近頃、「フェス」というものは、「世のリア充たちのリア充度を示す場」として認識されているような気がします。
フェスに行ったことをSNSにあげるのはもはやセット。最近ではSNSに「フェス会場で5人とセックスした♡」とあげた女性の炎上が記憶に新しいです。
そして、なんと最近ではその「フェス」に、まさかの「アート」を融合させて「アートをフェス化するリア充たち」が増えているというのです!
アートがフェス化されている!?
正直、世のウェイウェイリア充たちが 「アート」という高貴なものを理解しているとは思えません……!!
何よりも、かの有名なあの「草間彌生」のことを「やよいちゃん」とは……!!
しかもその肝心の「やよいちゃん(笑)」の作品、ほぼほぼ映ってないし……!!
そう、リア充たちのウェイウェイから逃れるために救いを求めてやってきた「アートの世界」も、今やリア充たちによって「“フェス”というリア充のリア充によるリア充のための空間」にされてしまっているのです……。
ということで今回は、私がこの夏に行ってきた「フェス」での実体験を交えながら、「アートをフェス化するリア充たち」について徹底分析してみたいと思います!
オシャレ感が一気に増す
2015年8月1日・2日、8日・9日に茨城県で開催された「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」に参加した際、驚いたのは会場の各地に配置された「アート作品」の数々。
正直フェス初心者の「リア充もどき」の私には衝撃的で、これはすごいぞ!と、すぐさまカメラを片手に走りました。
実際その場には多くのリア充たちがいて、各自おもいおもいの写真をアート作品と共に撮っていました。
と、その写真を見てみると、確かにオシャレ……!
そう、なんだかよく分からないけど、この「アート作品」を写すと、とにかくオシャレに見えるんです。
さらに加工を加えると、
一気に“それっぽく”見えます。
他とは違う、個性的な「リア充アピール」
「フェスに行った」と言えば、それだけで「はいはい、さすがはリア充だよね」という反応が返ってくるこの時代。「フェス=リア充」という方程式が成立しているこの現状で、
世のリア充たちは「ワンランク上の他とは違うリア充」を求めているのではないか?
その結果、「いつものウェイウェイとしたフェス」ではなく、一見フェスとは相容れないように見える「アートの世界」に足を踏み入れたのではないか?
「個性的なアートとそれを見ているちょっとこなれた私たち」
「アートフェスに参加することで、他とは違う感性を持った私たち」
この「他とは違う個性的なリア充アピール」を実現させるツールとして「アート」が使われているのではないかと考えました。
「アート側」もウエルカム!?
そう、実はリア充側だけではなく、「アート側」もこの「フェス化現象」を受け入れている、または作りだしているようです。
2015年7月26日から開催されている「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」。こちらは、新潟県十日町市で3年に一回の頻度で開催されている世界最大級の国際芸術祭です。一見、アート好き以外は近寄りがたいこちらのイベントですが……。
女子たちの日常に絶妙なタイミングでユーモアと輝きを提供してくれることで有名なOZ magazineの最新刊、「アート大特集 美術館に行こう!」を見てみると、ん?「アート好きもそうでない人も」「女子のための」……?
そう、いまや「アート」とは、「アート好きの人々」だけのものではなく、「そうでない人」や「可愛いもの好きの女子」も全て含めて対象としているようです。
確かにこのイベントに限らず、各地で開催されている地域のアートイベント等は、その「アート作品自体」を広める目的以外に、その開催地である地域の活性化等も目的としているため、私たちが想像している以上に「アート初心者」に寛大!
故に「正直アートにそこまで興味のない世のウェイウェイリア充」も、アート側のウエルカム体制に導かれて参加しやすいというわけです。
正直私のような非リア充の人間としては、
せめて「アートの世界」ぐらいは、ウェイウェイ系の人間たちに侵して欲しくはないのが心情ですが、一方で、彼らが「アートをフェス化」してくれることによって、「アート初心者」の私のような人間が近寄りやすくなるというのも、また一つの心情なのです。
(文:田中七海)