「映え」の時代に、ツイッタラーが思うこと
Instagramの流行から、巷では“インスタ映え”するものに注目が集まっています。しかしその裏で、“インスタ映え”な日常をアップする・見ることが負担になる“インスタ疲れ”を実感している人もいるのではないでしょうか。
その反動なのか、一部ではTwitterへユーザーが回帰しているという噂もあるほど。“InstagramよりもTwitterの方が居心地いいと感じる人がいるのはなぜなのか”を探るべく、ツイッタラー(※1)3人にインタビューしました!
今回お話を伺ったのは、この3人。
M藤さん:Twitter歴7年。食べ歩き系の趣味垢(※2)を使いこなし、フォロワーとリアルでの交流も抵抗なく行うなど、実は行動派。
H川さん:Twitter歴10年。ビジネス界隈のアカウントとの交流が多く、知らない人から相談が来るなど思わぬボールが飛んでくることも。
I田さん:Twitter歴10年。多い時は1日50ツイート!? 感情を吐き出す闇系ツイッタラー。ブロック機能や、垢消し(※3)・復活を使いこなすTwitter上級者。
ツイッタラーにおけるTwitterの居心地のよさとはいったい何なのか? 早速聞いてみました。
※1:今回におけるツイッタラーの定義:InstagramよりもTwitterに居心地のよさを感じ、愛用している人
※2:趣味垢=趣味専用のアカウント
※3:垢消し=アカウント削除
ツイッタラーにはまぶしいInstagramの世界
――ツイッタラーのみなさん、よろしくお願いします。まず、TwitterとInstagramにはどんなイメージをお持ちですか?
誤解を恐れず端的に言うと、Instagramは陽キャ。Twitterは陰キャ
私も、まさに陽キャと陰キャだと思います(笑)
――陽キャと陰キャ、といいますと?
Instagramはおしゃれな人、Twitterは小難しい人が多い……みたいな感じですかね! 食べ物で言うとInstagramはタピオカ、Twitterはギョウザ、そんなイメージ
※InstagramとTwitterのイメージ
――まずTwitterとInstagramでは、ユーザーの属性に対照的なイメージがあるんですね。皆さんの中では、Instagramの世界はどこかまぶしく映っているように思えます。
みんなが24時間キラキラしているわけない!
――では実際、TwitterとInstagramは、どんな風に使っていますか?
使い方としては、Twitterは頭の中を映すもので、Instagramは状況・今いる場所とかを話すかな。あとTwitterはウケ狙いが多いです
私はSNSを情報収集ツールだと思っているんですが、商品の口コミを調べたいときにTwitterのほうがリアルな声が多くて便利なんですよ!
わかる。僕もよくTwitterで調べますね。食べ物でも“この新作、まずっ!”と思ったら口コミ検索。同じ意見の仲間が多くいると安心します(笑)
――確かに、Twitterは文章メインの投稿ということもあって、気軽に本音をつぶやけますよね。本音が集まるから、結果として情報ツールとしても利用しやすくなっているのかも。
Instagramは投稿ハードルが少し高いからか、あまりリアルタイムな声がないと感じます
投稿ハードルの高さは、確かにある。僕もインスタ映えなものは見るけど、あくまで見るものでしかなくて
それもあって、私はフィードの投稿は昨年で止まっています
僕もフィードの投稿は2年前くらいで止まっています。“これはInstagramっぽくないかな”とかいちいち考えちゃうから。でも、ストーリーズは唯一気に入っている機能! ストーリーズはInstagramの“つぶやき”、つまりTwitterのようなものだと思っています
――ストーリーズは1日で消えるので、写真の加工なども必要なく、気軽に投稿できますよね。
Instagramの写真はおしゃれなものが多いけど、みんながみんな24時間キラキラしてるわけないじゃん、って思うんです。どこか違和感があるというか。だから色々考えずに、等身大の自分で投稿しやすいTwitterに流れてる実感があるなあ
――Twitterの強みは、「投稿ハードルが低く」、「本音を投稿できる」こと、ということですね。
Twitterは、「ダメな自分」を見せられる
――「投稿ハードル」以外の要素で、ツイッタラーのみなさんにとってTwitterの居心地がよい理由について、もう少し聞かせてください。
私は、Instagramってやっぱり自己顕示欲を示す場所と感じてしまうんですよね
アカウントの世界観も大事だし、“〇〇な私”を見せる場所でもあるもんね
Instagramでは“キラキラしている私”の反応がいいけど、Twitterは逆に“ダメな自分”を見せると、受け入れられる気がします
――確かに、その傾向はありますよね。例えばこちらのヴィエンナさん(@ViennaDoLL)のツイートも、「現実」として“ダメな自分”を見せて多くのいいね・リツイートを得ています。
インスタ映えの理想 VS 現実。 pic.twitter.com/TaiRwVvP69
— ヴィエンナ (@ViennaDoLL) July 20, 2019
そうそう、こういう感じ! ネガティブ発言がしやすいのもTwitterの好きなところ。文章で感情をアウトプットしやすいから、自分らしくいられる
疲れた~とか、そのときの自分の気持ちをなんでも言っちゃう。完全に自己満足です
――Twitterでは世界観も必要ないし、様々な「自分らしさ」が許されるということですね。自分のフォロワーに発言している感覚は、あまりないということでしょうか?
はい、私はただ発したいだけで本当に独り言のような感覚です。フォロワーの存在はあまり気にしないかな
とは言いつつ、SNSなんだし、どこかで人と繋がっていたい気持ちもあるんじゃない?
僕は酔っぱらったときにリプライで人に絡んでること、よくあります(笑)。心の中ではそう思っているのかも……
確かに仲のいいフォロワーもいるので、自然体な自分を受け入れてくれる人と関わりを持ちたい、と思います
“ダメな自分”を受け入れて欲しい、周りの評価を気にしたくない……でも人との関わりも欲しい。それを可能にするのがTwitterなんだね!(笑)
――「自然体な自分を受け入れてもらえる」世界が、Twitterなのかもしれませんね。ツイッタラーのみなさん、貴重なお話をありがとうございました!
自己表現よりも、「ありのままの自分」
Instagramと、Twitter。
どちらも長短があるものの、「投稿ハードルが低く」「気軽に」使うことができ、かつ「等身大の自分で人と交流できる」ところが、ツイッタラーがTwitterを居心地よく感じている理由のようです。
「インスタ映え」が世間で盛り上がるなかで、確かに“インスタ疲れ”も起こっている今。SNSに求める要素が「飾った自分を見せること」から「ありのままの自分でいられること」へ回帰しているといっても過言ではないかもしれません。
両者の特徴を知り、“インスタ疲れ”などのSNSストレスから自分を守るためにも、自分の目的や価値観に合ったSNSの使い方を探してみては。
(文:ソーシャルトレンドニュース編集部)