ー3カ月前、童貞を捨てた。思ったほど、世界は変わらなかったー
チェリーについて

「実は5回死にかけた」窪塚洋介に聞く“生きる意味”の作り方

これは、時代の変わり目に“永遠のオトナ童貞のための文化系マガジン・チェリー”がおくる、連続3回のインタビューシリーズ。窪塚洋介に“時代をカケル”言葉を聞く。

平成とは“窪塚洋介の崇高さと純度の高さに人々がついてこれなかった時代”なのではないか――?

新しい時代にこそ、窪塚洋介の言葉が、価値観が、生き様が必要とされるはず。
“時代の変わり目”の今、改めて触れておくべき窪塚洋介のコトバたち。
それは、時代を「架ける」「翔ける」「賭ける」言葉になるのではないか?

初回は20代前半を振り返り「社会に吠えなくなったワケ」を、第2回は「離婚したって、愛はある」ということで、一度生まれたら消えることはない“愛”について語ってもらった。
3回目の今回は、人生の意味について。
「窪塚洋介が転落した――」という衝撃のニュースから15年。あの日からも生き続けてきた窪塚洋介になら、人生の意味への答えがあるのでは――?

窪塚洋介が卍 LINEとして書いた「IKIRO」という曲がある。
転落事故と思われる描写のあとに

生きろ生きろ生きろ生きろ
ピンチはチャンスなんだぜ
なあ神さん この挑戦状
受けて立つぜ ぜってー勝つぜ

と高らかに強い意思を歌いあげる。
まずはこの曲の話から聞いた。

意味は与えてもらうのではなく、自分で作るもの

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――卍LINEの「IKIRO」という楽曲があります。やはり窪塚さんに言われる「生きろ」は、他の人に言われる「生きろ」とは重みが違って聞こえるんですよね。

窪塚「まあ、実は5回死にかけてるんで」

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――ええっ、2004年のあの1回だけじゃないんですか?

窪塚「あれが一番メインイベントなんだけど、それ以外にも4回死にかけてるんですよね。もっと“経て”来た人はうまくやるんでしょうけど、凡ミスしちゃったなあ、という」

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――選ばれし人間だからこそ5回死にかけて生きているというか、神様が意味を与えている気もするんですが……。

窪塚「もし、その言い方をするならば、意味は自分で作るしかないんです。意味を与えてもらえるなら、どれだけラクだったことか、と思います。起きたことに自分で意味を見出して確かめるしかないんです」

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――起きたことに意味を作り続けるのって、なかなか大変なことではなかったですか?

窪塚「大変じゃないって言ったら嘘になりますが、それが一番幸せになる道だ、という確信があったんです。自分がいい人生を送るための攻略本が欲しかったんですよね。その攻略本を作り続けることに集中してきて。もちろん自分のためだけじゃなくて、それを音楽に落とし込んだりもしてきましたけど」

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――その攻略本は40歳を迎える今、だいぶ出来上がってきた印象ですか?

窪塚「なんとなくページが揃ってきた感じはありますね。あとは、それを『間違いないよな』って毎日確かめながらやってきているっていう感覚で。もちろん、一人では自分の人生は完結できない……って昔読んだ小説に書いてあって、そう思ってはいますけどね。
葬式を見たらその人がどんな人生だったかわかるっていうか、その人が死んだ後に周りの人という最後のピースが入って、人生が完成する」

答えは自分の中にある

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――他者があって自分が完成する。

窪塚「レゲエで言ったら“I&I”であって、“I&YOU”じゃないんです。見つめるのは自分。他人の中にも自分を見ているんです」

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――どういうことでしょうか?

窪塚「『この人嫌いだなあ』って他人に対して思うことって、その他人の中に自分の中の嫌いな部分を見つけてるんですよ。親や兄弟と話してるとわかりやすいですよね。イラつく部分が、自分の嫌な部分と似ているところだったり」

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――ああ、わかります!

窪塚「それが本当は家族だけじゃなくて、他者全てに対して起こっているんです。嫌い、で話しましたけど逆も真なりで。
誰かを好きになったり、憧れたりするのは、その相手の中に、自分が欲しい要素・なりたい部分を見つけられたってことなんですよね」

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――“I&I”の意味が深く入ってきました……。

窪塚「結局、答えは自分の中にあるんです。答えを外に見つけようとすると、迷うし、間違えます。外にあるのは、確かめる術であって、答えそのものではないんです。そこが逆にならないように、間違えないようにしないといけないんですよね」

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――答えは自分の中にすでにあるんですね。

窪塚「うん、答えはもう全部自分が知ってるから、それを確かめにいくだけです」

“want to”を重ねると直感が鍛えられる

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――このインタビューの初回で、自分のチューニングについて伺いました。自分のチューニングに必要そうな“直感の鍛え方”について聞かせてください。

窪塚「“want to・したいからする”っていうことを突き詰めることですね。“しなきゃいけないからする”んじゃなくて“したいからする”を重ねていく。しかも確認できるから鍛えやすいと思います」

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――直感が鍛えられてるかどうかって確認できるんですか?

窪塚「自分がそれを選んでハッピーになったかどうかは自分で確認できますよね。『カツ丼食いたい』と思って食ったらハッピーだったな、みたいに日常で答え合わせし続けられる。それを続けると直感が鍛えられていって、極端な話『電車乗り遅れてよかった!』『お金落としてよかった!』って思えるようになる」

気持ち的にはバーカウンター

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――今日はものすごく、今後の指針となる生き方を学んだ気がします。

窪塚「ただ今日、俺は『こう考えたら見えてくるんじゃない?』って話しかしてないんですよね。“教える”んじゃなくて“気づいてもらう”」

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――はい、上からではなく、横から気づかせてもらった感覚です。

窪塚「今は向かい合って座ってしまっているけど、気持ち的にはバーカウンターなんです。ここに(※自分の隣の席を指さしながら)座ってもらってるつもり」

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――隣り合って、同じ方向を向いて座ってるんですね。

窪塚「バーカウンターで喋っていると、同じ方向を向いているから、ちょっとの違いが気にならないじゃないですか。でも向かい合ってると、歩き方が変だなとか気になっちゃいますよね。だから自分は全ての人とバーカウンターで喋ってるつもりでいます。そうすると、他人との些細な差を気にせずにすむ」

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――確かに、同じ方向さえ向いていればいいですもんね。相手と対峙する必要はない。

窪塚「向き合うのは自分だけでいいんです。そうしたら自分に合うガラスの靴が見つかるはずなんです。
みんなに合うガラスの靴はない。でも、絶対に自分に合うガラスの靴はあるから」

(取材・文:霜田明寛 写真:中場敏博 動画撮影・編集:長谷川颯也)

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