やはり、ファミマの食品売上げナンバーワンは現在も「ファミチキ」。サラダチキンに関しても、他2社とは違うオリジナリティを感じました。サラダチキンのラインアップはコンビニ最多の6種類! バリエーション豊富。スティックおつまみの「お母さん食堂シリーズ」2種、ライザップコラボも加えて9種類! では、早速試食レポート開始しましょう!
パッケージの裏面の成分は以下の通りです。
ファミマのサラダチキン栄養成分表示(100g当たり) 価格:各239円(税込258円)※1パック110gの3種のハーブ&スパイスとタンドリーチキン風は比較のために100g当たりで計算。
薄味のセブン、ローソンが蒸し鶏や鶏ハムという食材寄りの味にしているのに対して、ファミマはしっかり味がついています。食材としてアレンジするというよりは、スナック的にそのまま食べられる「肉系おやつ」。一方で、コンビニで全て国産の鶏肉を使用しているのはファミマのみ。価格は最も高く、最安値のセブン-イレブンとは約40円違います。
この違いはどこにあるのか?スペックだけでなく、食べないと語れませんね。
まずはサラダチキン6種類を、「パッケージを開けてそのまま」食べ、その感想を、「肉の食感」「満足感」「健康への優しさ」「他にはない新しさ」「使いやすさ」「また食べたい」の6項目、5段階で評価。
合計点で勝手にナンバーワンを決定しました。もちろん、あくまで個人的な感想ですのでご了承ください!
1位「淡路島藻塩の国産鶏サラダチキン」
ミネラルたっぷりの「藻塩」に好感!
藻塩を使っているだけあって、塩味はしっかり感じますが、決して強過ぎず、鶏肉の臭みが取れて風味が際立っていました。プレーンではなく「塩味」としての主張はありました。
パンやサラダだけでなく、焼き鶏の塩味感覚でおにぎりなどお米にも合う万能な味。そのままでもいいですが、スパムむすびのように、スライスしておにぎりの具や手巻き寿司にも使えます。ごろっと肉厚で食べ応えもしっかりあります。食べてみると、予想外のシンプルな味(すみません!)に好感が持てました。
藻塩とは海藻から作る塩で、通常の海水から作る塩に比べて、カルシウム、マグネシウムといった若さや免疫アップに必要なミネラルが豊富で、体に優しい良質な塩です。減塩ブームですが、塩が全て悪いわけではありません。適度な塩分は交感神経を優位にしてやる気を起こす活力の源ですから、頑張らなくちゃいけない日の朝や昼にお薦めです。鶏胸肉に含まれるイミダペプチドの疲労回復効果で、効果倍増。
実は1位はもう1品ありました。
1位「3種のハーブ&スパイス国産鶏サラダチキン」
大きめにカットしたハーブも存在感あり!
コンビニ3社の「ハーブ」の中で唯一の国産鶏を使用。肉質もさることながら、大きめにカットされたハーブの存在感があり、肉にしっかりと染み込んでいます。食べながら、香りが食欲をそそりました。蒸し鶏は特有のヌルつきや生臭さが苦手な人が意外と多いのですが、そんな方にもオススメしやすい商品だと思いました。
肉厚なので、外側はしっかり、内側はあっさりと食べられます。ハーブには肉類の消臭、殺菌効果に加えて消化促進や健胃効果もあり、体に優しい理にかなった組み合わせです。
そのままで十分に味がついているので、どうしてもパンだけで済ませがちな朝に、1品加えてタンパク質補給はいかがでしょうか?「ハーブ&スパイス」だけに、ファミマのカット野菜「ほうれん草&ハーブ」と相性抜群です。
トレーニング後に食べれば、効率的な筋力アップになります。ダイエット中の腹持ちもバッチリ。ただ、濃いめの水分が欲しくなる味なのでホットドリンクでさらに代謝アップ!
