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働く大人をこっそり応援してくれる(気がする)。シルバニアファミリーの赤ちゃんの人気が上昇中!

たなか もみこ

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たなか もみこ

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気が滅入りがちなこの季節。あなたの心の支えはなんですか?
私は「シルバニアファミリーの赤ちゃん」です。

というのも最近Twitter上では、シルバニアファミリーの赤ちゃんシリーズを日常にこっそり持ち込んで、ふとした瞬間に癒やされるライフハックが注目されています。

シルバニアファミリーは、アニメと実写のちょうど中間くらいの絶妙にリアルな造形の動物たちが、人間と同じような生活を送るというストーリーのドールハウス。今年で発売35周年となりますが、今も変わらず大人気のおもちゃです。

サイズ的にも大きく、それなりの値段がする「おうち」を買ってもらうことが幼少期の憧れだった人も多いのではないでしょうか。

そんなシルバニアファミリーが働く大人たちの密かな心の支えになっていると聞き、筆者も試しに持ち歩いてみることにしました!

家電量販店では売切続出!

早速、近くの家電量販店のシルバニアファミリーコーナーへ向かうと、そこには驚きの光景が広がっていました。なんと赤ちゃんシリーズだけがピンポイントで売り切れているのです!



クマ、シカ、うさぎ、ねずみなどが並ぶ中、ラブラドール、トイプードル、ペルシャ猫、さらにはリスが売り切れ……。ここで「やはり現実のペットとして迎えたいけれど、ハードルが高い種類から手に取られていくのか?」という思いが頭をよぎります。

結局、筆者も「メイプルねこの赤ちゃん」を選びました。

早速開封してみると……開ける前から分かってはいましたが、やっぱりかわいい!

無感情にこちらに目を向けてきますが、そのコロンとしたフォルムに不思議と癒やされます。

ひとまずこの記事を書いている間、そばに座らせておいてみました。なるほど。見守られている感がすごい。

これはペットを飼っている方にしか分からない感情かもしれませんが、自宅で勉強や仕事をしているときに彼らがそばにいると、決してそこにいる理由が自分ではなくとも、「そばにいる」という事実だけでこちらが愛されている感というか、謎の安心感があるんですよね。

シルバニアファミリーの赤ちゃんをそばに置くと似たような感覚を得られます。

そしてまたある日は食事時にも隣にいてもらいました。料理と一緒に撮ると、より人間界に迷い込んでしまった小さな生き物のように見えて、さらに愛しくなります。

同じ時期にシルバニアの赤ちゃんを持ち始めた編集部員にも協力してもらい、我が子たちの初対面も実現。

かわいい!
まるで彼らが本当に会話をしているように見えてきます。シルバニアファミリーが長年愛され続ける理由が分かってきました。

人と人形との間に、他人に見せるためのものではない絆が生まれる

さて、一見奇妙とも思えるシルバニアファミリーとその持ち主の関係。
それは「ぬい撮り」と「オモ写」の2つの文化を知るとわかりやすくなるのではないでしょうか。

「ぬい撮り」とはアニメキャラクターや動物などのぬいぐるみを、いわゆる”インスタ映え”の風景と掛け合わせ、1枚の写真の中にぬいぐるみ同士の、もしくはぬいぐるみと撮影者のストーリーがあるように見せる遊びです。ぬいぐるみの持ち主は「ぬいママ」と呼び、所有するぬいぐるみたちは世界一可愛い我が子。その可愛さを世間に知らしめたいという思いが感じられます。

例えばこの写真。投稿では彼らのセリフが記されていますが、ぬいママさんの投稿だと「2人ともリュックに入ってくれた♡さぁ、出発!」と彼らの観察日記のような文体になる傾向があります。

一方「オモ写」は、ぬいぐるみ以外の、綿の入っていない人形たちを写真に収め、その中で繰り広げられているストーリーを面白がり合う遊びのこと。

人形と持ち主の間に愛がないとは一概には言い切れませんが、おそらくはぬいママさんとは違う、ドライな言い方をすると「ネタ写真を完成させるためのコマ」。「おもちゃ」の本来の意味合いの範疇で楽しまれているように見えます。

シルバニアファミリーの赤ちゃんの話に戻すと、TwitterやInstagramで「#シルバニアの赤ちゃん」とハッシュタグ検索するとヒットするのは後者の楽しまれ方をされている子たち。今トレンドになっているものとは少し違います。愛情のかけ方としては「ぬいママ」に近い一方で、その愛情は特に他人に見せるためのものではないのです。

宛てどころのない愛情を人形にぶつけられる

少々愛が重いと感じた方もいらっしゃいますか?
でもこうして誰かを可愛がること、誰かのための自分でいること、そして誰かに必要とされていると感じることは充足感に繋がります。すると毎日が楽しくなってくるんですよね。ただ、生身の家族やペットにその「誰か」の役割を求めるとなると、相応の責任やプロセス、人間同士なら思い通りいかないこともしばしば……。そのリスクを最低限まで取っ払って、ワンコインという手軽さで身勝手な愛情を好きなだけ与えられるというのがシルバニアファミリーの赤ちゃんがの良さだと感じました。

しかし、言ってしまえば無責任な入り口。このあと彼らはどうなっていくのでしょうか。本当にボロボロになるまで大事にされるのか、それとも早々に飽きられて次の癒やしアイテムに取って代わられてしまうのか……。筆者自身の動向も含め、今後の変化に注目していきたいトレンドです。
メイプルネコちゃんの未来はいかに!?

(文:たなかもみこ)

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