最新シーズンの平均視聴率は、17.4%!国民的刑事ドラマといっても過言でない、テレビ朝日「相棒」。先週からは映画第3弾も公開になり、ますます「相棒旋風」が吹いていますね。
私も女子高生だったころに「相棒」の魅力を知ってから早10年。この10年、色々なことを経験しましたが、それでもやっぱり水曜21時の「相棒」が楽しみで仕方ないです!(「相棒」放送中は残業も合コンの予定も絶対いれずに21時にはTVの前にスタンバイしているほど。)「相棒」をまだ観たことがない人には、今からでも遅くないから観てほしい!「相棒」ファンが一人でも増えることを願って、一度ハマるとずんずん引き込まれる「相棒」の魅力を紹介したいと思います。
(1)派手な演出はない。演技と台詞がじわじわと涙を誘う…!
「相棒」の魅力は、登場人物たちの心理描写。例えば、シーズン3第11話「ありふれた殺人」(2005年1月放送)では「時効」をテーマに、各登場人物たちの心理描写と残酷な現実が丁寧に描かれています。このエピソードでも、「良心」と「規則」の間で揺れ、中途半端な行動をしてしまう亀ちゃん。その行動に対して右京さんからの厳しい一喝。反省するわけでもなく、あっけなく殺された犯人。真実を知りたい被害者遺族の老夫婦。対面を保つことしか考えない警察上層部。派手な演出ではない分、俳優さんたちの細やかな演技が際立ち、胸にぐっと来るのです。放送当時、「セカチュー」や「Deep Love」での号泣しか知らなかった私は、「相棒」を観て、こみ上げてくる涙が逆に新鮮で、「相棒」にハマって行きました。
(2)変人?だけど惹かれてしまう「杉下右京」というキャラクター
水谷豊演じる「杉下右京」は冷静沈着でマイペースな変わり者というイメージが一般的。しかし、劇中ではときに暴走したり、激高したり、激しい一面を垣間見せるのです。右京さんは真実を追究するためには行き過ぎ?と思われがちな強引な捜査すら辞しません。そして、開き直る犯人や正義に反する行動をする警察官には、身を震わせて怒ります。冷静なイメージとは正反対の右京さんの激しい一面も人気の秘密。右京さんは常に自分自身の正義を信じています。それは彼の強さでもありますが、暴走しすぎると批判されることも。しかし、自分自身を信じ、突き進む右京さんの姿は「男の中の男」!私が新米刑事なら、どんなときでも右京さんの背中を追って行きたい…。
(3)ニュースと連動しているのか?!と思うほどタイムリーな話題がドラマに!
「相棒」では時事性の高いテーマを扱ったシナリオが多いのも特徴。「若者の貧困」「監察医不足」「裁判員制度」などを取り上げたエピソードなどをタイムリーに脚本化しています。ファンの間で「伝説の鬱回」と名高いシーズン9第8話の「ボーダーライン」(2010年12月放送)では、「派遣切り」「ネカフェ難民」をテーマに展開していきます。事件の真相に近づくほど、被害者がちょっとしたきっかけで人生のルートから外れ、ゆっくりと、でも確実に転落していく様子がものすごいリアリティと共に描かれています。ねえ、こんな状況でどうやって絶望しないでいろっていうの?と叫びたくなるくらい、エピソード全体に不条理感が満載。決して他人事とは言い切れない、もしかしたら自分が被害者と同じようになってしまうのでは…と考えさせられた視聴者も多いはず。私自身も放送当時、実はニートを満喫していたのですが、これを観終わった瞬間、「就職しないとやばい!」と危機感を抱きました。(結果、今では再就職して無事にOLしています。相棒よ、ありがとう!)
「相棒」は1時間の刑事ドラマという枠を超えたドラマなのです。重厚なシナリオと登場人物のキャラクター、そしてそれを演じている役者さんたちの細やかな演技。なので、派手なアクションがなくても、救われない結末でも視聴者をひきつけてしまうのではないでしょうか。
新作映画のCMでは「あなたはまだ、本当の『相棒』を知らない」というナレーションが流されていますが、これは製作サイドの意気込みを感じ、CMだけでワクワクしています。今度はどんな「相棒」を見せてくれるのか、楽しみですね。