近年スマホの普及率は、言うまでもなく右肩上がり。それに伴い、ファーストフード店やカフェ、駅や空港、コンビニなどが提供する公衆Wi-Fiもずいぶん増えました。街中のどこかでWi-Fiに出会える時代。とりわけ、月末にLTEの速度制限がかかってしまった時、Wi-Fiは命綱となります。
しかし一方で、使いたいときにあまり見つからないのもWi-Fiではないでしょうか?Wi-Fiに出会えず、通信速度にイライラし涙を流す人を「Wi-Fi難民」と呼びます。 都会をさまようのは「Wi-Fi難民」だけではありません。 カフェもベンチもいっぱいで少しの間だけでも座るところが見つからない「ベンチ難民」。類義語に、スターバックスで飲み物を買ってから席が空いていないことに気づいて、店内を居心地悪そうに歩く「スタバ難民」に代表される「カフェ難民」がありますが、その中には携帯電話の充電が切れて、ポータブル充電器もなく、充電コードを握り締めて電源を探す「コンセント難民」が含まれていることがあります。
あるいは交通機関にも難民は存在します。 新幹線の自由席で、席を確保できずデッキに気まずくたたずむ「新幹線難民」には、新幹線ユーザーでないとなかなか共感を得られないさみしさが。自分の最寄り駅に各停しか止まらない場合「各停難民」になるし、雨天などの混雑時、自分がいるバス停を通過される「バス難民」の切なさといったらこの上ない。 遅延によって乗り換えがうまくいかず想定外のところで時間をつぶすことになる「接続難民」は乗り換え駅あるあるですよね。
あなたはいくつの「都市型難民」に共感しましたか? 「都市型難民」の発生理由として、便利すぎる街への甘え、または都市に機能が集中し過ぎ、などがあげられます。「都市型難民」は、今後もその多様性を広げていくはずです。 しかし彼らに共通して言えることは、自身の気の持ち様で彼らは難民ではなくなるということです。電車が遅延したら、ぼんやり空を眺めてみてもいい。携帯の充電が切れたら潔く諦めるのもいい。街にフリーWi-Fiがない頃のことを思い出してみてもいい。そうして空いた時間に、本当の「難民」に思いを馳せてみるのも、いいのではないでしょうか。