負けた時、アラサーがつい言いたくなるあのセリフ
本気で挑んだけれど、負けてしまった時。あるいは何らかの目標が達成できなかった時。思い浮かぶのは、漫画『SLAM DUNK』のこの名台詞。
「這い上がろう。負けたことがいつか価値になる」
あなたがアラサー世代であれば、もしかして一度くらいは口にしたことがあるのでは?
これは、筆者のまわりで実際にあったというワンシーンです。
【実録】世代ギャップに負けた日
会社のチーム目標が達成できなかった時……。
35歳
先輩’S
会社からの期待も大きかったし…この負けは本当に悔しすぎるね……
23歳
後輩
ハイ……
35歳
先輩’S
……這い上がろう。
35歳
先輩’S
負けたことがいつか。
35歳
先輩’S
価値になる!!
……。
23歳
後輩
いい言葉ですね…。メモしておきます。
35歳
先輩’S
え!?!?
35歳
先輩’S
いや、うん、間違いじゃないんだけどね? メモとるのも。え、もしかして通じてない? 山王戦だよ!
23歳
後輩
?? なんですか? それ
35歳
先輩’S
まじか
スラダン山王戦は、何歳まで通じる?調べてみた!
主人公・桜木花道擁する湘北高校がインターハイ二回戦で対戦し、事実上の“ラスボス”であった常勝軍団・山王工業高校との激戦。このセリフは死闘の末、絶対王者であった山王工業高校が敗北した際に、監督が選手たちへ書けた言葉。「負けたところから新しいドラマが始まる」という勇気を読者に与えてくれる名シーンですが、そっか、通じないのか……。
これってもしかして世代ギャップ? ということで、10代~30代440名を対象に調査を行ったところ、なんと20代以下の“山王戦”認知率はわずか3割程度!
山王戦を知らない若者たちからは、冒頭で紹介した名ゼリフについて、こんなコメントが集まりました。
試合に負けたが、まだ闘志は消えていない感じ名言(18歳女性)
大人気の漫画ですが、きちんと学べることがありそうな漫画だと感じました。(21歳女性)
名言あざす(19歳男性)
一方、認知率が半数を超える30代の『SLAM DUNK』世代からは、たくさんの共感と感謝の声が!
感動!!!どちらのチームにも物語があって努力してほんとに感動でした!!(30歳女性)
死闘の後の言葉なので、重みがある(32歳女性)
負けたことへの叱責ではなく、それすらも財産になると言ってくれた。ずっと王者だった山王工業だからこそ、ただの慰めの言葉よりも重く響いた。(35歳女性)
名言であるという認識に、世代ギャップはなし。とはいえ、やはり“山王戦”を知っているのといないのとでは、あのドラマチックなニュアンスまでは伝わらないのかもしれません。今後、『SLAM DUNK』世代におかれましては、20代以下のメンバーがいる場でこのセリフを山王戦のニュアンスも含めて発言することは、どうぞご注意を……。本当に、ただただそれっぽい名言を発する人になります。
(文・イラスト:佐藤由紀奈)