3位「ペッパー&ガーリック国産鶏サラダチキン」
ありそうでなかった!間違いない味
「肉を食べた!」という満足感がありました。ペッパーやガーリックと肉は相性が良く、料理では定番ですが、サラダチキンにはありそうでなかった味ですね。パストラミビーフやペッパーステーキ感覚で、食べやすいのではないでしょうか(ペッパーは適度に胃を刺激して消化を助ける効果がありますから肉類を食べるときの良きパートナーです)。
味は濃いめなのでファミマの冷凍野菜「一口サイズのブロッコリー」や「宮崎産カットほうれん草」など緑黄色野菜を効率的に食べるチャンスです。免疫アップに働くビタミンAは脂と一緒に摂取すると吸収率がアップするからです。同時に塩分も野菜のカリウムが体外へ排出してくれます。冷凍野菜はカットされているから包丁いらず。あっという間にバランスのとれた一皿の完成です。
4位「タンドリーチキン風国産鶏サラダチキン」
ダイエットじゃなくても食べたいおいしさ
もはやサラダチキンと呼べないくらいスパイシーでみんなが大好きなカレー風味チキンです。サラダチキンは味気ない!物足りない!そんな方に、とってもオススメしたいです。
もともとタンドリーチキンは硬めの鶏肉をヨーグルトや香辛料などに漬け込んで焼いた北インドの料理ですから、特別な「ダイエットフード」という抵抗感もなく、おいしく食べられるのはうれしいですね。子供はもちろんですが、シニア層もカレー風味は人気。
ターメリックは美肌効果や免疫アップなどの若返りにうれしい効果があるのでオススメです。また、肝機能を助けてくれるので二日酔い予防のおつまみにもいいですね。これからの暑い季節は食欲が低下しがちです。たんぱく質補給にオススメです。
濃厚な味ながら、塩分相当量はプレーンと0.3gしか変わりません。炭水化物は1個(110g)食べると約3gでサラダチキンとしては比較的高めですが、ファミチキは1個(80g)で約15gと比べると5分の1。脂肪分も4分の1に抑えられます。揚げ物をたまにこれにチェンジするだけで立派なダイエット! キャベツサラダがモリモリ食べられる味です! たっぷり食べて脂肪の消化を助けましょう! ちなみに、ご飯やパン、ビールも進む味ですから、くれぐれもご注意を。
5位「スパイシーBBQ風味国産鶏サラダチキン」
野菜もモリモリ食べられそう!
甘辛いバーベキュー味、スペアリブ風です。鶏胸肉が原料なので、豚肉や牛肉に比べると、飽和脂肪酸を抑えらます。「ダイエット=薄味」のマンネリ化解消に上手に使いましょう。
塩分相当量はファミマのサラダチキンの中で最も高く、実際に食べても甘辛さが気になります。バーベキューソースは野菜との相性が良いのでレタスサラダのような葉物野菜をたっぷり食べましょう。どうしてもご飯やパンが食べたくなる味ですね。そのときは我慢せずに、脂肪になりにくい朝やお昼に食べましょう!
6位「スモーク香る国産鶏サラダチキン」
国産鶏肉使用、藻塩を使ったこだわり
コンビニ3社の「スモーク」唯一の国産鶏肉。藻塩を使うなど、原材料にこだわりを感じられるのはうれしいです。燻製の香りはしっかりしたのですが、せっかくの肉質の良さを感じられませんでした。他の商品に比べるとオリジナリティをあまり感じなかったことと、発色料が気になりました。今後に期待したいです!
<番外編>進化するファミマのチキン
これは食べやすい!「お母さん食堂 厳選おつまみ」シリーズ
丸ごと、かぶりつきやすいスティックタイプ。サラダチキンのようにソースがあふれることなく食べられます。少量でかなり濃厚ですが、噛み応えがあるので「おつまみ」や「小腹満たし」として重宝しそうです。
チキンプロテインバー!「ライザップ」シリーズ
黒いパッケージにライザップのロゴ。さすがの糖質0g、塩分0.6gです。いざというときにいつでも食べられるものがあると不思議とストレスは落ち着くもの。バッグに1本、ダイエットの御守りですね。
いかがでしたか?
ややもすると味気ないイメージの強いサラダチキンですが、ペッパー&ガーリック、タンドリーチキン風など、糖質ダイエッター向けの食品でなく、子供からシニアまでが楽しめる「チキンのおやつ」としてまだまだ広がりそうです。そうかと思えばお母さん食堂やライザップまで。さすがチキンのファミマですね。
サラダチキンとして他社と比較すると、調味料が多い分、エネルギー、脂質、炭水化物、塩分も総じて高めですが、「チキンのおやつ」と考えると、ついつい買ってしまうレジ前の誘惑……、揚げ物よりは、確実にヘルシーです。
国産肉使用に加えて、藻塩や本格ハーブを使うなど、糖質や塩分の数値だけでない、健康や安心・安全で一歩リードでしょうか!
(文・松田 真紀)