「わかりはじめたマーイレボリューション……」
都内の某カラオケ店にて。何やら女子大生っぽい人達が全力で歌う声が聴こえてきました。
渡辺美里さんの『My Revolution』です。前向き過ぎるほど前向きな、バブルっぽい、でもとても素敵な歌なんです。
そうなんです!
今、私達女子大生の間では、古き良きバブル期の音楽・ドラマ等のカルチャー、略して「バブカル」が大流行、そしてそんなカルチャーを愛する「バブカル系女子」が急増中なんです!
そもそも、バブルって?
ところでバブルってどんな感じ?
インターネットで「バブル ファッション」で検索してみると……。
真っ先に出てきたのがワンレンの長い髪、巨大な肩パッドに、派手な配色でぴったりと体に添う「ボディコン」と呼ばれる服に身を包んだ女性の画像でした。
何やらその女性たちは、「アッシー」「メッシー」と呼ばれるキープの男性に車の運転をさせ、食事を奢らせていたとか……。
羨ましい! 私もそんな生活送ってみたかった! ……まあ、それは置いておいて。
さっそくノリノリで歌っている女子大生に聞いてみました。
「最近、カラオケはもっぱらバブル縛りなんです。プリプリとかちょっと昔のドリカムとか、すっごく盛り上がるし元気が出て最高!」(21歳・大学3年生)
え、バブル縛り!? 女子大生なのにバブル!? 彼女の話にもう少し耳を傾けてみると……。
ライフスタイルまでバブリーに!?
「カラオケだけじゃなくて、カフェに行く代わりにホテルのラウンジでお茶してちょっと贅沢な気分味わったりもします。まさにちょっとバブルの女子大生っぽいっていうか……現実逃避って感じで、タイムスリップしたみたいで楽しい!」(21歳・大学3年生)
音楽だけじゃなく、ライフスタイルまでもバブルに寄せているのか……!
ホテルのラウンジは、コーヒー1杯でも1000円近くと高額なんですが、何と言ってもその空間が豪華! ゆったりと一人で過ごすもよし、友人とゆとりのひと時を共有するもよし。
そして飲み物もスイーツもとっても美味しいんです!「これならセブンのコーヒー10杯飲める…」とケチケチせずに、たまにはリッチな気分を味わってみたいですね!
「僕は死にましぇん!!」に憧れる現代女子たち
そしてそして、バブルと言えばやっぱり! トレンディドラマ!!
都会で恋に仕事に奔走する若い男女(当時)の間の恋愛模様やトレンドが見られる、いわば「時代を映す鏡」がトレンディドラマだったというわけです。
果たして、どれほど流行っているのか? ドラマDVDレンタルでおなじみTSUTAYAの、都内でも大規模な店舗に潜入してみました。
邦画TVドラマレンタルランキングを見てみると……。
1位『半沢直樹』、2位『リーガルハイ』、3位『101回目のプロポーズ』、4位『あすなろ白書』、5位『東京ラブストーリー』(TSUTAYA某店舗ランキングによる)
やっぱり視聴率王・堺雅人のドラマは強い……!って、3位以降おかしくないですか!?
TVドラマ売り場を担当する店員さんにその真相を聞いてみました。
「トレンディドラマは若い女性に大人気ですね。コメントカードに“夢を見せてくれてありがとう”と書いてくれたお客様もいました」
『101回目のプロポーズ』と言えば、あのシーンが有名ですね…。
「僕は死にましぇん!!」と、武田鉄矢さんが道路の真ん中で両手を広げて叫ぶシーン…。車止めてまで愛を告白されるなんて何てロマンチックなんだ……! 一度でいいからこんな告白されてみたい!
「バブカル系女子」、その心は
なぜ「バブカル」は人気なのでしょうか。なぜ「バブカル系女子」が急増中なのでしょうか。
その魅力とは……。
今にはない斬新で贅沢なカルチャーと、21世紀の草食男子にはないストレートな愛情表現が素晴らしい……!のではないでしょうか。
リッチな生活にお洒落、直球な愛情表現。これらは現代に生きる女子たちにとって、手に入りそうでなかなか手に入らない、夢のようなものなんですね。
今の女子大生の日常なんて、LINEで告白、バイトの給料はファミレスの食事に消え、電車賃惜しさに一駅歩く……(個人差があります)。
いつだって前向きに生きたい、楽しみたい、愛されたい!! そんな現代女子の願望をかなえてくれるのが「バブカル」なのではないでしょうか!
(文:小林雅実)